ECサイト通知の効果調査:年代別に異なる好ましい通知方法と購買行動への影響【シナブル調べ】

株式会社シナブルが「ECサイトのコミュニケーション」に関する調査結果を発表しました。この調査では、20代から60代までのECサイトを月1回以上利用している消費者を対象に実施されています。

近年、ECサイトは私たちの日常生活に不可欠な存在となっており、多くのサイトでは注文状況やおすすめ商品、セール情報などを通知機能で利用者にお知らせしています。

今回の調査では、ECサイトの通知方法において、どのような形式が確認しやすく利用しやすいと感じられているのか、また、どのような通知内容が購入意欲を高めるのかについて明らかにされています。

この調査は、EC・通販特化のパーソナライズド・プレシジョンCRMプラットフォーム『EC Intelligence』を提供している株式会社シナブル(所在地:東京都豊島区、代表取締役社長:小林 裕紀)が、ECサイトを月1回以上利用している20代から60代の消費者を対象に実施したものです。

調査概要:「ECサイトのコミュニケーション」に関する調査
【調査期間】2025年5月29日(木)~2025年5月31日(土)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,017人
【調査対象】調査回答時に①20代/②30代/③40代/④50代/⑤60代でECサイトを月1回以上利用していると回答したモニター
【調査元】株式会社シナブル
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

好ましい通知方法は年代によって異なる傾向が明らかに

調査ではまず、「ECサイトから通知が届いたらすぐに確認する・利用しやすいと思う方法」について質問が行われました。その結果、年代別で以下のような回答が得られています。

■20代
『LINE(55.9%)』『メール(46.0%)』『アプリ(45.1%)』

■30代
『メール(55.9%)』『LINE(48.5%)』『アプリ(28.7%)』

■40代
『メール(68.8%)』『LINE(43.9%)』『アプリ(37.1%)』

■50代
『メール(77.0%)』『LINE(37.3%)』『アプリ(29.4%)』

■60代
『メール(82.4%)』『LINE(35.3%)』『アプリ(23.5%)』

この結果から、通知チャネルとして全体的には『メール』が最も利用されていますが、20代に限っては『LINE』が最多となり、年代によって大きな差異が見られることが分かりました。若年層はリアルタイム性と操作性を重視し、スマートフォンに最適化された媒体を好む傾向があります。一方で、50代以降になると『メール』の利用率は7割を超え、従来型の通知チャネルが強く支持されている実態が明らかになっています。

ECサイトの通知方法に関するグラフ

また、通知が届くタイミングも確認や購買行動に影響を与える重要な要素です。「ECサイトからの通知が届くのが好ましいタイミング」について質問したところ、以下のような回答結果が得られています。

『月~金曜日の朝(14.6%)』
『月~金曜日の昼(15.1%)』
『月~金曜日の夜(20.8%)』
『土・日曜日の朝(11.3%)』
『土・日曜日の昼(11.7%)』
『土・日曜日の夜(11.1%)』
『特にない(50.3%)』

約半数の回答者が『特にない』と回答した一方で、『月~金曜日の夜』という回答も約2割となりました。この結果から、帰宅後の自由時間やスマートフォンを操作する頻度が高い時間帯が通知に適していると推測されます。

実際に、『特にない』と回答した方以外に「そのタイミングを好ましいと思う理由」について尋ねたところ、『ゆっくり確認する余裕があるから(42.3%)』『帰宅した後に確認できるから(31.0%)』『家にいることが多いから(25.3%)』が上位に挙がりました。これにより、情報をじっくり閲覧できる時間帯が好まれる傾向にあることが明らかになっています。

興味を持つ通知内容は「セール」「ポイント」「タイムセール」が上位

次に、どのような通知内容に興味を持つのかについて調査が行われました。

ECサイトの通知内容に関するグラフ

「ECサイトからの通知で、興味を持つのはどのような内容か」という質問に対しては、『セールのお知らせ(60.0%)』が最も多く、次いで『ポイントの有効期限のお知らせ(53.4%)』『自分だけが対象のタイムセールのお知らせ(39.8%)』という結果になりました。

多くの消費者がセール情報の通知に高い関心を示していることが分かります。また、「ポイントの有効期限」や「自分だけが対象のタイムセール」といった情報も上位に位置していますが、さらに「通知を見てつい購入してしまうのはどのような場合か」についても調査が行われました。

その結果、『クーポンが利用できる(62.1%)』『セールをしている(48.7%)』『ポイントの使用期限が迫っている(42.4%)』が上位となりました。

この結果から、価格的なメリットと期限の提示が購買行動の直接的なきっかけになっていることが分かります。特に「期限付き」や「限定性」がある情報は、消費者の意思決定を早める効果があると考えられます。

