
トランスコスモス株式会社は、生成AIチャットBot対応型ハイブリッドチャットサービス「trans-Chat Support」を日本生活協同組合連合会(日本生協連)が運営するギフト専門オンラインショップ「コープのギフト」に導入し、電話対応と比較して約4.3倍の生産性向上を達成したことを発表しました。
この記事の目次
導入の背景
トランスコスモス株式会社はアジア最大規模のWeb/アプリ開発事業とコンタクトセンター事業を展開しており、企業と顧客接点のCX(カスタマーエクスペリエンス)最適化を実現するCXプラットフォーム「trans-DX for Support」をグローバルに提供しています。このプラットフォームは、コンタクトセンター事業を通して企業に直接届く顧客の声とSNS上のVOC(Voice of Customer:顧客の声)を活用し、チャット対応に最適化された生成AIボットと有人チャットオペレーターを有機的に組み合わせることで、電話対応のみに比べ3倍以上の生産性を実現し、エンドユーザーの利便性向上と企業のコスト最適化を同時に達成しているとのことです。
近年、チャットサポートはコールセンターがつながらない時間帯や発話できない状況などにおいて、問題解決をはかるための有力なチャネルとなっています。しかし、チャットBotのみでの対応には、文章・表現のわかりやすさや回答精度に課題があるという声が多く聞かれます。そのため、チャットBotでの対応が不十分な場合には人間のエージェントに引継ぎ、問題解決まで確実に導くハイブリッドサポートが求められています。
このような背景から、チャットBotと有人チャットをシームレスに統合したハイブリッドチャットサービスは、複雑化する顧客ニーズに対応しつつ、効率的な運用を可能にする必須のソリューションとなっています。「trans-DX for Support」は、24時間365日対応可能なチャットBotが一次対応を行い、チャットBotで解決できない場合は即座に有人チャットオペレーターにスイッチングすることで、顧客のストレスを大幅に削減し、解決率を向上させる仕組みを提供しています。これにより、企業は高品質なカスタマーエクスペリエンスを提供しながら、運用コストを最適化することが可能となります。
この「trans-DX for Support」に搭載された生成AIチャットBot対応型ハイブリッドチャットサービス「trans-Chat Support」を、日本生活協同組合連合会(本部:東京都渋谷区、代表理事会長 新井ちとせ)が運営するギフト専門オンラインショップ「コープのギフト」に導入し、電話対応のみに比べ生産性を約4.3倍向上することに成功したとのことです。
導入背景
トランスコスモス株式会社では、日本生協連に電話・音声AI・有人チャット・チャットBot・Webサポートコンテンツなど複数のチャネルサービスを整備し、生協組合員ひとりひとりにあわせた最適なコミュニケーション実現に取り組んでいます。特に「コープのギフト」においては、ギフト商材特有の季節繁閑に対応するために、サイト内に設置しているチャットBotや有人問い合わせの生産性向上を進めていたとのことです。
ハイブリッドチャットによる生産性向上の取り組み
トランスコスモス株式会社は、ハイブリッドチャットにより問い合わせ対応時間を短縮するために、以下の施策を実施しました。
1)利用しやすさの向上
生成AIがユーザーの質問文(自然言語)を理解し、適切な回答を提示することで、従来のシナリオ選択による操作負担の低減や問い合わせ中の途中離脱減少を実現しています。これにより、ユーザーは自然な会話形式で質問ができるようになり、利便性が大幅に向上しました。
2)サポートナレッジ生成による課題解決における生産性向上
コールログ、チャットログから生成AIを用いてFAQ草案を自動生成し、FAQデータを効率的に作成しています。従来よりも多くのデータを用意できることでチャットBotでの解決を促進し、その結果生産性を向上させることに成功しました。これにより、頻出する質問に対して迅速かつ正確な回答を提供できる体制が整いました。
3)チャットBotと有人チャットのハイブリッド化による問題解決時間の短縮
チャットBotで解決できなかった場合でも、有人チャットへシームレスな連携を行います。チャットコミュニケーターは、チャットBot上のエンドユーザーとの対話内容を把握した上で回答できるため、ユーザーが改めて質問をする必要がなくなり、問題解決時間を大幅に短縮しています。これにより、ユーザー体験の向上と効率的な問い合わせ対応が実現されました。
生成AIチャットBotを搭載したtrans-Chat Support導入後の効果
生成AIチャットBotを搭載した「trans-Chat Support」は2024年10月に導入され、1時間当たりの解決件数は電話対応のみに比べ4.3倍に増加し、1件当たりの平均対応時間を約7分短縮させることに成功しました。これにより、繁忙期のサポート体制が強化され、顧客満足度の向上とコスト最適化の両立が実現しているとのことです。

日本生活協同組合連合会 通販本部 ギフト事業部 ギフトセンターグループ グループマネージャー 永田氏コメント
「このたび生成AIチャットBotを搭載したtrans-Chat supportを導入したことで、自己解決率を高め有人対応数を削減させる効果があることが検証できました。また、利便性が高まったことにより顧客満足度の向上、ひいてはECチャネル強化にも大きく貢献できると考えております。引き続き生協組合員の CX 向上に向けて重要なパートナーとしてに一緒に歩んでまいりましょう。」
今後の展開
日本国内でWeb/アプリ+ハイブリッドチャット+コールセンターの顧客接点チャネルを統合的にトランスコスモス株式会社へアウトソースいただいているお客様企業から「trans-Chat support」の導入を拡大していく計画とのことです。また、今後も生成AIなど先端技術を活用したコンタクトセンターの有人応対業務効率化機能や運用改善機能を「trans-DX for Support」へ実装し、お客様企業にとって価値のあるソリューションへと強化をはかっていくとしています。
トランスコスモス株式会社について
トランスコスモス株式会社は1966年の創業以来、優れた「人」と最新の「技術力」を融合し、より価値の高いサービスを提供することで、お客様企業の競争力強化に努めてきました。現在では、お客様企業のビジネスプロセスをコスト最適化と売上拡大の両面から支援するサービスを、アジアを中心に世界36の国と地域・182の拠点で、オペレーショナル・エクセレンスを追求し、提供しています。
また、世界規模でのEC市場の拡大にあわせ、お客様企業の優良な商品・サービスを世界46の国と地域の消費者にお届けするグローバルECワンストップサービスを提供しています。トランスコスモス株式会社は事業環境の変化に対応し、デジタル技術の活用でお客様企業の変革を支援する「Global Digital Transformation Partner」を目指しているとのことです。
出典元: トランスコスモス株式会社 プレスリリース