
株式会社エスプールブルードットグリーン(東京都千代田区、取締役社長:八林 公平)が、サステナビリティ・環境経営・CSR関連部門の担当者を対象とした「サステナビリティ対応疲れ」の実態調査を実施しました。
企業におけるサステナビリティ経営の重要性は年々高まっていますが、現場ではサステナビリティ評価の高度化やステークホルダーからの要請の増加により、これまで以上に広範囲かつ正確なデータ収集や専門的な分析が必要とされています。開示基準の度重なる改定や算定方法の見直し、取引先や投資家への説明対応など、担当者が対応すべき業務や情報の量は年々増加しており、「サステナビリティ対応疲れ」と呼べる負担感が蓄積されている可能性が指摘されています。
こうした背景を踏まえ、同社では、サステナビリティ・環境経営・CSR関連部門の担当者を対象に「サステナビリティ対応疲れ」に関する実態調査を行いました。
調査は2025年12月17日(水)から2025年12月18日(木)にかけて、PRIZMAによるインターネット調査として実施され、サステナビリティ・環境経営・CSR関連部門の担当者1,016人から回答を得ています。
この記事の目次
サステナビリティ対応の業務量、約8割の担当者が「増えた」と回答
まず、「所属組織において、サステナビリティ対応に専任で従事している担当者の人数」を質問したところ、以下のような結果となりました。
『専任はいない(兼任で対応)』と回答した企業が17.0%、『1人』が17.9%、『2~3人』が37.8%、『4人以上』が27.3%という結果でした。
『専任はいない(兼任で対応)』『1人』『2~3人』と回答した企業が全体の7割以上を占めており、サステナビリティ対応について「人手が足りず、十分に手が回らない」「担当者の負担が大きい」と感じている企業が多い状況が浮き彫りになりました。
次に、「直近1年間で、サステナビリティ対応の業務量が増えたか」という質問に対しては、約8割の担当者が『かなり増えた(24.6%)』『やや増えた(52.8%)』と回答しています。
世界的なサステナビリティへの関心の高まりに加えて、度重なる国内外の法規制の改訂やガイドライン整備、情報開示要請の拡大などにより、企業が対応すべきテーマが年々増えていることも、こうした状況に影響を与えていると考えられます。
サステナビリティ関連業務で約9割が負担や疲労感を実感している実態
このような状況の中で、担当者自身は現在の業務状況をどのように捉えているのでしょうか。

「現在、サステナビリティ関連業務において業務負担や疲労感を感じているか」という質問に対しては、約9割の担当者が『はい(89.7%)』と回答しました。
多くの担当者が、現状の業務に対して何らかの負担や疲れを感じていることが明らかになりました。

前の質問で『はい』と回答した担当者に「どのような点に業務負担を感じるか」を尋ねたところ、『求められる内容が頻繁に変わり対応が追いつかない(57.5%)』が最も多く、次いで『人員や専門知識が不足している(46.2%)』『対応義務・報告書の提出が多すぎる(43.1%)』という結果になりました。
サステナビリティの領域ではガイドラインや評価基準、対象範囲が絶えず更新されるため、その変化を常に追い続けなければならない点が大きな負担となっているようです。また、「専門知識の不足」も上位に挙がっており、高度化・複雑化する要求に対して、社内の知見やノウハウが追いついていない現状も明らかになりました。
実務上の負担が明らかになりましたが、担当者の心理面にはどのような影響が生じているのでしょうか。
前の質問で『はい』と回答した担当者に「どのような点に精神的な疲労を感じるか」を尋ねたところ、『国際ルールや世界動向の変化に振り回され、社内の方向性が定まらない(44.9%)』が最も多く、『関連情報の収集や開示ルール・用語の解釈に手間がかかる(42.0%)』『中長期的な施策が多く、成果が見えづらい(38.9%)』と続きました。
外部環境の変化に振り回され、会社としての判断軸や方向性を定めづらい状況が、担当者の精神的な負担につながっているようです。サステナビリティ領域ならではの専門性の高さや情報の多さが、日々の業務における負担感につながっていると考えられます。
サステナビリティ関連の情報・営業が増加する中、求められる有益情報とは

