
Web広告・SEOなどのデジタルマーケティング支援を行う株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ(東京都品川区、代表取締役:鳥居本 真徳)が、全国のWeb広告担当者196名を対象に「SNS縦型動画広告の運用実態調査」を実施しました。
調査結果によると、現在、縦型動画広告を出稿している企業は58.7%と過半数を占め、そのうち約6割が他のWeb広告種別と比べて「効果が高い」と実感していることが明らかになりました。
一方で、課題として最も多く挙げられたのは「制作工数が大きく量産が難しい」(49.0%)で、多くの企業で動画クリエイティブならではの制作負担がボトルネックとなっている実態も浮き彫りになっています。
この記事では、同社の調査から明らかになったSNS縦型動画広告の活用状況と課題、今後の展望について詳しくご紹介します。
この記事の目次
- 1 調査背景
- 2 調査概要
- 3 調査結果
- 3.1 出稿しているWeb広告の種類 ― 縦型動画広告が最多
- 3.2 直近1年の縦型動画広告 出稿状況 ― 7割以上が「出稿経験あり」
- 3.3 出稿媒体 ― TikTok・YouTube Shorts・Instagramが約6割でほぼ横並び
- 3.4 予算割合 ― 6割以上が「Web広告予算の10〜50%」を縦型動画へ投入
- 3.5 制作・運用体制 ― 「すべて外注」「一部外注」が合計62.2%
- 3.6 制作・体制・ノウハウ面の課題 ― 最も多いのは「制作工数の大きさ」(49.0%)
- 3.7 戦略・効果・予算面の課題 ― 効果の不明確さやバラつきが課題
- 3.8 広告成果 ― 6割以上が「効果が高い」と回答
- 3.9 今後の予算 ―「横ばい」が5割、「増やす」も3割
- 4 総括
- 5 監修者
調査背景
TikTokの普及をきっかけに、Instagram Reels、YouTube Shortsなどのショート動画プラットフォームが急速に拡大し、縦型動画は幅広い世代で生活者の主要な視聴スタイルとして定着しました。
ユーザーの視聴行動が縦型中心へシフトする中、企業にとっても縦型動画広告は「ブランド認知」や「獲得」などの目的で活用される重要な広告フォーマットとなっています。
しかし、縦型動画はトレンドの変化が速く、動画クリエイティブの量産負荷も大きいため、制作と運用には高い難易度が伴います。
株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズの調査は、こうした状況の中で広告担当者がどのように縦型動画広告を活用し、どのような課題を抱えているのかを明らかにすることを目的としています。調査結果は、これから縦型動画広告の出稿を検討している方や、すでに取り組む中で課題を抱えている方にとって、施策設計や体制づくりを考える上での参考になることを目指しています。
調査概要
調査名称: SNS縦型動画広告の運用実態調査 2025
調査期間:2025年11月21日 ~ 2025年11月26日
調査対象:現在Web広告を出稿している広告担当者
サンプル数:196名
調査方法:インターネットアンケート調査(Freeasy)
※グラフの数字は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
調査結果
出稿しているWeb広告の種類 ― 縦型動画広告が最多
現在出稿しているWeb広告について尋ねたところ、「縦型動画広告」が58.7%で最も多い結果となりました。次いで、「横型動画広告」(48.5%)、「SNSフィード広告」(48.5%)が続いており、Web広告全体における縦型動画広告およびSNS広告の存在感が非常に高いことがわかります。

直近1年の縦型動画広告 出稿状況 ― 7割以上が「出稿経験あり」
直近1年以内の縦型動画広告の出稿状況について、「現在出稿している」が58.7%、「過去に出稿していたが、現在は停止している」が12.8%という結果となり、全体の7割以上が出稿経験を持っていることが明らかになりました。

出稿媒体 ― TikTok・YouTube Shorts・Instagramが約6割でほぼ横並び
縦型動画広告を出稿している媒体については、TikTok 59.3%、YouTube Shorts 58.6%、Instagram Reels/ストーリーズ 57.1%と、3つの主要媒体がほぼ同水準の出稿率を示していることがわかりました。
さらに、57.9%の企業が複数媒体を併用して出稿していることも判明しています。

予算割合 ― 6割以上が「Web広告予算の10〜50%」を縦型動画へ投入
Web広告全体の予算における縦型動画広告の比率については、「10〜30%」(37.9%)が最も多く、次いで「31〜50%」(27.9%)となりました。両者を合わせると65.8%の企業が広告予算の10〜50%を縦型動画に充てていることになり、多くの企業が一定規模の予算を継続的に確保している状況がうかがえます。

