SMNとNTTドコモがデジタル広告の品質とパフォーマンス両立を実証、セーフリストとブロックリストの使い分けが鍵に

SMN株式会社は、株式会社NTTドコモが2025年秋季に実施したスマートフォン発売プロモーションにおいて、「TVBridge Ads」を活用したデジタル動画広告配信のメディア運用検証を行い、その結果を公表しました。この検証では、テレビ広告とデジタル動画広告の統合的な効果測定も同時に実施されています。

デジタル広告の健全性とパフォーマンスの両立を目指した検証

今回の取り組みは、総務省が2025年5月に公表した「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス」という社会的な流れを受けて実施されたものです。JICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機構)認証パートナーであるSMN株式会社の技術基盤を活用し、デジタル広告の健全性と広告効果の両立を目指した検証が行われました。

検証の結果、広告配信手法である「セーフリスト(ホワイトリスト)」と「ブロックリスト(ブラックリスト)」それぞれの特性が明らかになりました。

検証で判明した2つの主要トピックス

今回の検証により、以下の2つの重要な知見が得られました。

1つ目は、「セーフリスト」と「ブロックリスト」の役割分担についてです。厳選したメディアに絞る「セーフリスト配信」はブランド想起に強みを持ち、安全性を担保した上での広範な「ブロックリスト配信」はサイト来訪などの行動喚起に強いことが分かりました。

2つ目は、配信先による特性の違いです。動画配信サービス(OTT)は「認知・想起」に強く、一般サイト(オープンインターネット)は「サイト来訪・行動」にそれぞれ強みを持つという結果が得られています。

ブランドセーフティとパフォーマンスのジレンマに対する検証

近年、デジタル広告市場において、アドフラウド(広告詐欺)やブランドセーフティ(ブランド毀損)への対策が急務となっています。総務省が公表したガイドラインでは、広告主による具体的な対策として、ブロックリスト・セーフリスト・アドベリフィケーションツールの導入、JICDAQ認証パートナーの利用などが推奨されています。

NTTドコモはこれまでもブランドセーフティに配慮したデジタル広告配信を行ってきましたが、オープンインターネット上のコミュニケーションにおいて「安全性」と「広告パフォーマンス」のバランスをどのように取るかという課題を抱えていました。総務省のガイダンス公表を機会と捉え、デジタル広告におけるブランドセーフティとパフォーマンスを両立させる活用方法を模索していた背景があります。

セーフリストとブロックリストの比較検証

今回の検証では、「セーフリスト」と「ブロックリスト」の広告運用では、配信結果としてユーザーの想起と行動に違いが現れるのではないかという仮説のもと、実証が行われました。

セーフリスト配信

オープンインターネットで運用型の動画広告を実施し、厳選された「セーフリスト」配信と、アドベリフィケーション対策を講じた上での「ブロックリスト」配信が行われました。いずれもブランドセーフティを考慮した上で配信金額を揃え、メディア配信実績を比較することで、どのようなユーザー反応の違い(ブランドリフト、サイト来訪率など)があるのかが検証されています。

ブロックリスト配信

セーフリスト配信はブランド想起に強み

検証の結果、セーフリスト配信で動画広告に接触したユーザーは、ブランドリフトのリフト値において、ブロックリスト配信よりも高い上昇率を記録しました。セーフリストの配信は特にブランドの想起において有効であることが確認されています。

具体的には、認知調査①広告想起において、セーフリスト配信はブロックリスト配信と比較し広告想起が23ポイント向上しました。また、認知調査②商品認知では、セーフリスト配信はブロックリスト配信と比較し商品認知が17ポイント向上という結果が得られています。

セーフリスト配信の効果

ブロックリスト配信はリーチと行動喚起に強み

一方、ブロックリスト配信は、セーフリスト配信と比較すると「リーチ単価」や「動画視聴単価」など広告の配信指標の効率面で優位性を示しました。また、「サイト来訪率」「コンバージョン率」といったユーザーの行動指標においても、より高い数値を示しています。

アドベリフィケーション対策を講じた上でのブロックリスト運用は、配信効率向上と行動喚起に効果的な選択肢であることが確認されました。

サイト来訪率については、ブロックリスト配信はセーフリスト配信と比較し40ポイント向上しました。コンバージョン率においては、ブロックリスト配信はセーフリスト配信と比較し、コンバージョン(オンライン端末購入)率が37ポイント向上という結果が得られています。