続いて、「サステナビリティ関連の情報や営業が直近1年で増えたと感じるか」という質問に対しては、8割以上の担当者が『はい(86.4%)』と回答しました。市場の拡大に伴い、支援企業からのアプローチや関連情報も増加している一方で、すべてを十分に確認・検討することは難しい状況にあると考えられます。
では、担当者はどのような経路から得られる情報であれば、理解しやすく参考になると感じるのでしょうか。
「サステナビリティに関する情報源のうち、どの経路が『有益・分かりやすい』と感じるか」を尋ねたところ、『参加者が限定されている勉強会・情報交換会(33.2%)』が最も多く、『セミナー・ウェビナーへの参加(29.4%)』『ニュースサイトや専門メディア(29.4%)』と続きました。
より具体的な事例や実務に近い話を聞ける場が、参考になると感じられているようです。また、セミナーやウェビナー、専門メディアが挙げられていることから、ある程度整理された情報や、信頼できる情報源が求められていると推測されます。
業務負担軽減に必要な支援と外部支援に期待される内容
情報の質や分かりやすさが重視されていることが明らかになりましたが、それだけで業務負担が解消されるとは限りません。実務面での負担を減らすためには、どのような支援が求められているのでしょうか。

「今後、業務負担を軽減するために必要だと思う支援」について尋ねたところ、『業務プロセスの効率化(44.1%)』が最も多く、『AI/デジタルツールの導入(43.2%)』『社員向けの研修・教育(38.4%)』と続きました。
まずは、業務の進め方そのものを見直したいと感じている担当者が多いようです。AIやデジタルツールの導入も挙げられており、個人の負担や手作業に頼りすぎず、業務の属人化を少しでも減らしたいという思いがあると考えられます。また、研修や教育については、社内の理解やスキルを底上げすることで、長期的に業務を回しやすい体制を整えたいと考えられているのではないでしょうか。
最後に、「外部支援を受けるとしたら、どのような形の支援が望ましいか」について尋ねたところ、『データ収集・分析や算定、開示物作成サポート(41.8%)』が最も多く、『サステナビリティ対応用のデジタルツール導入(41.0%)』『社内体制構築・ルールづくりのアドバイス(33.3%)』と続きました。
サステナビリティ対応を進めるにあたって、日々のデータ整理や資料作成など、手間がかかりやすい業務については、サポートを望む傾向が見られました。また、社内体制の整備やルールづくりに関する支援も一定数挙げられており、目の前の対応にとどまらず、社内だけでは整備しきれなかった部分に外部の知見を取り入れ、無理なく継続できる体制を整えたいという考えがうかがえます。
まとめ:業務負担「増」が8割超え、現場の負担を軽減し、サステナビリティ対応を「持続可能」にするための鍵
今回の調査により、サステナビリティ対応が企業の成長において欠かせないものになる一方で、現場の担当者にはさまざまな負担が積み重なっていることが明らかになりました。
サステナビリティ対応の専任体制を設けている企業もある一方、業務量はこの1年で増えたと感じている担当者が多く、対応範囲の広がりや求められる水準の変化に、日々向き合っている状況がうかがえます。
特に、ガイドラインや評価基準の変化が激しく、求められる内容が定まらないことや、専門性の高い情報を継続的に追い続けなければならない点が、業務負担と精神的な疲労の双方につながっている可能性がうかがえます。中長期的な取り組みが中心となるサステナビリティ領域では、成果を実感しづらいことも、担当者の心理的な負担を増幅させている可能性があります。
また、関連情報が増える中で、参加者が限定された勉強会や情報交換会、専門性のあるセミナーやメディアなど、実務に近い情報を得られる情報源については、有益だと捉えている担当者も多いようです。
今後必要だと思う支援については、業務プロセスの見直しやデジタルツールの活用、社内全体の理解やスキル向上といった、仕組みづくりの重要性が示唆されました。また、データ収集や開示物作成対応、体制構築といった部分は、外部のサポートをうまく取り入れ、継続しやすい仕組みにしたいというニーズもあるようです。
サステナビリティ対応を個人任せにするのではなく、組織として無理なく継続できる体制へと整えていくことが、今後の重要な課題と言えるのではないでしょうか。
出典元:株式会社エスプールブルードットグリーン プレスリリース













