
昨今、ライフスタイルが多様化する中で宅配サービスの利用が急激に増加しています。その一方で、トラックドライバーの労働時間に関する規制が施行された「2024年問題」を契機として、ドライバー不足の深刻化や受取人不在に伴う再配達の増加といった課題が社会全体の問題として浮上しています。
このような背景を受けて、株式会社FJネクストホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:肥田恵輔)は、首都圏に居住する20代から30代の単身生活者を対象に、宅配をテーマとした調査を実施しました。本調査では、利用実態や置き配サービスへの意識など、多角的な視点から現代の宅配事情について探っています。
この記事の目次
調査概要
調査期間は2026年2月20日から23日までの4日間で、インターネット調査会社を通じてサンプリング・集計が行われました。調査対象は、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に居住する独身でひとり暮らしをしている働く20代から30代の男女400人となっています。
回答者の職業は会社員(管理職を含む)、派遣社員、公務員、自営業、パート・アルバイトなどとなっています。
なお、本調査では宅配を利用しない方には受け取った場合を想定して回答してもらい、また玄関先での置き配ができない集合住宅に住んでいる方には、玄関先に置き配ができることを想像して回答してもらいました。置き配の一般的な指定場所には、玄関先、宅配ボックス、建物内受付などがありますが、本アンケートでは「玄関先」を想定しています。
調査結果のポイント
今回の調査から明らかになった主なポイントは以下の通りです。
宅配の利用頻度については、「月に数回程度」がトップでしたが、意外にも利用しない人が過半数を占めました。宅配物の種類では「日用品」が51.8%でトップとなり、次いで「衣服・装飾品」「趣味・嗜好品」という結果になりました。サブスクなどの「定期宅配サービス」を利用している人は僅か14.9%に留まりました。
最もお好みの受け取り方法としては「対面」がトップでしたが、非対面を選択した人は計6割超という結果となりました。集合住宅における宅配ボックスの設置状況は、設置の有無がほぼ半々で、設置数が足りていると感じている人もおおよそ半数のみでした。
配達員の作業負荷軽減への貢献については、「置き配」や「日時指定」が挙げられました。置き配のメリットは「不在」「非対面」「都合の良いタイミング」で受け取れることで、デメリットとしては「盗難」「誤配達」「汚損・破損」が挙げられました。配達業者によるマンションのオートロック解除サービスについては、賛成が36.1%と劣勢で、特に女性は反対が約7割となり、安全対策と理解促進が必要という結果になりました。
宅配の利用頻度について
宅配サービスが急速に拡大している中、利用頻度については「月に数回程度」(34.5%)がトップとなりました。特に女性では4割超(40.5%)が月に数回程度利用していると回答しています。さらに、利用しない人(「ほとんど利用しない」と「全く利用しない」の合計)が男性では約6割(60.5%)、全体では過半数(54.0%)を占めるなど、予想に反して利用頻度は低い結果となりました。単身生活者の場合、日用品や食料品などの消費量が少なく、店舗で小まめに買い物をすれば十分に補えることが理由として考えられます。
宅配物の種類について
どのような宅配物をよく頼むかという質問では、「日用品」が約半数(51.8%)でトップとなりました。トイレットペーパーや洗剤など、かさばったり重たかったりするものを取り寄せていることが伺えます。2位は「衣服・装飾品」(30.8%)で、店舗に行かなくてもインターネットで気軽にショッピングを楽しんでいる様子が見て取れます。3位は「趣味・嗜好品」(29.0%)でした。一方で、「フードデリバリー」は14.1%と、自炊や自分でテイクアウトするよりも費用がかかることもあってか、あまり利用されていない現状が明らかになりました。
男女別で見ると、男性は「趣味・嗜好品」が、女性は「衣服・装飾品」が高い割合を示すという違いが見られます。
定期宅配サービスの利用状況
近年、ビジネスモデルとして注目を集めているサブスクリプション(略称:サブスク)ですが、定期宅配サービスを利用している単身生活者は、わずか14.9%に留まりました。
ファミリー層では、食材や日用品を定期的に大量購入するなどの利用ケースが多いようですが、消費量が少ない単身生活者にとっては、利用するメリットが少ないことの表れと考えられます。
受け取り方法の好みについて
最もお好みの受け取り方法については、「対面」が37.5%でトップとなりました。従来の手渡し方法が、安心・安全・確実であると考える人が多いようです。一方で、「対面」と「その他」(合計38.3%)を除く非対面派は61.7%を占めており、2位「玄関先の置き配」(25.3%)、3位「宅配ボックス投函」(22.5%)と続きました。以上の結果から、多くの人が非対面かつ建物内での受け取りを望んでいることが伺えます。