ブロックリスト配信の効果

OTTとオープンインターネットの配信先による違い

近年、動画広告の配信面が広がっています。テレビ広告に加えて、広告付きの無料動画配信サービスAVOD(Advertising Video On Demand)、さらに最近では有料の動画配信サービスが広告付きのプランを提供しており、OTT(Over The Top)全般で動画広告の配信が可能になりました。選択肢が増えたことによって、メディアの選定が複雑になってきているのも事実です。

NTTドコモは、SMN株式会社の「TVBridge Ads」広告配信を2025年春季にも実施していました。前回のOTTへの動画広告配信と今回のオープンインターネットへの動画広告配信実績を比較する検証も行われています。

OTTメディアは想起に強み、オープンインターネットは行動喚起に強み

検証の結果、OTTメディアは完全視聴率の高さから、広告やブランドの想起といった「心理変容」がオープンインターネット広告配信より大きく上回る結果となりました。

認知調査①では、OTTでのテレビ・デジタル接触はオープンインターネットでのテレビ・デジタル接触と比較し、広告想起が21ポイント向上しています。認知調査②では、OTTでのテレビ・デジタル接触はオープンインターネットでのテレビ・デジタル接触と比較し、商品認知が36ポイント向上という結果が得られました。

一方、オープンインターネットへの動画広告配信は、サイト来訪率やオンライン上でのコンバージョン率といった「行動促進」において、OTTメディアへの広告配信よりも高いリフトを示しています。

サイト来訪率では、オープンインターネットでのテレビ・デジタル接触はOTTでのテレビ・デジタル接触と比較し、サイト来訪率が90ポイント向上しました。コンバージョン率では、オープンインターネットでのテレビ・デジタル接触はOTTでのテレビ・デジタル接触と比較し、コンバージョン率が104ポイント向上という結果が得られています。

OTTとオープンインターネットの比較

コミュニケーション目的に応じた使い分けが重要

今回の検証結果から、コミュニケーションの目的に応じた動画広告の使い分け(テレビ広告の実施も含めて)を理解する重要性が確認されました。ユーザーに知ってもらい想起してもらうことをコミュニケーションの目的とするか、または、動画広告のコミュニケーションによってユーザーのオンライン上での活動を促進したいのか、目的を明確にして動画広告を選択することで、より高い成果を期待できることが判明しています。

配信手法の整理

広告主は、アドフラウド(広告詐欺)やブランドセーフティ(ブランド毀損)への対策が不可欠になってきています。デジタル広告は数値で示せることから、ラストクリック効率を過剰に意識した広告配信に陥りがちです。しかし、デジタル動画広告は「安全性かパフォーマンスか」という二者択一ではありません。コミュニケーションの目的に合わせて手法を柔軟に選択・組み合わせることで、デジタル広告の健全性を保ちながらコミュニケーションの成果を上げられることが示されました。

テレビ視聴データを活用した配信結果の検証

上述した総務省ガイダンスに沿った検証とは別の軸として、テレビ視聴データを活用した配信手法による検証も実施されました。この検証により、テレビ広告とデジタル動画広告の重複接触による高いシナジー効果が確認されたほか、動画広告配信面のパフォーマンスの違いも確認されています。

テレビ広告とデジタル動画広告の両方に接触したユーザーは、テレビ広告のみ接触者と比較してサイト来訪率・コンバージョン率が2倍以上に上昇するという結果が得られました。

テレビ広告の有効性を数値で実証

最近のテレビ離れを背景に「テレビ広告の有効性」が問われています。「テレビ広告の有効性」について明確に答えることは難しく、売上に紐付けて有効性を証明しようにも、売上はさまざまな要素で作られるため「テレビ広告を打つと売上がどれだけ上がるのか」をテレビ広告単体の成果として算出することは困難です。

そこで今回、SMN株式会社はNTTドコモと共同で、国内最大級のテレビ視聴データを保有する同社の「TVBridge Ads」を活用して、「テレビ広告がユーザーに何をもたらすのか」に答えられるような検証に挑戦しました。

