
株式会社シンプリック(本社:東京都渋谷区、代表取締役:谷口雅敏)が、オウンドメディアを運営する企業100社に対して実施した「オウンドメディアにおける生成AIの利用実態調査」の結果を公表しました。
近年、オウンドメディア運営の現場では生成AIの導入が急ピッチで進んでおり、今回の調査結果によると90%以上の企業が何らかの形態で生成AIを活用していることが明らかになっています。しかしながら、生成AIに制作業務を依存すると「企業独自の個性が表現できない」という課題や、「誤情報の確認作業」「想定していたリソース削減効果が得られない」といった新しい問題も顕在化しているとのことです。
本調査では、オウンドメディアの担当者100名からの実際の意見をもとに、生成AI活用の「現状」と「効率化と品質確保における実際の課題」が解明されています。
調査概要
調査テーマ:オウンドメディアにおける生成AIの利用実態調査
調査対象:オウンドメディア運営企業
有効回答数:100人(設問によって異なる)
調査期間:2026年5月11日~5月26日
この記事の目次
半数以上が企画・キーワード選定を課題と認識
オウンドメディア運営で直面している課題について尋ねたところ、最も回答が多かったのは「企画・キーワード選定」で60%、続いて「執筆(ライティング)」が57%、「構成案作成」が50%という結果になりました。また、「校正・ファクトチェック」についても40%の企業が課題として挙げており、コンテンツ制作の初期段階から最終段階まで、幅広いプロセスにおいて負担を感じている状況が見て取れます。
特筆すべき点として、成果に直結する企画設計や記事制作のプロセスに課題が集約されており、多くの企業がコンテンツの大量生産ではなく、実際に成果を生み出すコンテンツの設計や制作体制の整備に苦心している実態が浮き彫りになっています。
生成AIをメインとした記事制作が主流に

生成AIの活用状況に関する調査では、「本文の執筆も含めてメインで活用している(人間が編集)」と答えた企業が42%で最も多い結果となりました。次に「アイデア出しや構成作成などの補助として活用」が35%、「ほぼAIだけで記事を作成している」が18%でした。
その一方で、「まったく活用していない」との回答はわずか5%に留まっており、生成AIが既に記事制作の現場で広範に浸透している状況が確認できます。特に、AIを活用しながらも人間が品質を保証する運用方法が主流となっている傾向が見られます。
半数以上が生成AIでは独自性が表現できないと感じる

記事制作における生成AI導入時の懸念事項については、「自社らしい独自性(一次情報)が出ない」という回答が52%で最も多くなりました。続いて「記事の品質・専門性の低下」と「プロンプトを扱える人材の不足」がそれぞれ42%、「ハルシネーション(嘘の情報)のチェック」が40%という順位になっています。
一方、「SEO順位への影響」を懸念する声は25%に留まりました。生成AI活用においては、検索順位への影響よりも、独自性や品質の確保、運用可能な人材の確保が重要な課題として認識されている状況が読み取れます。
生成AI導入によるリソース削減効果は限定的

生成AI導入後の1記事あたりの制作時間・コストの変化に関しては、「やや減った(2~3割削減)」と回答した企業が50%で最多でした。「劇的に減った(5割以上削減)」と答えた企業は13%という結果になっています。
一方で、「あまり変わらない」との回答が27%、「逆に増えた」が8%でした。AIによる効率化の効果が広がっている反面、生成された内容の確認や品質確保に時間を要し、期待していたほど工数削減に繋がっていない企業も一定数存在することが明らかになっています。
生成AI活用時も人による独自性付与が重要

生成AIを活用した記事制作が一般化している現状において、今後の役割分担がどのように変化していくべきかを調査したところ、「効率化はAIに任せ、人間は体験談や専門家監修など独自性の付与に集中したい」と回答した企業が63%と最多となりました。一方、「AIの比率を増やして内製化を進めたい」は29%、「人間のライターをメインにしたい」は8%に留まっています。
本調査の結果から、オウンドメディア運営において生成AIの導入率が95%に達している一方で、期待していたレベルの工数削減には至っていない現実が明らかになっています。多くの企業が企画や執筆のプロセスに課題を抱えており、AIをメインに活用しつつも、「独自性の欠如」や「品質確保の負担」に直面している状況です。
ここから導き出される今後の方向性としては、AIに効率化を任せながら、人が「体験談」や「専門性」といった一次情報を付与する高度な役割分担が挙げられます。今後の記事制作においては、AIを活用しながらも、人による付加価値を組み合わせた「品質と独自性の確保」が、成果を生むオウンドメディア運用の重要な要素になると言えます。
出典元:株式会社シンプリック