男女別では、男女ともに「対面」がトップであるものの、2位は男性が「玄関先での置き配」(25.5%)であるのに対して、女性は「宅配ボックス投函」(27.5%)を挙げているのが特徴的です。
宅配ボックスの設置状況
普及が進んでいる宅配ボックスですが、集合住宅での設置は約半数(54.9%)でした。
さらに、居住先に宅配ボックスが設置されている人にその過不足を聞いたところ、「少し足りていない」が33.8%でトップだったものの、足りているとの回答(「十分足りている」と「ほぼ足りている」の合計値)は50.8%と、半数ほどの結果となりました。宅配ボックスの設置の有無および不足の実態から、再配達問題の解消のためにさらなる新設・増設が必要といえます。
配達員の作業負荷軽減への貢献
労働力不足の物流業界において、再配達が社会問題化しています。配達員の作業負荷軽減に最も貢献していると思う自身のアクションについては、トップが「置き配の積極的活用」(30.8%)でした。次いで、「注文の際の日時指定」(26.3%)となりました。この2つが、配達員の作業負荷軽減につながると考えている人が多いようです。
一方で、36.0%が「意識していない」と回答しており、理解促進が必要のようです。
男女別では、男性のトップが「置き配の積極的活用」(36.5%)であるのに対して、女性は「注文の際の日時指定」(32.5%)と男女差が見られました。
置き配のメリット
置き配のメリットについては、「不在でも受け取れる」が43.8%でトップとなりました。外出中でも確実に届いていることが一番の理由といえます。2位は、「非対面でも受け取れる」(34.0%)で、宅配業者や同じ建物の住人と顔を合わせることなく受け取れることがポイントとなっています。3位は「都合の良いタイミングで受け取れる」(27.0%)で、仕事や家事などの作業を中断されないことなどが評価されたと考えられます。
男女別でトップの項目を見ると、男性は「不在でも受け取れる」(46.5%)、女性は「非対面でも受け取れる」(41.5%)と大きな差が出ました。特に「非対面でも受け取れる」は15%の差があり、女性は身なりを整える前の姿を見られたくない人の割合が多いことが要因の一つと考えられます。
置き配のデメリット
置き配のデメリットについては、トップが「盗難」で、実に6割超(65.8%)と多くの人が不安を抱いており、その対応策が急務といえます。2位は「誤配達」(28.5%)でした。表札を掲げない部屋が多かったり、対面で名前を確認できなかったりするため避けられない問題かもしれません。3位は「汚損・破損」(24.8%)で、天候不順時はもちろん日常的に丁寧な取り扱いを心掛けて欲しいようです。また、4位の「個人情報の漏洩・プライバシーへのリスク」も23.3%と高い割合を占めています。荷物が置かれている間に、伝票から個人情報が洩れることが懸念されます。
オートロック解除サービスへの意識
各地で導入が開始されている、配達業者によるマンションのオートロック解除サービスについては、全体では賛成(「賛成」と「どちらかというと賛成」の合計)が36.1%と劣勢でした。特に女性は、反対(「反対」と「どちらかというと反対」の合計)が約7割(68.5%)を占めており、抵抗感が強いことが伺えます。
また、オートロック有の物件に住んでいる人は賛成が33.9%にとどまり、全体と比べて僅かながら低い数値を示しました。いずれにしても、利便性と安全性の両立のためにサービスへの理解促進と安全対策の徹底が不可欠のようです。
賛成の主な理由としては、「玄関の鍵が閉まっていれば関係ない」「輸送ドライバーの負担を減らすため」「オートロックによって受け取り方法を制限されたくない」「置き配してくれるのであれば仕方がないと感じる」「運用でセキュリティ面を担保していれば問題ないと思う」「配達にかかるコストを少しでも減らせるから」「再配達を減らして配送業者の負担を減らすため」「安全性がしっかりと確保されているなら効率的に感じる」「オートロックが理由で置き配が出来ないのは不便だから」などが挙げられています。
反対の主な理由としては、「便利だとは思うが、やはり防犯面で抵抗感がある」「他の住民にも被害が及ぶ可能性があるから」「オートロックにした意味がない」「他の住人に迷惑がかかる(嫌がられる)可能性があるから」「住人以外がロックを解除するのは怖い」「悪意を持つ業者がいた場合、ストーカー等の犯罪が懸念される」「宅配業者に高いモラルが問われるから」「プライバシーが侵される恐れがある」「配達業者はよくても開けたその隙に犯罪者が入る可能性がある」「オートロックの存在意義に反しているから」などが挙げられています。
出典元:株式会社FJネクストホールディングス











