
株式会社Bizgem(本社:東京都文京区、代表取締役:樋口幸太郎)は、ブランシェス株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役:泉 憲利)の基幹システムと、経営データ一元管理SaaS「ストアレコード」とのEC売上データの連携を開始したことを発表しました。これにより、これまでRPAや手作業で行われていた各ECチャネルの売上取込・集計が自動化され、日次での売上反映と運用の属人化解消が実現されたとのことです。
エンタープライズEC領域においては基幹システムとEC/モールのデータ連携が必須要件となっており、本取り組みはその実装を汎用APIとRPA連携で実現した事例です。導入により、売上データ処理の自動化と担当者依存からの脱却が可能となったと報告されています。
この記事の目次
導入の背景と課題
ブランシェス株式会社では、リアル店舗の売上データについては基幹システムと自動連携が実現されていましたが、ZOZO TOWN、自社EC、楽天市場、楽天ファッション、ロコンド、マルイWEB、SHOPLISTなど各種ECサイトの売上データについては、社内RPAや手作業によるアップロードに依存している状況だったとのことです。
このような状況下で、以下のような課題が浮き彫りになっていました。
・属人化(担当者依存・引き継ぎコスト)の問題
・保守難易度(仕様変更・フォーマット改定への追随)の高さ
・反映リードタイム(日次/締め直前の集計負荷)の長さ
これらの課題を解決するため、既に導入済みの「ストアレコード」側で集約・標準化されていたEC売上データを基幹システムへ逆連携する要望が生まれ、今回の開発に至ったと伝えられています。
小売企業におけるデータ一元管理の重要性
小売企業、特にマルチチャネルで事業を展開する企業にとって、各チャネルのデータを一元管理することには多くのメリットがあります。
まず、経営判断のスピードと精度が向上します。すべてのチャネルの売上・在庫・利益データをリアルタイムで把握できることで、より迅速かつ正確な意思決定が可能になります。
次に、業務効率の大幅な改善があります。今回のブランシェス株式会社の事例のように、手作業やRPAに依存していたデータ集計作業を自動化することで、人的リソースを他の付加価値の高い業務に振り向けることができます。
また、データの正確性と一貫性も向上します。手作業によるデータ入力はヒューマンエラーのリスクがありますが、システム間の自動連携によりそのリスクを最小化できます。
さらに、将来的にはデータ分析基盤としての活用も期待できます。一元管理されたデータは、高度な分析や機械学習の基盤となり、顧客行動の理解や需要予測などに活用できる可能性を秘めています。
ストアレコードのようなSaaSの登場により、従来は大企業でしか実現できなかったこうしたデータ一元管理が、中小規模の小売企業でも実現可能になってきています。
導入による効果
今回の連携により、EC売上の基幹システムへの反映が自動化され、エラー発生時の人手による対応をほぼ撤廃することができたとのことです。また、仕様変更があった場合もストアレコード側で吸収することで、ブランシェス株式会社の開発・保守負担を大幅に軽減することに成功しているそうです。
具体的には以下のような効果が得られたと発表されています:
- 各ECチャネルの売上データ取込・集計の完全自動化
- 日次での売上反映による経営判断の迅速化
- 担当者依存からの脱却による業務継続性の向上
- 仕様変更への対応負荷の軽減
- データ処理エラー時の人的コスト削減
今後の展望
株式会社Bizgemでは、今後エンタープライズ企業向けに基幹システム連携を拡充し、各種経営指標の可視化をストアレコード上で標準化していく方針を示しています。これにより、より多くの小売企業における迅速な意思決定と健全な経営の実現に貢献していくとのことです。
小売業界では、リアル店舗とEC事業の両輪での事業展開が一般的となっており、複数チャネルのデータを統合的に管理・分析することの重要性が高まっています。本連携は、そうしたマルチチャネル環境下での経営データ一元管理の実現例として注目されます。
EC売上データ連携の意義と今後の可能性
今回実現した基幹システムとEC売上データの連携は、小売企業のDXにおける重要なステップと言えます。特に、複数のECチャネルを運営する企業にとって、各プラットフォームからのデータ収集・統合は大きな業務負担となっていました。
ストアレコードによる一元管理と基幹システム連携により、以下のような発展的な活用も期待されます。
- チャネル横断的な在庫最適化
- 顧客データの統合による顧客理解の深化
- AIを活用した需要予測と在庫管理
- リアルタイムな経営判断の実現
- 業務プロセスの更なる自動化
小売業界ではオムニチャネル戦略が重要性を増す中、こうしたデータ連携・統合の取り組みは今後さらに加速していくことが予想されます。
経営データ一元管理SaaS「ストアレコード」とは
「ストアレコード」は、売上・費用・仕入・在庫といった小売企業の経営管理に必要なデータを一元管理するためのシステムです。従来、小売企業の経営管理システムというとERPや基幹システムなど比較的高価なシステムの導入が必要でしたが、ストアレコードを利用することで月額2万円からというリーズナブルな価格で経営データの一元管理が可能になります。
特に中小規模の小売事業者にとって、手頃な価格帯で高度な経営管理機能を利用できることは大きなメリットとなっています。また、今回のようなエンタープライズ企業においても、既存の基幹システムとの連携により、EC事業の管理効率化に貢献しています。
ストアレコードの主な特徴は以下の通りです:
- 複数販売チャネルのデータ一元管理
- 日次での売上・在庫・利益の可視化
- 基幹システムとの連携機能
- 手頃な価格設定(月額2万円〜)
- 導入・運用の容易さ
株式会社Bizgemについて
株式会社Bizgemは、2022年12月に設立された企業で、小売業界向けの経営データ一元管理システム「ストアレコード」を提供しています。小売企業の経営データを一元管理することで、迅速な意思決定と健全な経営の実現をサポートすることをミッションとしているとのことです。
代表取締役の樋口幸太郎氏は、伊藤忠商事株式会社での勤務経験や、複数のスタートアップ企業での経営経験を持ち、小売業界における豊富な知見を活かしたサービス開発を行っています。
会社概要
創業:2022年12月
代表者:代表取締役 樋口 幸太郎
所在地:〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-11 エヌケービル3F
代表者プロフィール
樋口幸太郎氏は、慶應義塾大学卒業後、2008年に伊藤忠商事株式会社に入社。2011年に退社し、Unistyle株式会社を共同創業、代表取締役COOに就任しました。2016年に同社株式を人材系ベンチャー企業に全株式売却し、2017年に代表を退任されています。
2019年1月には、子供服D2Cブランド「pairmanon」を運営する株式会社オープンアンドナチュラルに入社、取締役COOに就任。同職にてPL・BS責任を負いながら、モール・自社サイト運営、Web広告、物流、カスタマーサポート、財務・人事・経理などを統括し、売上20億円・営業利益1.7億円規模へと成長させた後、アダストリアグループに全株式を売却されたとのことです。
こうした小売・EC業界での豊富な経験を活かし、2022年12月に株式会社Bizgemを設立し、代表取締役に就任。小売企業の経営課題解決に取り組んでいます。
出典元: 株式会社Bizgem プレスリリース