アジャイルメディア・ネットワーク、東京書店のTikTok Shop出店を全面支援 - 出版業界におけるショート動画活用の新戦略

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:藤原宏樹、東証グロース:6573、以下「AMN」)が、東京書店株式会社(本社:東京都港区、以下「東京書店」)の「TikTok Shop」出店に際し、同社のTikTok出店および運用支援を全面的に開始したことが発表されました。

この取り組みでは、ショート動画とライブコマースを活用した新しい書籍販売の導線構築により、若年層へのリーチ強化とデジタルシフトの加速を目指しているとのことです。動画を起点とした革新的な購買体験の提供により、出版業界における新たなマーケティング手法の確立が期待されています。

背景と狙い

近年、ショート動画が書籍の購買意欲を喚起する新たなプロモーション手法として注目を集めています。特に象徴的な事例として、30年以上前に刊行された筒井康隆の小説『残像に口紅を』が、人気TikTokerによる15秒の動画紹介をきっかけに、Amazon日本文学ランキング1位となるリバイバルヒットを記録しました。このように、短時間の動画が書籍業界に与える影響力が急速に高まっています。

出版業界においても「TikTokを活用したプロモーション」は今後の成長戦略として重要視されており、課題とされていた"動画から書籍購入へ"という購買導線の構築が喫緊の課題となっていました。この状況を背景に、今回の取り組みが実現しています。

東京書店は、児童書や実用書を中心とした多彩な書籍を展開する出版社です。2025年6月より、次世代ライブコマース機能「TikTok Shop」を活用し、動画起点による革新的な購買体験の提供を開始する予定とのことです。これにより、従来の書籍販売チャネルに加え、デジタル空間における新たな接点を創出します。

この取り組みは、以下のような明確な目的に基づいて展開されるとされています。

若年層へのリーチ強化:TikTokの主要ユーザー層である10代〜30代に向けて、児童書・知育絵本・実用書などの訴求力を向上させます。従来のマーケティング手法では接点を持ちにくかった若年層に対し、彼らの日常的に利用するプラットフォーム上で自然な形での接触機会を創出します。

動画×ライブ配信による訴求力の向上:書籍の世界観を視覚的・感情的に届け、購買意欲を効果的に喚起します。テキストや静止画では伝えきれない書籍の魅力や使い方を、動画という媒体の特性を活かして訴求することが可能になります。

ECチャネルの多様化と新規顧客獲得:SNS内で完結するシームレスな購買体験により、偶発的な発見や衝動買いを促進します。「見る」「知る」「買う」というカスタマージャーニーをスムーズにつなげることで、従来のEC販売では獲得できなかった層の取り込みを目指します。

インフルエンサーやUGCとの連携:教育系クリエイターや親子インフルエンサーとの協業で、信頼性と拡散力を両立させます。実際の利用者による生の声や活用シーンを共有することで、潜在顧客の背中を押す強力な訴求ポイントとなります。

出版業界のデジタルシフト対応:紙媒体中心から、デジタル/SNSマーケティングへのシフトに向けた基盤構築を進めます。変化する消費者の情報収集・購買行動に合わせたマーケティング手法の刷新により、業界全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させます。

TikTok Shopとは

TikTok Shopは、ショート動画やライブ配信を通じて、視聴と購入をシームレスにつなぐ"体験型ECプラットフォーム"です。エンタメ性、即時性、双方向性を備えた次世代の購買体験として、世界中で急速に普及しており、特に若年層に強く支持されています。

従来のECサイトとは異なり、エンターテインメントとしての動画視聴体験から自然な形で購買へと導線が設計されているため、ユーザーにとって心理的障壁が低く、直感的な購買決定を促す特徴があります。また、ライブ配信機能を活用することで、視聴者からの質問にリアルタイムで回答したり、商品の詳細を臨場感をもって伝えたりすることが可能です。

AMNは、このTikTok Shopを活用した動画×EC戦略をいち早く取り入れ、企業のマーケティングDXを共に推進するパートナーとして、出版業界に限らず多様な業界で支援を行っています。特に若年層とのコミュニケーション構築に課題を抱える企業にとって、新たな顧客接点を創出する有効な手段として注目されています。

AMNによる主な支援内容

今回の東京書店のTikTok Shop展開に際し、AMNは総合的な支援を実施しているとのことです。単なるプラットフォーム出店だけでなく、効果的な運用までをトータルでサポートする包括的なアプローチが特徴です。具体的な支援内容は以下の通りです。

これらの支援を通じて、東京書店は従来のマーケティング活動では到達が難しかった層へのアプローチを可能にし、書籍販売における新たな可能性を切り開くことが期待されています。特に、デジタルネイティブ世代にとって自然な情報収集・購買行動に沿ったマーケティング展開により、若年層の読書離れという業界課題への対応も視野に入れた取り組みとなっています。

ライブ配信の企画・運営支援

TikTokに精通した専門チームが、書籍の魅力を最大化するライブ演出を設計し、双方向型の参加体験を創出します。単なる商品紹介にとどまらない、視聴者を巻き込むインタラクティブなコンテンツ設計により、エンゲージメント向上と購買意欲の喚起を実現します。

ショート動画制作支援

TikTokのアルゴリズム特性と共感設計を踏まえ、"感情を動かす動画"を制作し、購買導線を自然に形成します。単に商品情報を伝えるだけではなく、視聴者の感情に響く物語性のあるコンテンツを提供することで、高い共感と拡散を生み出す動画制作をサポートします。

TikTok限定キャンペーンの企画・実行

フォロワー限定のライブセールや特典付き施策など、視聴と購入を一体化するキャンペーンでコンバージョンを最大化します。TikTokというプラットフォームの特性を活かした独自の販促施策を展開し、従来の販売チャネルとは異なる購買体験を提供することで、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤリティ向上を目指します。

今後の展望

ショート動画を起点とした購買体験は、すでに次世代ECの主戦場となりつつあります。AMNは「ショート動画×EC×ファンエンゲージメント」を軸に、今後もさまざまな業種への横展開を強化していく方針だと伝えられています。ソーシャルメディアの進化とともに変容する消費者行動に対応し、新たな購買体験の創出を支援していくとのことです。

とりわけ出版業界におけるTikTok活用は黎明期にあり、東京書店との連携によって蓄積したノウハウは、教育、ライフスタイル、美容、食品分野など多角的な事業展開にも応用可能であると考えられています。異なる業界においても、商品やサービスの魅力を短時間で効果的に伝え、購買行動につなげるという基本構造は共通しており、業界特性に合わせたカスタマイズにより幅広い展開が期待できます。

AMNが掲げる重要なメッセージは以下の通りです。

  • ショート動画が、商機になる。
  • ファンとのつながりが、資産になる。
  • ブランドの物語が、買いたくなる理由になる。

これらの考え方は、単なるマーケティング手法の変更にとどまらず、企業と顧客の関係性構築における本質的な変革を示唆しています。一方的な情報発信から双方向のコミュニケーションへ、機能訴求から感情的なつながりへと、マーケティングのパラダイムシフトが進む中、AMNはその最前線に立ち、"動画が企業を動かす時代"の変革パートナーとして、今後もさらなる成長と価値創出を目指していくとのことです。

今回の東京書店とのプロジェクトは、出版業界における新たなマーケティングモデルの構築という側面だけでなく、日本企業全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させる取り組みとしても注目されています。従来型の販売手法からの脱却と、次世代消費者とのコミュニケーション構築という二つの課題に同時にアプローチする意欲的な試みと言えるでしょう。

出典元:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 プレスリリース

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