行政広報に関する調査、紙の広報紙の閲読率は37.2%が「読んだことがない」と回答 ―日本広報協会とネオマーケティングが共同調査

公益社団法人 日本広報協会と株式会社ネオマーケティング(東京都渋谷区)は、2026年1月8日(木)から1月9日(金)の2日間にわたり、全国の20歳以上の男女600名を対象に「行政広報の『届き方』・興味関心・課題抽出」に関する共同調査を実施しました。

調査実施の背景

引っ越しや子育て、防災対策、給付金や助成金の申請など、生活のさまざまな局面において「自治体から発信される情報」は意思決定に大きな影響を与えています。しかし、必要なタイミングで必要な対象者に情報が届かなければ、制度が存在していても活用されず、住民の不満や問い合わせの増加につながる可能性があります。

こうした課題を踏まえ、本調査では全国の20代から40代の男女を対象として、行政広報の「届き方」を中心に、行政情報に対する関心度、紙の広報紙への接触状況、読まない理由、今後拡充を希望する情報ジャンルなどについて調査が行われました。

調査結果は、今後の広報設計や施策検討における参考資料として活用できる内容となっています。

調査概要

調査方法は、株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを活用したWEBアンケート方式で実施されました。調査対象は全国の20代から40代の男女で、有効回答数は600名です。調査実施日は2026年1月8日(木)から1月9日(金)となっています。

主な調査結果のポイント

今回の調査における主な結果として、紙の広報紙(広報誌)の閲読率では、子どものいる世帯では60%以上が読んでいる一方、全体では3人に1人が未読という状況が明らかになりました。

また、広報紙を読まない理由として、「そもそも存在を知らなかったから」が32.0%でトップとなりました。年代別に見ると、20代が39.5%で最も多く、若年層ほど入口段階(存在認知・見つけやすさ)でつまずきやすい傾向が確認されています。

行政の取り組みや情報への関心度合い

まず、現在居住している地域の行政(都道府県や市区町村)の取り組みや情報に対する関心度合いについて調査が行われました。

全体では、関心層(「とても関心がある」「やや関心がある」の合算)が37.8%に対し、非関心層(「あまり関心がない」「全く関心がない」の合算)も38.3%とほぼ同程度で、関心の有無が二分されている状況です。

年代別で見ると、関心層は20代が37.5%、30代が37.5%、40代が38.5%となっており、年代による差はほとんど見られませんでした。

一方、世帯別では明確な差が現れており、未就学児のいる子育て世帯では関心層が53.8%(うち「とても関心がある」が23.9%)と世帯別で最も高い結果となりました。給付金や保育の手続きなど行政との接点が増えやすいことが、関心の高まりにつながっていると考えられます。

逆に一人暮らし世帯では、関心層が29.4%にとどまり、「全く関心がない」も25.3%と目立つ結果となっています。行政サービスは子育てや家族に関わる手続きと比較して日常の接点が少なく、情報が生活の行動に直結しにくいため、"自分ごと"として受け取りにくい可能性があります。

紙の広報紙(広報誌)を読む頻度

自治体が発行している「紙の広報紙(広報誌)」をどのくらいの頻度で読んでいるかについても調査が実施されました(配布されていない、または存在を知らない場合は「読んだことがない」を選択)。

紙の広報紙を読む頻度

全体では、紙の広報紙を毎号読んでいる層(「毎号、隅々まで読んでいる」「毎号、興味のある記事だけ読んでいる」の合算)が28.6%に対し、「読んだことがない」層が37.2%で最も多く、おおむね3人に1人が未接触という状況が明らかになりました。

世帯別では、子どものいる世帯で接触頻度が高くなっており、特に未就学児のいる子育て世帯では毎号読んでいる層(「毎号、隅々まで読んでいる」「毎号、興味のある記事だけ読んでいる」の合算)が49.3%、「たまに読む程度」も合わせると64.2%が接触しており、60%以上が紙の広報紙に触れている計算になります。逆に一人暮らし世帯は「読んだことがない」層が46.6%を占めています。

