
株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:瀧本 恒)は、生活者のリテールメディアへの接触が購買行動およびブランド認知にどのような影響を与えるのかを明らかにするために、「2025年 リテールメディア調査」を実施しました。
同調査では、主要商品カテゴリー(29カテゴリー)および主要流通業態(コンビニエンスストア、食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、バラエティショップ※1、ECモール)において、リテールメディアが生活者にどのように活用され、購買行動やブランド指標にどのような影響を与えているのかについて、1,200名※2を対象としたアンケート調査が行われています。この記事では、その調査結果の一部をご紹介します。
この記事の目次
調査概要
リテールメディアは、店頭の売り場に近接しているという特性から、メーカー企業の営業予算および販促予算の投資対象と認識される傾向がありました。今回の調査では、リテールメディアが持つ「商品認知」や「興味喚起」、「商品理解」などのブランド指標への影響を可視化し、宣伝予算の投資対象としての価値を測るために実施されたとのことです。具体的には、生活者のリテールメディアの接触状況と、それが購買行動とブランド指標にどのような影響を与えているかが調査されています。
調査結果の考察
この調査結果により、リテールメディアは従来の販促機能だけでなく、ブランディング施策としての機能も兼ね備えていることが明らかになりました。依然として商品認知の場は店頭などのオフラインチャネルが多い傾向があり、また食品スーパーやドラッグストアなどの小売流通各社が提供しているアプリ(以下、流通アプリ)は「買い物に出かける直前」の閲覧が多いことがわかったとのことです。
このことから、リテールメディアは「売り場」に近い接点であるからこそ、商品に対する興味・関心が最も高まる瞬間やタイミングである「買い物モーメント」にある生活者に対して、質の高いリーチを担保していると考えられています。また、いずれの流通業態においても、流通アプリ内で配布されるクーポンが購買への高い影響力を示しました。加えて、各種リテールメディアへの接触が「商品認知」や「興味喚起」、「商品理解」などのブランド指標の向上に一定の効果を発揮することも明らかになっています。
リテールメディアの活用は、広告コミュニケーション施策のゴールの一つである売上への歩留まりを高める効果が期待できるため、短期的な売上伸長だけでなく、ブランディング施策の投資対効果を高める上でも重要な役割を担っていると考えられています。
主な調査結果
1.商品認知チャネルについて(図1)
調査対象となった29商品カテゴリーのうち、パソコンを除いたすべてのカテゴリーにおいて、店頭で商品を認知するケースが最も多い結果となりました。特に「食品・スイーツ」「飲料」「日用雑貨」のカテゴリーではこの傾向が顕著に表れているとのことです。
2.商品カテゴリー別の非計画購買経験について(図2)
買い物時に当初購入する予定はなかったものの実際に購入してしまう「非計画購買」について調査したところ、「食品・スイーツ」「飲料」「日用雑貨」のカテゴリーでは食品スーパーやコンビニ、ドラッグストア、バラエティショップで、また「ファッション」「美容・コスメ」のカテゴリーではバラエティショップやECモールで、非計画購買が起きやすい傾向が明らかになったと報告されています。

3.リテールメディア接触後の購買指標への影響について
購買への影響については、流通アプリ内のクーポンが全体的に高い影響力を示していることがわかりました。特にバラエティショップ、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ECモールにおいては、ユーザーの20%以上が「その場で購入する」という顕著に高い結果となっています。
また、バラエティショップにおいては、流通アプリ内広告が購買促進およびブランド指標に与える影響が、他の流通業態と比較して高い傾向が見られたとのことです。
4.リテールメディア接触後のブランド指標への影響について(図3)
・商品認知:
バラエティショップのサイネージ、流通アプリ内クーポン、流通アプリ内広告、ドラッグストアアプリ内広告の影響が比較的高い結果となりました。
・興味喚起:
ECモールアプリ内広告とアプリ内クーポンが最も高い影響力を示し、次いでバラエティショップのサイネージとクーポンも比較的高い結果となったことが報告されています。
・商品理解:
バラエティショップのクーポン、サイネージ、流通アプリ内広告の影響力が比較的高い結果となりました。

5.流通アプリを閲覧するタイミングについて
オフライン業態(実店舗)の流通アプリでは、「会計時」だけでなく「買い物に出かける直前」「お得情報を確認するとき」など入店前の閲覧が多い傾向があります。一方、ECモールアプリでは「欲しいものができたとき」「商品検索・比較」が突出して多い結果となったとのことです。
この結果から、リテールメディアは「買い物モーメント」にある生活者へ質の高いリーチが可能なメディアであることが明確に示されています。
電通デジタルは今後も、リテールメディアの活用をはじめとする最適なメディアプランニングの提案を通じて、クライアント企業のブランド指標の向上および事業成長に貢献していく方針だと発表しています。
調査概要
・タイトル:2025年 リテールメディア調査
・調査手法:インターネット調査
・調査時期:2025年9月16日~19日
・調査エリア:全国
・対象者条件: 20~69歳男女
・本調査回収サンプル数:1,200サンプル
・調査主体:株式会社電通デジタル
・商品カテゴリー(抜粋):
ファッション/美容・コスメ/食品・スイーツ/水・ソフトドリンク/アルコール飲料/日用雑貨/ダイエット・健康/医薬品・コンタクトレンズ/ギフト/ペット用品/PC・スマートフォン・通信/インテリア/キッズ・ベビー・おもちゃ
・調査委託先:株式会社電通マクロミルインサイト
主な調査項目
・商品カテゴリー別認知業態(どの業態の店頭で認知されたか)
・商品カテゴリー別購入流通業態
・流通アプリ別利用率
・購入商品カテゴリー別の利用流通アプリ
・業態別流通アプリの利用目的
・昨年のブラックフライデーセール参加率
・昨年のブラックフライデーセールで購入した商品カテゴリー
・昨年のブラックフライデーセールで購入した流通
・昨年のブラックフライデーセールで非計画購買した商品カテゴリー
・共通ポイントサービスの利用実態
・買い物行動/意識
※1:日用品、生活雑貨、化粧品、文房具、キャラクターグッズ、食品・菓子類など、幅広いカテゴリーの商品を多角的に取り揃える小売店。
※2:本調査の集計においては、直近3カ月以内の購入者の性年代構成比に基づき、ウエイトバック集計(WB)を実施し、調査結果の偏りを補正しています。
電通デジタルについて
電通デジタルは、国内最大規模の総合デジタルファームです。「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」をパーパスに掲げ、生活者に寄り添うクリエイティビティとテクノロジーを統合的に活用することで、あらゆるトランスフォーメーションの実現を目指しています。同社はクライアント企業の事業成長パートナーとして、共に新たな価値を創造することで、経済および社会の「変革と成長」に貢献していると説明しています。
出典元: 株式会社電通デジタル プレスリリース