また、購入するきっかけになることが多い通知方法についても調査されました。

購入のきっかけになる通知方法に関するグラフ

「ECサイトからの通知方法で、購入するきっかけになることが多いもの」について年代別の回答結果は以下の通りです。

■20代
『LINE(38.1%)』『メール(36.6%)』『アプリ(35.6%)』

■30代
『メール(48.5%)』『アプリ(33.2%)』『LINE(29.2%)』

■40代
『メール(60.5%)』『LINE(31.2%)』『アプリ(25.4%)』

■50代
『メール(70.6%)』『アプリ(24.0%)』『LINE(21.6%)』

■60代
『メール(76.5%)』『LINE(23.0%)』『アプリ(22.6%)』

すぐに確認する・利用しやすい通知方法と同様に、『メール』は中高年層を中心に高く評価されている一方、20代では『LINE』の割合が高い結果となっています。

「シンプル・適切・お得」が通知の3大要件!ECサイトのコミュニケーションに必要なのは行動の導線

本調査では、ECサイトの通知が購買行動に与える影響やその背景にある消費者の意識が明らかになりました。

ECサイトからの通知方法として利用しやすいと評価されているのは全体的には「メール」ですが、20代では「LINE」や「アプリ」の支持率が高いという結果が出ています。

好ましい通知のタイミングについては「特にない」という回答が半数を超える一方で、「平日の昼や夜」を好む回答者も多く、その理由として「確認する余裕がある」「帰宅後の時間である」といった点が挙げられています。これは、リラックスした時間帯に情報を受け取る準備が整っていることを示唆しています。

また、通知内容として関心を集めるのは「セール」「ポイントの有効期限」などのお得情報であり、「自分だけが対象」などのパーソナライズ要素も購買意欲を刺激する傾向が見られました。

通知の表現やトーンについては「シンプル」「丁寧」「信頼感」が求められており、過剰な演出やフレンドリーすぎる文体よりも、情報を分かりやすく伝える構造が好まれていることが分かりました。

ECサイトからの通知がきっかけで「商品を調べる」「比較検討をする」という行動をした経験がある回答者は約7割に達し、通知が中長期的な購買行動の基盤を形成する機能も果たしていることが示されています。

こうした背景から、消費者が望むECサイトのコミュニケーションは「お得情報を教えてくれる」「興味のない情報は送ってこない」「過剰な宣伝や営業がない」といった特徴を持ち、通知の質と頻度に対する敏感さが明らかになっています。

1日に複数回届いても気にならない通知内容としては、「クーポン」「セール」「ポイントの有効期限」が上位となり、消費者が求める内容やタイミング、頻度を考慮した通知を行うことが、より高い顧客満足度とリピート利用につながる鍵となることが示唆されています。

EC・通販特化のパーソナライズド・プレシジョンCRMプラットフォーム『EC Intelligence』の概要

EC Intelligenceのロゴ

今回の「ECサイトのコミュニケーション」に関する調査を実施した株式会社シナブルは、ECサイトの売上アップに必要な機能を網羅したクラウド型ソフトウェア『EC Intelligence』を開発・販売しています。

EC Intelligenceには主に以下の機能が備わっています:

■MA・データ分析・CDP

  • メッセージ配信の一元管理:メール、LINE、SMS、アプリ通知、DMを統合的に管理し、コンテンツ作成や配信設定の時間を削減します。
  • データ統合と顧客セグメント作成:複雑なSQL操作なしでデータを統合し、顧客セグメントの作成が可能です。
  • 自動データ結合と計算:CDP機能により、RFM分析や購入履歴のデータを自動で結合・計算します。
  • 高いメール到達率:SPF、DKIM、DMARCによる送信元ドメイン認証に対応し、メール到達率向上が可能です。

■MAと統合された検索・レコメンドエンジン

  • 高速レスポンス:独自開発の検索エンジンにより、100万点以上の商品からの検索・レコメンドを高速で行えます。
  • レコメンドエンジン:テキストマイニングと協調フィルタリングにより、個別の検索結果やレコメンドを提供します。

■Web接客・A/Bテスト・サイト改善

  • バナーやポップアップの出し分け:顧客データを利用して、条件に応じたバナーやポップアップを表示します。
  • A/Bテストと効果測定:すべてのコンテンツでA/Bテストが可能で、効果を自動で測定します。

■その他の機能

  • アンケート作成:多様な設問形式やページ分岐に対応したアンケートフォームを作成できます。
  • リアルタイム分析:サイト訪問者のリアルタイム分析を行い、現在の閲覧者数や購入者数を表示できます。
  • セキュリティ:高いセキュリティを確保するため、ブラウザ認証、OTP認証、IP制限などに対応しています。

■EC Intelligenceの強み

EC Intelligenceの機能を活用した施策例として、以下のようなものが紹介されています:

  1. サイトからの離脱を減らすため、検索結果が0件の場合でも商品を提案する仕組みの導入
  2. 特定の顧客にのみクーポンを表示し、セール時でも利益率を維持する施策を実施
  3. 顧客ごとにカスタマイズされたクーポンや値下げ情報を自動でメール送信

上記以外にも多様な施策例があり、顧客体験の向上や売上の増加を図ることができるとのことです。

出典元:株式会社シナブル

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