Z世代のファッション購買行動調査:保存から購入まで長いプロセスが明らかに|スタイルアリーナ調査

一般財団法人日本ファッション協会が企画・運営する「スタイルアリーナ(style-arena.jp)」が、おしゃれに敏感なZ世代の購買行動に関する街頭インタビュー調査を実施しました。

おしゃれに関心の高いZ世代は、「このコーディネートが素敵だな」と感じてから実際に購入するまでの間に、どのような思考プロセスを経て、どのように判断を下しているのでしょうか。

17名への街頭インタビューを通じて明らかになったのは、購買という一瞬の行動の背後にある、予想以上に長く複雑なプロセスでした。

調査の概要について

調査実施日:2026年3月29日(日)

調査方法:街頭でのインタビュー調査

調査場所:表参道エリア

調査対象者:ファッションに敏感なZ世代女性17名

主な調査内容:

  • 最近InstagramやPinterestで保存したコーディネートの有無
  • 保存したコーディネートの媒体と内容
  • 保存したコーディネートをそのまま取り入れるか、自分なりにアレンジするかなど

調査実施機関:スタイルアリーナ(style-arena.jp)

いいねや保存、検索行動は購入へ至る道しるべ

コーディネートの情報を集める媒体として、多くの対象者から名前が挙がったのはInstagramとPinterestでした。しかし、この2つのプラットフォームの使い方は明確に異なっています。

直感型のInstagram

  • 最初のきっかけとなるのは、スクロール中に手が止まった瞬間です
  • アルゴリズムによって表示される情報の中から、自分の感性とマッチする「コーディネート」に直感的に出会います
  • この「感性が一致した瞬間」こそが、購買プロセスのスタート地点となっています

目的型のPinterest

  • ビジュアルを用いた検索により、頭の中のイメージの解像度を高めていく場所として利用されています
  • 「ストライプシャツ 春コーデ」といったキーワードを入力し、表示された画像群の中から「まさにこれ」と思える画像を探し出します

この2つのプラットフォームを使い分けることで、最初は漠然と「良いな」と感じていた感覚が、次第に「これこそが私が探していたものだ」と明確な輪郭を帯びていきます。

保存行動は感性が一致するかどうかの第一関門

詳しく掘り下げてみると、彼女たちが保存する基準は単に「可愛いから」という理由だけではないことがわかりました。

インタビュー内容を分析すると、「自分軸」と「世界観軸」という2つの判断軸が浮かび上がってきます。

1. 自分軸での実用性の確認

  • 似合うかどうか:自分の雰囲気や体型にマッチしているか
  • 活用可能性:手持ちのアイテムと組み合わせて着回しができるか

2. 世界観軸での価値観の確認

  • 差別化要素:他者と被りすぎていないか、自分ならではのこだわりを表現できるか
  • ブランドへの信頼感:ブランドの持つ雰囲気や理念が、自分の価値観と合致しているか

価格やブランド名といったスペック情報よりも、「自分の感性に本当にフィットするかどうか」で判断している点が共通していました。

スペックだけで判断するのではなく、世界観まで含めて受け入れられるかどうかを、保存の段階で既に選別しているのです。

購入の決断は瞬時に。これを可能にするZ世代のイメージ構築力

今回の調査で明らかになった、3つの代表的な購買パターンが紹介されています。

①編集型:取り入れ方はグラデーションのように変化していく

21歳・大学生

21歳・大学生

黒をベースカラーとして、小物やアイテムの着こなし方で変化をつけるスタイルです。参考にしたコーディネートも、最初はそのまま試してみて、慣れてくると自分流にアレンジしていきます。

「最初はそのまま真似して使うこともあるけど、慣れてきたら自分のコーデに合わせて変えます」

購入することがゴールではなく、自分らしいスタイルを作り上げていくための過程なのです。

少しずつ取り入れながら自分のものにしていく。おしゃれなZ世代は、そのプロセス自体を楽しんでいます。

②共感型:この空気感が好きという感覚で指が止まる

29歳・会社員/モデル

29歳・会社員/モデル

日頃から好みのアイテムを収集し、「これとこれが合いそう」と雰囲気で組み合わせていくインスピレーション派です。

SNSで保存するのも、アイテム単体ではなく、その場の雰囲気全体です。

「SNSの情報も『この空気感が好き』というポイントが印象に残っていきます」

ブランドが持つストーリーが自分の価値観と重なった瞬間に、行動に移ります。それが彼女にとっての保存のきっかけでした。

③納得型:自分に必要かの判断が完了しているため、決断が早い

28歳・会社員

28歳・会社員

古着を中心に、その時の気分やシーンに応じて着るものを選ぶタイプです。情報収集においても、街中で気になったものをキーワードでそのままSNS検索するなど、リアルとデジタルを自然に行き来しています。

「これはなくなりそうだなって思ったらすぐ買うし、迷う時は一回持ち帰って他にもないか探してから決めます」

衝動的に飛びついているわけではなく、頭の中で「具体的にイメージが構築できている」からこそ、いざという瞬間に迷わず行動できるのです。

即決と慎重さは相反するものではなく、同じ人の中に両立して存在しています。

一瞬に見える購買までの道筋に多くのヒントがある

彼女たちの購買行動は、決して突発的なものではありません。

購入する瞬間は確かに一瞬です。

しかしながら、購買に至るまでの道のりには、数多くのプロセスが存在することが、今回の調査により明らかになりました。

彼女たちが何を保存し、どのようなキーワードで検索しているのか。その先には、まだ見えていない「トレンドの兆し」が潜んでいるかもしれません。

スタイルアリーナ(日本ファッション協会)について

一般財団法人日本ファッション協会は、1990年4月4日に通商産業大臣の設立許可を受け、企業や団体をはじめ各地の商工会議所などの幅広い支援のもと、財団法人として発足しました。

スタイルアリーナ(style-arena.jp)は、「東京のストリートファッション」をテーマとして2002年6月よりスタートしたファッション情報サイトです。日本の躍動的なファッション文化を、アジアをはじめ世界に向けて広く発信していくことを目的として、一般財団法人日本ファッション協会が企画・運営を行っています。

スタイルアリーナでは、引き続きZ世代の美容・ファッションに関するリアルなトレンドを追いかけ、マーケティングや商品開発のヒントとなる調査を実施していく予定です。

出典元:一般財団法人日本ファッション協会 スタイルアリーナ

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