
株式会社NIKUJILLE(本社:福岡県福岡市、代表取締役:有田ジェームス)は、和牛の生産農家と海外バイヤーをダイレクトに接続するオンラインサービス「WAGYU MARKET」の提供を開始しました。同サービスは、商談や法規制、物流といった和牛輸出に関連する複雑な業務を同社が一手に代行することで、従来は海外輸出が困難だった小規模な農家であっても、日常業務を変えることなく世界のマーケットへアクセスできる仕組みを構築しています。
この記事の目次
和牛生産者が直面している静かな危機

株式会社NIKUJILLEは、これまで和牛の輸出ビジネスに関わってきた経験から、全国各地の生産農家が抱えている深刻な問題を目の当たりにしてきたとのことです。
2020年代に入ってから、和牛の飼養頭数は一時的に回復傾向を見せているものの、後継者の不足や収益の悪化を理由として、生産者の離農は依然として続いています。
国内における牛肉の消費は減少の傾向にあり、独立行政法人農畜産業振興機構が実施した調査によれば、令和6年の牛肉の家計消費(全国1人当たり)については、購入金額・購入数量の両方において前年を下回った月が多く、年間を通じて減少が続いているとされています。
その一方で、日本産の牛肉の輸出量は増加傾向にあり、2023年には約10,113トン(前年比20%増)を記録し、過去最高の数値を更新しました。
和牛の輸出は、生産農家にとって数少ない成長が期待できる道です。しかしながら現実には、多数の農家がそのチャンスを掴むことができずにいるのが実情となっています。
なぜ和牛輸出は一部の農家しか実現できないのか

和牛を輸出するには、以下のような高いハードルが存在しています。
- 言語の壁
- 国ごとに異なる膨大な輸出書類
- 頻繁に変更される検疫・規制
- と畜場・加工場・物流業者との複雑な調整
- 海外バイヤーとの商談・契約・決済
半年前までは可能だった条件が、突然NGとなることも決して珍しいことではありません。これらの課題に対応するためには、高度な専門的知識と人員が必要不可欠です。その結果として、輸出は一部の大規模な事業者に限定されてきたのが現状でした。
牛を育てるだけで世界へ、現状の業務フローのまま海外展開が可能に

「WAGYU MARKET」においては、農家の業務は、従来通り牛を出荷するだけという形になります。
- 輸出先国ごとの検疫・規制対応
- ハラール認証など各種認証対応
- 海外バイヤーとのコミュニケーション
- と畜場・加工場との調整
- 輸出書類の作成・手配
- 国際物流の選定・管理
これら輸出に関連するすべての業務を、同社がハブの役割を担って代行します。
農家は、日々の業務の流れを変更することなく、自らが育てた和牛を世界の商品として届けることができるようになります。
世界が認めた和牛を産地から直接購入可能に

本サービスでは、2025年に世界規模のステーキ品評会である「ワールド・ステーキ・チャレンジ」和牛部門において金賞を受賞した「有田牛」をはじめとして、生産者の哲学と技術が詰まった和牛を、海外から直接購入することが可能となります。
また、オンライン上でも安心して取引ができるように、飼育環境や餌へのこだわり、生産者の想いといった、農家ごとのストーリーを詳細に可視化します。
「和牛」という一括りのブランドではなく、誰がどのような思想で育てた和牛なのかが評価される仕組みを構築していくとのことです。
これにより、価格競争を回避し、持続的な付加価値の創出を目指す方針です。
和牛文化を世界へ、ステーキ用高級肉という誤解を超えて

和牛の輸出には、もう一つ大きな課題が存在しています。
海外においては「和牛=サーロインやヒレなどの高級ステーキ肉」というイメージが根強く定着しており、需要が一頭の2〜3割の部位に集中しているのが実情です。
その結果として、モモ・ウデ・スネ・ネックといった部位が余剰となり、縮小している国内市場でも吸収しきれず、一頭あたりの価値を最大化できない状況が継続しています。
「WAGYU MARKET」は、この課題の解決にも取り組んでいくとのことです。
- 高級部位以外を活用したメニュー提案
- 多彩な部位を活かすカット・加工技術の紹介
を通じて、和牛の歩留まりと食文化の向上を図ります。

さらに、以下のような情報発信も行っていくとのことです。
- 海外バイヤー向けの市場動向・規制情報
- 部位別の調理法・活用事例
など、和牛に関するあらゆる情報を多言語で発信していく予定です。
価格ではなくストーリーで選ばれる和牛へ

縮小する国内市場の中で、急速に減少している和牛農家。この現状を変えるために必要なのは、価格競争ではありません。
生産者の哲学、土地の個性、和牛文化そのものが正しく伝わる市場の構築です。
株式会社NIKUJILLEは、「WAGYU MARKET」を通じて、和牛農家に新たな収益モデルを確立し、持続可能で世界に誇れる産業として和牛を未来に残すことを目指しています。
会社概要
会社名:株式会社NIKUJILLE
代表:代表取締役 有田ジェームス
設立:2021年9月
所在地:福岡県福岡市中央区天神1丁目1-1
事業内容:有田牛を中心とする和牛輸出、和牛メディアの運営、和牛ブランディング、和牛の海外営業・物流代行、和牛のカットマン育成・派遣
出典元:株式会社NIKUJILLE プレスリリース













