
富士通株式会社が、カナダのモントリオールに本社を構える大手食品小売業者Metro Inc.(以下、Metro社)向けに、店舗内のオペレーションをモニタリングするサービス「Fujitsu Advanced Operation & Management」の提供を開始し、すでに500店舗での稼働を実現したことが発表されました。

このオファリングにより、Metro社は店舗売上データ、顧客会員情報、防犯カメラ映像など複数のデータソースを統合して、店舗運営に関わる包括的なモニタリングシステムを実現することが可能になりました。これにより、店舗マネージャーはコンプライアンス違反や店舗運用上の非効率性を迅速に把握できるようになります。
Metro社はスーパー、ディスカウントストア、ドラッグストアなど様々な業態を展開しており、本オファリングの導入によって本社側からそれらを横断して多様なリスクパターンおよび業務プロセスを1つのダッシュボードでモニタリングすることが可能になりました。これにより、リスクのある店舗や商品などをリアルタイムで検知し、より高度な意思決定ができるようになっています。
富士通は、まず2025年2月にMetro社の20店舗を対象としたパイロットプロジェクトとして本オファリングを導入し、その後2025年4月までにMetro社がカナダで展開するMetro、Super C、Food Basicsといったブランドを含む500店舗への段階的な展開を完了させました。富士通がこれまで小売業界の顧客事例を通じて蓄積してきたノウハウを活かし、パイロットプロジェクトの段階ですでに多くのリスク検知に成功しており、高い成果が実証されています。
この取り組みにより、Metro社の店舗データの収集・分析などオペレーション監視に関わる作業の大幅な削減が見込まれています。Metro社と富士通の協働により、店舗業務の効率化と最適化が進み、経営層および現場における意思決定プロセスの高度化が期待されています。
富士通は今後もMetro社の店舗業務を継続的に支援するとともに、社会課題を起点とした事業モデル「Fujitsu Uvance」のもと、データ・AIと映像解析技術を融合させることで店舗のデジタル化を推進していく方針です。これにより、労働生産性の向上を実現し、人口減少・労働力不足という社会課題の解決を通じて持続可能な社会基盤の確立に貢献していきます。
この記事の目次
Metro Inc.および富士通関係者からのコメント
Metro Inc., Senior Director - Corporate Security and Resilience, Marc Lapointe氏:
「富士通のオファリング導入により店舗データが統合され、目覚ましい効果を発揮しています。これにより、これまで把握しきれていなかった店舗運営の状況が可視化し、社内から期待の声が上がっています。」
富士通株式会社 Consumer Experience事業本部 CX) Smart Retail事業部長 原田崇史氏:
「Fujitsu Advanced Operation & Management」をカナダ市場に提供するためにMetro様と協働できることを嬉しく思います。私たちはMetro様で構築したサービスにより、店舗業務を最適化するとともに、経営層および現場における意思決定の高度化を支援します。」
Metro Inc.について
Metro Inc.はカナダのケベック州モントリオールに本社を置く大手食品小売業者です。CEOはEric La Flèche氏が務めています。同社はカナダ全土でスーパーマーケット、ディスカウントストア、ドラッグストアなど様々な業態の店舗を展開しており、Metro、Super C、Food Basicsなどのブランドを展開しています。
Fujitsu Advanced Operation & Managementについて
「Fujitsu Advanced Operation & Management」は、労働力不足や労働環境の改善、店舗の生産性および運用コストの改善に向けて開発されたソリューションです。AI・IoTテクノロジーを活用した店舗のデジタル化によって、業務プロセスの最適化を支援します。このソリューションは現在、グローバルで約8,000の顧客店舗に導入されており、小売業界におけるデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
富士通のSDGsへの取り組み

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。富士通のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。
本件が貢献を目指す主なSDGs

富士通は今回のMetro社へのソリューション提供を通じて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを継続的に推進していくとのことです。店舗運営のデジタル化による労働生産性の向上は、人口減少や労働力不足といった社会課題の解決にも寄与するものであり、SDGsの達成にも貢献していくことが期待されています。
また、富士通は今後も小売業界におけるデジタルトランスフォーメーションを支援し、持続可能な社会基盤の確立に向けた取り組みを加速させていく方針です。Metro社での導入事例を基に、さらなる技術革新とサービス拡充を進め、グローバル市場における存在感を高めていくことを目指しているとのことです。
「Fujitsu Advanced Operation & Management」は、単なる店舗監視ツールではなく、データドリブンな意思決定を支援するプラットフォームとして、小売業界における業務効率化と顧客体験の向上に大きく貢献するものです。富士通はこのようなソリューションを通じて、小売業界のデジタル化を推進し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていくとしています。
出典元:富士通株式会社