EC事業者の約9割が生成AIを業務活用、Nint調査で明らかに~「データ×AI」がEC実務の新潮流に

株式会社Nint(本社:東京都新宿区、代表取締役:吉野順子)は、国内3大ECモール(楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング)の公開データを収集・分析するクラウドサービス「Nint ECommerce」を提供しています。同社はこのたび、EC事業に携わる担当者を対象として、生成AI(ChatGPT、Gemini、Claude等)の業務利用実態と課題に関するアンケート調査を実施し、その結果を公表しました。

この調査によると、EC業務において生成AIの利用が広く浸透している一方で、多くの担当者が「そのまま意思決定に使うには不安がある」と感じていることが明らかになりました。特に根拠の不透明さや数値・市場規模の精度が課題として浮き彫りになっています。

また、生成AIにNintのECデータを組み合わせて活用した経験がある回答者の半数が「回答精度が向上した」と評価しており、AI時代のEC実務においては「AI × 根拠となるデータ」の組み合わせが重要であることが示唆されています。

調査結果サマリー

  • EC事業者の約9割が、生成AIを業務で利用
  • 利用用途は「情報収集・市場調査」「売れ筋・競合リサーチ」「資料作成」など多岐にわたる
  • 約7割が「実態とズレることがある」、約5割が「数値・市場規模の精度」に不安を感じている

生成AIはEC現場の"当たり前のツール"に

調査結果から、EC事業者の9割が生成AIを「よく利用している」または「毎日数回以上利用している」と回答していることが判明しました。この結果から、生成AIがすでにEC業務の中で日常的なツールとして完全に定着していることが分かります。

生成AIの具体的な利用用途としては、以下のような項目が挙げられています。

  • 情報収集/市場調査
  • レポート/資料作成
  • アイデア出し/企画
  • メールの作成/添削
  • 商品説明文・商品ページ作成

このように、企画立案から日々の運用業務まで、幅広い業務領域で生成AIが活用されている実態が明らかになっています。

「判断材料の一つ」止まり――AIに任せきれない意思決定

一方で、生成AIの回答精度については、「判断材料の一つとして使えれば十分」「アイデア・仮説づくりのヒントになればよい」と考える回答者が多数派を占め、「そのまま意思決定に使えるレベル」と判断している担当者はわずかな少数派にとどまっています。

EC業務で生成AIを活用する中で感じる不安や課題として、次のような点が多く挙げられました。

  • 実態とズレることがある
  • 数値や市場規模の精度が不安
  • 根拠が曖昧/出典が不明
  • 最新性に不安がある
  • 再現性がない(プロンプトによって結果が変わる)
  • 社内・顧客に説明しづらい

これらの回答からは、「便利なツールではあるが、重要な意思決定を完全に任せるには不安が残る」というEC現場の実情が浮き彫りになったといえます。

Nintデータ×生成AI、実務で有益な組み合わせに

調査では、生成AIにNint ECommerceのデータを読み込ませて活用した経験を持つ回答者から、その実務での有用性についての評価も集められました。また、Nintが新たに提供しているAI用PDF生成機能による商品企画向け出力結果については、約9割の回答者が「有益」または「非常に有益」と高く評価しています。

自由記述欄からは、次のような声も寄せられました。

「AI単体だと、やはりデータの出典元が不安定です。Nint ECommerceのデータがないと困ります。」 (メーカー/マーケティング担当者)

「Nintのデータを基にAIに読み込んで、今後どんなことができるのか試していきたいです。」(小売/EC責任者)

これらの意見からは、AIに"現場で信頼できる確かさ"を付与する要素として、一次データの重要性が強く示唆されています。

AI時代のEC実務に求められるのは「AI × データ」の組み合わせ

本調査を通じて明らかになったのは、生成AIがEC業務の効率化や情報収集の手段として広く浸透している一方で、実務で意思決定に用いる際には「根拠の明確さ」や「数値の確からしさ」が強く求められているという現状です。生成AIはWeb上の公開情報やテキストデータをもとに市場動向やトレンドを俯瞰する能力に優れていますが、EC実務において重要となる「どの商品が」「どの価格帯で」「どの程度売れているのか」といった具体的な判断材料を得るには、参照できるデータの質と信頼性が極めて重要になります。

Nint ECommerceが提供するサービスでは、一般的なWeb検索だけでは入手できない日本EC市場の独自データを保有しており、商品単位の売上規模や価格帯別の販売動向など、実務や意思決定に直結する信頼性の高い一次データを把握することが可能です。このような高品質なデータを生成AIと組み合わせることにより、「なんとなくのトレンド把握」にとどまらず、具体的な根拠に基づいた市場分析や商品企画の検討を実現できる点が大きな特長となっています。

同社では今後も、日本のEC市場に特化した信頼性の高いデータ基盤を通じて、AI時代における効果的なEC実務をサポートするサービス提供を継続的に推進していく方針だと発表しています。

調査概要

  • 調査名:EC事業者における生成AI利用実態調査
  • 調査方法:Webアンケート
  • 調査期間:2025年12月10日〜12月16日
  • 調査対象:Nint ECommerceを利用中のEC事業者(メーカー・小売)においてEC事業・マーケティング・商品企画などの実務を担当する方
  • 有効回答数:61件

Nint ECommerceについて

Nint ECommerceは、AI技術やクローリングなどの先端技術を活用し、日本国内の3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)で販売される商品の売上金額・販売数量を高精度に推計したデータを提供しています。さらに、ECモール内でのプロモーションデータなども加えた、総合的なECデータ分析ツールとして機能しています。

株式会社Nint 会社概要

代表者: 吉野順子

所在地:東京都新宿区西新宿八丁目17番1号 住友不動産新宿グランドタワー37F

設立:2019年2月

事業内容:ECデータ分析サービスの提供

Nintグループは「データで世界を自由にする」というミッションのもと、急拡⼤するEC市場において、誰もが最適なマーケティング施策を可能とするECデータ分析プラットフォームの実現を目指しています。中国・⽇本のEC市場で10年以上にわたり、EC市場動向に関する推計データを独⾃に蓄積・提供し、⽇本では約2,100社のサービス導⼊実績があります。

出典元:株式会社Nint プレスリリース

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