日経BP「トレンドマップ2026上半期」発表、AI関連キーワードが最高スコアを記録

株式会社日経BP(本社:東京都港区、社長CEO:井口 哲也氏)は、2026年5月15日にマーケティング専門メディア「日経クロストレンド」が制作した「トレンドマップ 2026上半期」を公開しました。本調査では、「マーケティング」「消費トレンド」「テクノロジー」の3つの領域における潮流を分析し、注目すべき98個のキーワード全体をランキング形式で発表しています。

マーケティング、消費トレンド、テクノロジーの各領域は変動が激しく、多種多様なバズワードが登場しています。その中から中長期的に注視すべき動向を見極めることを狙いとして、日経クロストレンドの活動に助言を行う外部アドバイザリーボード約50名と、編集部の記者をはじめとする各領域の専門家たちの知見が集められました。

各キーワードに関しては、調査データを基に「将来性」と現時点における「経済インパクト」のスコアがそれぞれ算出されています。

分野別トップ3キーワードのスコア結果

領域別に獲得スコアのトップ3となったキーワードは次の通りです。

【将来性のスコア】

  • マーケティング領域:「EC(ネット通販)」(スコア4.64)
  • 消費トレンド領域:「キャッシュレス決済(QRコード決済など)」(4.38)
  • テクノロジー領域:「AI(人工知能)」(4.82)※全98キーワード中の最高値

【経済インパクトのスコア】

  • マーケティング領域:「EC(ネット通販)」(スコア4.65)
  • 消費トレンド領域:「キャッシュレス決済(QRコード決済など)」(4.29)
  • テクノロジー領域:「スマートフォン」(4.66)

今回新たに追加されたキーワードと高評価

時代の流れを踏まえ、今回の調査から新規に追加されたキーワードは、マーケティング領域における「エージェンティックコマース」、消費トレンド領域の「メンタルパフォーマンス(メンパ)消費」、テクノロジー領域の「バイブコーディング」の3つのワードです。「エージェンティックコマース」は将来性スコアが4.15、「バイブコーディング」は同じく3.80、「メンパ消費」も3.67と、いずれも初めての登場にもかかわらず高い評価を獲得しています。

新たに追加したキーワードの将来性スコア

最新のトレンドマップにおける全キーワードのスコアや詳細な解説記事については、2026年5月15日に日経クロストレンドのWebサイトにて公開されています。今回のトレンドマップ2026上半期に関する調査は、2026年3月から4月にかけて実施されました。

トレンドマップ2026上半期「マーケティング分野」の例

また、今回の調査結果から明らかになった主要なトピックスは以下の通りです。

トレンドマップ2026上半期の主要なポイント

AIが「期待」の段階を超え「当たり前」の存在に、全98キーワードで最高スコアを獲得

テクノロジー領域において今回特に目立つのは、AI関連のキーワードが将来性・経済インパクトの双方で上位にランクインしていることです。

将来性のトップは「AI(人工知能)」でスコアは4.82となっています。今回の全98キーワードの中で最も高い数値を記録しました。専門家の間でAIに対する期待は揺るぎないものとなっており、2位にランクインした「生成AI・LLM」(4.68)も高水準をキープしています。

特筆すべき点は経済インパクトの伸び率です。「AI(人工知能)」の経済インパクトスコアは前回調査(2025年下半期)と比較して0.34ポイント上昇し、4.44となりました。これはテクノロジー領域の全キーワードの中で最も大きな伸びとなっています。「将来への期待値」だけではなく、「既に企業の収益に影響を及ぼし始めている」という評価が広がっており、AIはいよいよ実装・収益化の段階に突入したと言えます。「生成AI・LLM」の経済インパクトも前回調査と比べて0.32ポイント上昇と、顕著な伸びを示しました。

生成AIからAIエージェント、エージェンティックコマース、バイブコーディングへの進化

今回の調査において注目すべきなのが、相互に連動するAI関連4つのキーワードの動向です。

まず基盤となる「生成AI・LLM」が社会全体および産業全体に広がり、そこから「自律的に稼働する」AIとして「AIエージェント」が発展しています。マーケティング領域の将来性において2位(4.53)を獲得し、前回調査に引き続き高い関心を集めました。企業活動の現場においても、経費精算や資料作成といった定型的な業務をAIエージェントに任せる動きが拡大しています。

このようなAIエージェントの活用が購買行動にまで展開した概念が、今回新規に追加されたキーワード「エージェンティックコマース」です。消費者の代わりにAIが商品を選択し、注文から決済まで完了させるこの概念は、将来性スコア4.15と高い評価を受けました。

同様に初登場で将来性スコア3.80を獲得した「バイブコーディング」は、AIを活用した新しいスタイルのプログラム開発を指します。「このようなアプリを作りたい」と伝えるだけでAIがコードを生成する仕組みにより、専門的な知識を持たない人でもソフトウェアを開発できる時代の到来を示しています。既存のSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)のビジネスモデルを根本から見直す可能性があるとして、高い注目を集めています。

消費の現場では「体験」と「複数拠点」への欲求が再び高まる

AIによる効率化・合理化の流れとは異なる文脈で、消費トレンド領域でも注目すべき動きが見られました。

「マルチハビテーション」(多拠点生活)と「ワーケーション」(ワーク×バケーション)は、新型コロナウイルス収束後に一時的に関心が低下したものの、今回の調査において回復の兆しが確認されました。2025年末の新語・流行語大賞にノミネートされた「おてつたび」が若年層を中心に広がりを見せたことも関連していると考えられます。

こうした動きは、消費トレンド領域で経済インパクト3位(3.47)に入った「コト(体験)消費」の盛り上がりとも連動しており、デジタル化・AI化が進展するほど人々はリアルな体験や場所とのつながりを求める傾向があることを表しています。

トレンドマップ2026上半期の分析手法について

調査は2026年3月から4月にかけて実施されました。編集部がマーケティング領域の35キーワード、消費トレンド領域の32キーワード、テクノロジー領域の31キーワード、合計98キーワードを選定しています。それぞれを認知している人に対して、そのキーワードの「将来性」と現時点における「経済インパクト」を5段階で評価してもらいスコアリングが行われました。質問の選択肢は下記の通りです。

将来性(企業の収益貢献や社会変革へのインパクト)

1.将来性は低い/2.将来性はやや低い/3.どちらとも言えない/4.将来性はやや高い/5.将来性は高い

経済インパクト

1.どの企業も収益を得られていない/2.一握りの企業(1~2割程度)の収益に影響している/3.一部の企業(3~5割程度)の収益に影響している/4.大半の企業(6~8割程度)の収益に影響している/5.社会全体になくてはならない存在

日経クロストレンドについて

「日経クロストレンド」は、マーケティング戦略や商品開発、新規事業創造などの情報を提供するデジタルメディアです。デジタルテクノロジーの進化などによって大きく変化する企業の新商品開発、マーケティング戦略、事業戦略の最前線をデータと実例を基に詳しく報告しています。「売れる商品」「サービス開発」のポイントを解き明かしています。対象は企業の経営企画、新事業開発、商品企画・開発、システム、マーケティング、営業、顧客窓口など幅広いビジネスパーソンで、Web・スマートフォンサイト、スマホアプリを中心に提供されています。

出典元:株式会社日経BP

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