テレビ広告単体の効果を確認

検証の結果、自社テレビ広告にのみ接触したユーザーは、自社のテレビ広告とデジタル動画広告いずれも接触していないユーザーと比較して、オンライン上の行動(サイト来訪とオンライン上での端末購入コンバージョン)が向上しました。

サイト来訪率については、テレビ広告接触により約1.4倍(リフト値39%)向上しています。コンバージョン率については、テレビ広告接触により1.5倍(リフト値50%)向上という結果が得られました。

テレビ広告単体の効果

テレビとデジタルの重複接触で行動率が2倍以上に

さらに、テレビ広告のみに接触したユーザーとデジタル動画広告も重複して接触(テレデジ接触)したユーザーを比較した結果、テレデジ接触ユーザーは、オンライン上の行動指標がさらに向上しました。

サイト来訪率については、テレデジ接触者はテレビ広告のみ接触者と比較し、約2.1倍(リフト値113%)向上しています。コンバージョン率については、テレデジ接触者はテレビ広告のみ接触者と比較し、約2.2倍(リフト値117%)向上という結果が得られました。

テレビとデジタルの重複接触効果

想起面でも重複接触の効果を確認

ブランドリフト調査においても、テレビ広告単体の接触のみで「広告想起」は約1.4倍(リフト値139%)上昇しました。

テレビ広告の想起効果

さらにテレビ広告接触に加え、デジタル動画広告との重複接触によってリフト値は上昇傾向を示しました。テレビ広告とデジタル動画広告の重複接触ユーザーはテレビ広告のみに接触したユーザーと比較して、「広告想起」「商品認知」いずれも約1.3倍まで向上しています。

広告想起率については、テレデジ重複接触者はテレビ広告のみ接触者と比較し、広告想起が約1.3倍(リフト値28%)向上しました。商品認知率については、テレデジ重複接触者はテレビ広告のみ接触者と比較し、商品認知が1.3倍(リフト値30%)向上という結果が得られています。

テレビとデジタルの想起効果

統合マーケティングの重要性を実証

上述の通り、テレビ広告接触によってユーザーのWEB行動率の向上が認められました。この結果は「テレビ広告の有効性」を確認することができたといえます。さらに、テレビ広告だけでなくデジタル広告の重複接触により、より多くのユーザーの行動率をリフトアップできたことが分かりました。

昨今、統合マーケティングの重要性が注目されています。テレビ広告の圧倒的なリーチ力とデジタル広告のテクノロジーおよび行動喚起力、それぞれの良さを活かしたコミュニケーション設計ができることが、広告効果の向上に繋がる一つの結果であると考えられています。

SMN株式会社はJICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機構)認証パートナーとして、今後もソニーグループの技術とデジタル広告のノウハウを活かし、ブランドセーフティとパフォーマンスのバランスを担保した上で、デジタル広告の健全化の実現に貢献していくとしています。また、テレビとデジタルの統合的なコミュニケーション施策を通じて、広告主の最適なメディアプランニングを追求していく方針です。

TVBridgeについて

「TVBridge」は、国内大手テレビメーカー4社が取得しているテレビ視聴データと、SMN株式会社が保有するデジタルメディアの接触データをもとにした広告配信を実現するデータ活用サービスです。コネクテッドテレビ約1,300万台分(2025年12月時点)のテレビ視聴データを活用し、さまざまなターゲット手法を用いて効果的な広告施策を実現しています。テレビ視聴データとは、ユーザーから広告用途への利用が許諾されているテレビ放送(全国の地上波、BS、CS)の視聴データです。このデータには、個人を特定する情報は含まれていません。

SMN株式会社

SMN株式会社について

SMN株式会社は2000年3月に設立され、ソニーグループで培った技術力をベースに、マーケティングテクノロジー事業を展開しています。「技術力による、顧客のマーケティング課題の解決」を実現するため、ビッグデータ処理と人工知能のテクノロジーを連携し進化を続けています。現在、DSP「Logicad」、マーケティングAIプラットフォーム「VALIS-Cockpit」のほか、テレビ視聴データ活用広告配信サービス「TVBridge」を提供するなど、マーケティングに関するさまざまな課題解決を実現しています。

出典元:PR TIMES

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