博報堂生活総合研究所「食に関する生活者調査2026」手料理・食事の範囲が拡大、料理の手間削減を支持する人が約8割に

博報堂生活総合研究所が、20~69歳の男女1,500名を対象に「食に関する生活者調査2026」を実施しました。調査結果から、家庭で手作りする「おふくろの味」から調理済み食品を活用する「ふくろの味」へと食の概念が広がっており、生活者の意識に大きな変化が起きていることが明らかになっています。

本調査では、生活者の価値観や意識、行動に関する調査結果のうち、「手料理や食事の範囲」「食の価値観」を取り上げ、家庭の手作り料理から調理済み食品への食の広がりと生活者の意識変化について紹介されています。

調査結果のポイント

バターなどを塗っただけの「パン」や、パックのままの「納豆」を手料理と考える人が増加傾向にあります。

「完全栄養食/バランス栄養食」「プロテイン」「グラノーラ」を食事または食事代わりとみなす人が3年間で大幅に増加しています。

「宴会や会食などで女性が料理を取り分けること」を古い価値観と捉える人、「料理の手間を減らして別のことをする時間を作ること」を支持する人は、いずれも約8割に達しました。

手料理の範囲に関する調査結果

これって、手料理?手料理の定義が拡大

バターなどを塗っただけで焼いていない「パン」を手料理だと考える人は27.9%となり、2023年からの3年間で6.3ポイント増加しています。同じく、「パックのままの納豆」を手料理と思う人は22.6%で5.4ポイント増、「鍋やフライパン、レンジで温めた冷凍食品」については40.7%で3.3ポイント増となっています。

その他にも、インスタント食品やレトルト食品といった調理済み食品を使用した場合でも手料理だと考える人が増加しており、手料理の定義や範囲が拡大していることが確認されました。

手料理の範囲調査結果

食事の範囲に関する調査結果

これって、食事?食事の概念も多様化

「完全栄養食/バランス栄養食」を「食事/食事代わり」になると考える人は67.6%に達し、3年間で15.9ポイントという大幅な増加を記録しました。変化量の大きさでは「プロテイン」(34.1%、9.1ポイント増)、「グラノーラ」(65.4%、8.1ポイント増)が続いています。その他にも3年間でスコアが上昇した項目が多数あり、食事の範囲が広がっていることが感じられます。

食事の範囲調査結果

また、「食事になる」という観点でみると、「ハンバーガー」(58.0%、10.4ポイント増)、「唐揚げ」(55.3%、6.1ポイント増)が増加し、5割を超える結果となりました。

コンビニエンスストアや専門店で気軽に購入できる間食や食事代わりのアイテムが、きちんとした食事として認識されるようになってきているようです。

食事の範囲詳細調査結果

食の価値観に関する調査結果

今だと思う?昔だと思う?価値観の変化

現代の価値観として「家事分担で男性が料理を担当すること」を挙げた人は82.9%に達し、古い価値観として「宴会や会食などで女性が料理を取り分けること」を挙げた人は80.1%となり、いずれも約8割に達しました。大半の生活者が性差による役割意識を持たなくなってきていることがわかります。

食の価値観調査結果

さらに、「レトルトや冷凍食品などを使って料理を作ること」「料理を作らず、外食やお総菜などで食事をすること」「味付けにメニュー用調味料などを使うこと」などが現代の価値観として、「手料理にこだわること」「家族や恋人と出かける際に手作り弁当を持っていくこと」は古い価値観として7割超となりました。手料理や手作りを理想とする価値観は影を潜め、簡便調理や中食、外食の活用が現代的と認識されています。

食の価値観詳細調査結果

支持する?支持しない?生活者の本音

支持する価値観のトップには「料理の手間を減らして別のことをする時間を作ること」(81.5%)が挙がりました。一方、不支持の2位には「料理の手間を減らすことを手抜きだと思うこと」(66.4%)が入っています。多忙な日常を送る生活者は、料理の手間を減らすことに肯定的であることがわかります。

支持する価値観調査結果

料理関係以外で支持される価値観では、「和洋中の組み合わせを気にせず食事をすること」「苦手なものは無理に食べないこと」が7割超となりました。多様性を尊重する自由な食事スタイルを支持する人が多くみられます。

支持する価値観詳細調査結果

今・昔×支持・不支持による4つの類型

食の価値観を「今か昔か」「支持するか支持しないか」という観点から、それぞれスコアの高いもの同士で分類した結果、以下の4つの類型が明らかになりました。

価値観の4類型

うけいれたい(今×支持)では、「味付けにメニュー用調味料などを使うこと」「作るのが面倒な料理をスーパーなどで買うこと」「レトルトや冷凍食品などを使って料理を作ること」などの「簡便調理」に関する項目が目立ちました。

のこしたい(昔×支持)では、「家族や恋人と出かける際に手作り弁当を持っていくこと」「手料理にこだわること」などが挙がり、簡便さを支持しつつも手作りを守ろうという思いが根強くみられます。

みきわめたい(今×不支持)は「栄養食品やお菓子などで食事をすること」のみとなりました。ただし、不支持(52.9%)と支持(47.1%)は拮抗していますので、新しい「今」の食事について、まだ判断しきれないということかもしれません。

なくしたい(昔×不支持)には、「宴会や会食などで女性が料理を取り分けること」「料理の手間を減らすことを手抜きだと思うこと」が属します。性差による役割意識や手抜き論を否定しようとする生活者の心情がうかがえます。

価値観の4類型詳細
価値観の4類型マトリクス

調査概要

食に関する生活者調査 調査概要

調査目的:生活者の食に関する価値観や意識、行動を明らかにすることを目的としています。

調査地域:①首都40km圏 ②名古屋40km圏 ③阪神30km圏

調査対象者:20~69歳の男女

調査人数:1,500名

対象者割付:調査地域①~③各500名を各地域の人口構成比(性年代)に合わせ割付

対象者割付表

調査方法:インターネット調査

調査時期:2026年3月5日(木)~7日(土)

実施集計:QO株式会社

企画分析:博報堂生活総合研究所

※「食事の範囲」「手料理の範囲」は、2023年にも調査が実施されています。

調査時期と対象者割付は以下の通りです。その他の調査概要は2026年調査と同じです。

調査時期:2023年2月2日(木)~6日(月)

対象者割付:

2023年調査対象者割付表

出典元:博報堂生活総合研究所

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