制作・運用体制 ― 「すべて外注」「一部外注」が合計62.2%
縦型動画広告の制作・運用体制については、「すべて外注」が27.9%、「一部内製×一部外注」が34.3%と、合計62.2%の企業が外部リソースを活用して運用していることがわかりました。
一方で「すべて社内で対応(内製)」も34.3%と、自社内で制作・運用体制を構築している企業も一定数存在していることが明らかになっています。

制作・体制・ノウハウ面の課題 ― 最も多いのは「制作工数の大きさ」(49.0%)
制作・体制・ノウハウ面の課題として最も多く挙げられたのは、「クリエイティブ制作の工数が大きく量産が難しい」(49.0%)でした。次いで、「社内体制・人員不足」(38.8%)、「ノウハウ不足」(31.1%)が続いており、動画クリエイティブの制作に関わる工数やノウハウに関する課題が多く存在していることが明らかになりました。

戦略・効果・予算面の課題 ― 効果の不明確さやバラつきが課題
戦略・効果面での課題としては、「効果が不明確」(36.7%)、「効果のばらつき」(36.2%)、「配信面ごとの最適化の難しさ」(30.1%)が上位に挙げられました。これらの結果から、効果測定や最適化に関する課題を抱える企業が多いことがわかります。

広告成果 ― 6割以上が「効果が高い」と回答
他のWeb広告種別と比較した縦型動画広告の効果については、「非常に効果が高い」(18.6%)、「やや効果が高い」(42.9%)を合わせると61.5%となり、約6割の広告担当者が他の広告種別よりも高い成果を実感していることがわかりました。

今後の予算 ―「横ばい」が5割、「増やす」も3割
今後の縦型動画広告への予算方針については、「横ばい」(52.9%)が最も多く、「増やす」(31.8%)と回答した企業も続いており、合計で8割以上の企業が現在の投資水準を維持または強化する方針であることが明らかになりました。

総括
この調査結果から、縦型動画広告がWeb広告市場において主要なフォーマットとして確立されていることが明確になりました。実施企業の約6割がその高い効果を実感しており、企業と消費者をつなぐ効果的なコミュニケーション手段としての地位を確立しています。
しかし同時に、「成果への期待」と「運用現場の負担」というジレンマも浮き彫りになりました。
縦型動画広告の特徴として、ユーザーの視聴傾向やトレンドの変化が非常に速く、従来の「一度作った高品質な広告クリエイティブを長期間活用する」という方法が通用しにくい環境にあります。わずか2週間程度で広告効果が低下してしまうケースも少なくなく、継続的に新しいクリエイティブを投入し続ける必要があるという厳しい状況に直面しています。
最大の課題として挙げられた「制作工数」の背景には、単なる作業時間だけでなく、求められるスキルの高度化も関係していると考えられます。一瞬でユーザーの関心を引くためには、撮影・編集技術はもちろん、「デザイン性」や「構図のセンス」といった定性的なクオリティが不可欠となっています。
この「量産スピード」と「クリエイティブセンス」の両立こそが、多くの企業にとって社内リソース(内製)だけでは乗り越えることが難しい壁となっていると言えるでしょう。
今後、縦型動画広告で継続的に成果を出し続けるためには、「クオリティを維持しながら量産できる体制」の構築が鍵となります。変化の激しいトレンドを常に捉え続けるために、専門知識を持つ外部パートナーとの連携や、スピーディーな検証・改善のプロセスを組織的に導入することが、競争優位性を確立するための近道となるでしょう。
この調査結果が、企業の皆様の現状を整理し、持続可能なSNSマーケティング戦略を再構築する一助となることが期待されます。
監修者

株式会社PLAN-B
ビジネスディベロップメント部 コーポレートマーケティンググループ
福田 龍幸
学生時代にWebメディア事業で起業を経験したのち、PLAN-B入社後はWEB広告を中心とした支援事業に従事。社内における最大規模の広告アカウントにおける複数社の運用統括業務/プロジェクトリーダーを担当。
2021年/2022年度、社内表彰でコンサルタント部門での年間優秀賞を受賞。
現在はPLAN-Bマーケティングパートナーズ社デジタルメディア事業部(広告代理事業)のマーケティング担当として、リード~受注までのフロー改善に尽力しています。
出典元:株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ プレスリリース












