株式会社サイバーレコードは、シンガポールを本社とするPrime Commerce Holdings社と資本業務提携を締結し、2025年6月に同社への出資を決定したことが発表されました。この提携により、サイバーレコードが中期戦略として掲げる3つの事業領域(越境EC、SaaS、オフショア開発)において両社の強みを結集し、東南アジア全域をターゲットとした成長戦略を推進していくとのことです。

今回の提携によって、サイバーレコードは東南アジア市場への進出を加速させると同時に開発基盤を強化し、Prime Commerce社は日本市場へのアクセスとマーケティング資本の獲得を実現するとされています。両社の補完的なアセットを融合することで、グローバルスケールでの事業成長を目指していくとのことです。

提携の背景:グローバル成長への新たな布石

株式会社サイバーレコードは、これまでふるさと納税支援やEC運営代行、PB商品開発などを通じて、日本国内市場におけるEC流通事業を展開してきました。一方、Prime Commerce社は、東南アジア地域(主にマレーシア・ベトナム)において、マーケティング・ブランド支援、EC SaaS提供、アプリ開発、インフルエンサーマーケティングなどの分野で実績を持つ成長企業です。特に、ユニリーバ、GSK、Ogilvyといった多国籍企業のデジタルパートナーとして高い信頼を獲得しています。

今回の資本業務提携により、サイバーレコードは東南アジア市場への進出を加速させるとともに開発基盤を強化することができます。また、Prime Commerce社にとっては、日本市場へのアクセスとマーケティング資本の獲得が可能となります。両社が持つ補完的なアセットを融合することで、グローバル規模での事業成長を目指していくとのことです。

3事業連携の中核戦略

【1】越境EC(Cross-Border EC)

ASEAN地域の市場規模は日本の約2倍に達しており、特にインドネシア・マレーシア・ベトナムにおけるEC市場の成長率は年平均20%を超えています。こうした成長市場において、サイバーレコードは日本製品の強みである「品質」「信頼性」「文化的魅力(例:アニメIP、抹茶、健康食品)」を活かし、新たなビジネス展開を図るとしています。

具体的には、Shopee・TikTok Shopなどのデジタルチャネルと、現地小売・卸(モダントレード、コンビニ、ローカルスーパーなど)を融合したO2O型越境流通モデルを構築する予定です。今後は、既存のふるさと納税返礼品やPB商品に加え、アニメIPを活用した高付加価値商品なども順次展開していくとのことです。

【2】EC SaaS事業(One-Stop Platform)

Prime Commerce社が提供するSaaSプラットフォームは、Central Distribution/POS/CRMなどを一元管理できるシステムとして、その多機能性と高いコストパフォーマンス、強固な販売ネットワークにより、東南アジア地域ですでに数千社が導入しています。

今後、このプラットフォームを日本市場向けにローカライズし、サイバーレコードが持つ「運営代行ノウハウ」と融合させた次世代EC統合SaaSとして展開していく計画です。これにより、EC化に取り組む日本の事業者が直面している「複数チャネル運用の煩雑さ」や「複数商品と在庫管理の非効率性」といった課題の解決を目指すとしています。

【3】オフショア開発体制の構築

本提携では、ベトナムの開発リソースを活用することで、SaaSプロダクトの開発を高速かつ効率的に進めることが可能になるとされています。今後は、UI/UX改善、AIアルゴリズム実装、決済・物流最適化機能などの高度化も視野に入れており、技術面での競争力強化も図っていくとのことです。

今後のロードマップと展望

今回の提携に基づく事業展開は、以下のスケジュールで進められる予定です。

2025年6月~ 出資実行、日本向けSaaS MVP開発、越境EC販売開始(Shopee・TikTok・Lazada)
2025年7月~ 海外オフライン小売開始、IPモデル展開

これらの取り組みを通じて、サイバーレコードとPrime Commerce社は、日本と東南アジアを結ぶ新たなビジネスモデルの構築と、グローバル市場での競争力強化を目指していくとしています。特に、両社の強みを活かした3つの事業領域(越境EC、SaaS、オフショア開発)の連携により、シナジー効果を最大化する戦略を展開していく方針です。

越境ECについては、日本製品の品質や信頼性、文化的魅力を活かした商品展開が特徴となります。特に、アニメIPを活用した商品や抹茶、健康食品などは、東南アジア市場で高い需要が見込まれています。デジタルチャネルと実店舗を組み合わせたO2O型の流通モデルにより、幅広い顧客層へのアプローチが可能となります。

EC SaaS事業では、Prime Commerce社の既存プラットフォームを日本市場向けにカスタマイズすることで、多くの日本企業が抱えるEC運営の課題解決に貢献するとしています。複数のECチャネルや商品管理、在庫管理を一元化することで、業務効率の大幅な向上が期待できます。

オフショア開発体制については、ベトナムの優秀な開発リソースを活用することで、コスト効率と開発スピードの両立を図るとのことです。これにより、常に進化するEC市場のニーズに迅速に対応できる体制を整えることができます。

サイバーレコードは2008年の創業以来、ECビジネスの啓蒙者として、運営代行、コンサルティング、ブランディングなどに従事してきました。モールおよびマーケットプレイスのEC支援サービスの提供に加え、ふるさと納税事業や越境ECの支援も行っており、今回の提携によって、そのノウハウと実績をグローバル市場で活かしていく考えです。

一方、Prime Commerce社は、東南アジア地域におけるEC SaaS提供やマーケティング支援などで強みを持っており、多国籍企業との取引実績も豊富です。両社のアセットを組み合わせることで、日本と東南アジアを結ぶ新たなビジネスモデルの構築が期待されています。

今回の提携は、日本企業の東南アジア進出や、東南アジア企業の日本市場参入を支援する役割も担っており、両地域間のビジネス交流活性化にも貢献することが期待されています。特に、EC市場の急成長が続く東南アジア地域において、日本企業のプレゼンス拡大を後押しする取り組みとして注目されています。

株式会社サイバーレコードについて

2008年にGLOBAL EC COMPANY(GEC)として創業し、以来、ECビジネスの啓蒙者として、運営代行、コンサルティング、ブランディングなどに従事。モールおよびマーケットプレイスのEC支援サービスの提供に加え、ふるさと納税事業や越境ECの支援も行っています。

【社名】株式会社サイバーレコード
【代表者】代表取締役社長 増田一哉
【設立】2008年8月1日

出典元: 株式会社サイバーレコード プレスリリース

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