
クレジットカード決済などの不正利用対策ソリューションを提供している株式会社アクル(本社:東京都港区、代表取締役社長:近藤 修)が、ワールド通商株式会社(本社:東京都中央区)が運営する時計ブランドを扱うECサイトにおいて、不正検知・認証システム「ASUKA」の導入を開始したことが明らかになりました。
この記事の目次
ASUKA提供開始の背景と概要
近年、クレジットカードの不正利用による被害は増加の一途をたどっています。日本クレジット協会の発表によると、2024年のクレジットカード不正利用被害金額は513億円に達しています。
このような状況を受け、経済産業省は2025年3月に「クレジットカード・セキュリティガイドライン」を公表し、ECサイトを運営するカード加盟店に対して、適切なセキュリティ対策の実施を求めています。
カード加盟店は顧客に「安全な購入体験」を提供するため、取引のあらゆる段階に対応可能なセキュリティを備え、単に問題に対処するだけでなく予防の観点から不正対策を構築することが必要とされています。
ワールド通商社が展開する高級商品を扱うECサイトでは、EMV 3-Dセキュアによる不正対策に加えて、より巧妙化する不正手口への対応と更なるセキュリティの強化を目指し、クレジットカード不正検知・認証システム「ASUKA」を導入することになったとのことです。
特に、洗練された顧客体験が求められる高級品オンラインストアにおいては、スムーズな決済プロセスが不可欠であるため、ユーザーエクスペリエンス(UX)を阻害しないことも導入の決め手となったと伝えられています。
「ASUKA」は、取引情報や属性情報などをもとに、不正使用の兆候をリアルタイムで検知し、カード認証を自動で行う高度なセキュリティシステムです。2025年からは、shopifyアプリとしての提供も開始されています。
今後、アクル社はワールド通商社と連携しながら、不正利用のリスク低減に貢献し、安心・安全なECサイト運営の実現を支援していく予定です。
ASUKA Shopifyアプリ提供開始の背景

不正利用が多いECカード加盟店においては、EMV 3-Dセキュアのみでは真正な利用に対しても決済承認率が低下し、売上機会の損失につながる懸念があります。このような課題に対応するためには、EMV 3-Dセキュアの導入だけでなく、ECカード加盟店による独自の不正対策を組み合わせることが効果的であるとされています。
こうした背景を踏まえ、Shopify利用事業者がASUKAを容易に導入できるよう、今回新たにShopifyアプリが開発されました。
本サービスのメリットとしては以下の点が挙げられています。
1)不正排除プラットフォームの活用
ASUKAは既に300社以上、約45,000サイト以上のECサイトで利用されており、国内最大級の不正排除ネットワークを構築しています。
不正対策は自社ECサイトが保有するデータだけでは検知が難しく、いかに不正ユーザーの挙動を捉えるか、同業界におけるブラックデータを持ち合わせているかが重要になります。
ASUKAではリアルタイムに更新・蓄積されるデータを基に判定が可能であるため、効果的な対策を実施することができます。
2)コスト削減
不正が発生すると事業者側は対象商品金額の実損や、不正受注分の決済手数料・配送料の負担に加え、不正対策のために日々の目視チェックやキャンセル時の対応など多くの運用工数がかかる状況になります。
本アプリを通じてASUKAを利用する場合、チェックアウト時の判定により決済処理に進ませることなく制御することが可能です。これにより不正防止と無駄な手数料の削減が実現でき、また注文後の検知により不正注文の自動キャンセルが可能となるため、目視チェックや受注処理などの運用工数の軽減につながります。
なお、チェックアウト時の事前制御はShopify Plusをご利用の場合に限られるとのことです。
3)あらゆる決済の不正対策
本アプリを通じてASUKAを利用する場合、クレジットカード以外の決済における不正対策にも対応しています。
近年は、クレジットカード決済だけでなく、後払い決済や各種Pay系決済における不正利用も多発しています。
これまでASUKAはクレジットカードを主とした不正検知サービスとして展開されてきましたが、不正配送先住所チェック機能のアップデートや独自のスコアリングアルゴリズムの強化により、あらゆる決済における不正対策が可能になったと説明されています。
4)専門家による分析サポート
アクル社の専任担当者がECサイトに来訪している不正利用者の分析結果を報告し、効果的なセキュリティ強化策を提案します。これにより、EC運営担当者による特別な運用や対応は不要になります。
また、各EC事業者の運用状況や繁忙期、セールなどに合わせた対応も可能であるため、一時的な対策強化・緩和など要望に応じた最適な不正対策を提供するとしています。
ワールド通商が運営するオンラインブティックについて
高級商材を取り扱うワールド通商株式会社では、直営店舗に加えて複数のオンラインブティックを展開しています。
多様化する決済環境に対応するため、同社では安全性や顧客体験に配慮した環境整備の一環として、不正検知システム「ASUKA」を導入したとのことです。これにより、より良いセキュリティ運用体制の構築を目指しています。
「ASUKA」について
「ASUKA」は、クレジットカード業界において必須とされる、クレジットマスター・大量アタック対策、第三者不正利用対策としての属性行動分析・不正配送先住所との照合、EMV 3-Dセキュアの本人認証サービスなど、総合的なセキュリティ対策を実現できるサービスです。
物販ECをはじめ、旅行商材、サービス商材など45,000サイト以上のカード加盟店に導入されています。

会社概要
ワールド通商株式会社
本社所在地:東京都中央区銀座5-11-14 ポスコ東京ビル
事業内容:ラグジュアリー領域における商品流通およびブランド展開を手がける輸入商社
株式会社アクル
本社所在地:東京都港区三田2-7-13 TDS三田ビル 6階
代表取締役社長:近藤 修
事業内容:クレジットカード不正対策ソリューション、チャージバック保証、集客支援サービスほか
まとめ
クレジットカードをはじめとする決済の不正利用は年々増加しており、オンラインショップを運営する企業にとって大きな課題となっています。今回のASUKA導入によって、高級時計ブランドを扱うワールド通商社のECサイトでは、顧客体験を損なうことなくセキュリティレベルを向上させることが期待されます。
不正検知・認証システム「ASUKA」は、リアルタイムでの不正検知や自動認証機能を備えており、ECサイト運営者の負担軽減とともに、顧客に安全な購入体験を提供することを目指しています。また、Shopifyアプリとしても提供が開始されたことで、より多くの事業者がこのソリューションを手軽に導入できるようになりました。
オンラインショッピングの普及に伴い、決済セキュリティの重要性はますます高まっています。このような不正対策ソリューションの導入は、ECサイト運営企業にとって不可欠な取り組みとなっているといえるでしょう。
出典元:株式会社アクル プレスリリース