この結果は、先ほどの設問「行政の取り組みや情報への関心度合い」で見られた世帯差とも一致しています。未就学児のいる子育て世帯は関心が高かったのに対し、一人暮らし世帯は相対的に低く、その差が今回は"読む頻度"という行動にまで反映されているようです。

年代別では20代の「読んだことがない」が45.0%と高く、30代35.5%、40代31.0%へと低下するため、若い層ほど未接触になりやすい傾向も確認できます。

広報紙を読まない理由

前述の設問「紙の広報紙(広報誌)を読む頻度」で「たまに読む程度」「ほとんど読まない」「読んだことがない」と回答した人に対し、その理由について調査が行われました。

広報紙を読まない理由

「そもそも存在を知らなかったから」が32.0%でトップとなりました。まず"認知の壁"が大きいことがわかります。次いで「自分に関係のある情報がないと感じるから」が26.9%で続き、届いたとしても"自分ごと"として受け止められていない課題が見えます。

「そもそも存在を知らなかったから」を年代別で見ると、20代が39.5%で最も多く、若年層ほど入口段階(存在認知・見つけやすさ)からつまずきやすい傾向が見られました。

世帯別では、一人暮らし世帯が「そもそも存在を知らなかったから」40.0%で最も多くなりましたが、未就学児のいる子育て世帯でも同項目は35.3%に上っています。

関心の有無以前に、そもそも広報紙が生活導線に入り切っていない可能性があり、「読まない=無関心」とは言い切れません。実際に「どこで入手できるかわからない」「自宅に配布されない」も一定数(それぞれ全体の7.7%・9.8%)挙がっていることから、配布経路の明確化や"気づきやすい置き方・見せ方"まで含めた到達の設計が求められそうです。

今後拡充して欲しい情報

今後行政から発信される情報の中で、特に「情報を拡充してほしい(もっと詳しく知りたい・情報量を増やしてほしい)」と思うジャンルについて調査が実施されました。以下は、上位5項目をランキング化したものです。

今後拡充して欲しい情報

全体では、「給付金・助成金・補助金に関する情報」(32.0%)と「ゴミの収集日・分別方法」(31.0%)が僅差で並びました。

小学生から高校生の子どもがいる世帯では、全体上位にも入る「給付金・助成金・補助金に関する情報」「ゴミの収集日・分別方法」「イベント・お祭り・観光情報」が引き続き高い一方で、全体TOP5に入っていない「子育て支援・学校教育情報」「医療・病院・健康診断などの情報」もそれぞれ38.8%・36.7%と上位に入り、関心の重心が"子ども起点の生活課題"へ大きく寄っています。

また、上位5項目が全て30%を超えている点からも、特定ジャンルだけを深掘りしたいというより、日常の判断に必要な情報を幅広く、抜け漏れなく把握できるよう拡充を求めている様子がうかがえます。

一人暮らし世帯では、全体上位の「給付金・助成金・補助金に関する情報」が30.1%と高いまま、「防災・防犯・救急情報」も30.1%で同率1位となりました。全体(28.0%)と比べると、日常よりも"いざという時の安心"を手厚くしてほしい意向がより前に出ています。

また、全体TOP5に入っていた「イベント・お祭り・観光情報」は上位から外れ、代わりに「議会・選挙に関する情報」25.3%がTOP5入りしています。求める情報の重心が「生活を守る情報」に加えて「地域の意思決定に関わる情報」へ広がっている様子がうかがえます。

その他の調査項目について

本調査では、上記以外にも以下のような質問項目が含まれています。

  • 地域の行政情報を入手する際、利用しているもの(複数回答)
  • 行政情報の中で「役に立っている」と感じる情報のジャンル(複数回答)
  • 行政からの情報発信について感じる課題や不満(複数回答)
  • 行政からの情報を今後どのような手段で受け取りたいと思うか(単数回答)
  • 行政の情報発信において今後改善してほしいと思うこと(単数回答)

※本調査の分析等は、株式会社ネオマーケティングが実施しています。

出典元:株式会社ネオマーケティング

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