
クレジットカード決済などの不正利用対策ソリューションを提供する株式会社アクル(本社:東京都港区、代表取締役社長:近藤 修)が、株式会社パル(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:小路 順一)の公式オンラインストア「PAL CLOSET」へ「ASUKA-3DS」の提供を開始したことが発表されました。
ASUKA-3DSは、リスクの高い取引のみにEMV 3-Dセキュア(以下、「3DS」)本人認証を適用する柔軟な設計と、モーダル型UIによるスムーズな認証体験を実現するサービスです。ユーザー体験を損なうことなく3DS義務化に対応できる点が評価され、今回の導入に至ったとのことです。
導入の背景
クレジットカードの不正利用は日本国内における深刻な社会課題となっています。2024年におけるクレジットカードの番号盗用被害額は約513億円に達し、毎年この不正利用被害金額は増加傾向にあります。
こうした動向を踏まえ、経済産業省は2023年3月に「クレジットカード・セキュリティガイドライン【4.0版】」を発表し、2025年3月末を期限としてECカード加盟店における3DSの導入を原則義務化する方針を示しました。
この方針により、2025年4月以降はEC業界全体としてセキュリティ水準の底上げが期待されている一方、3DSはECサイト利用者に本人認証の操作を要求することがあるため、ECカード加盟店では利便性の低下や購入プロセス中の離脱といった課題が懸念されています。
「PAL CLOSET」では、こうした社会的背景や対応の必要性を踏まえつつも、ECサイト利用者がスムーズに買い物を完了できる体験を損なわないことを重視しているとのことです。ユーザー離脱リスクを最小限に抑えながら高いセキュリティを実現するため、アクルの本人認証サービス「ASUKA-3DS」を導入することになりました。
*1 一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」より
*2 経済産業省「クレジットカード・セキュリティガイドライン【4.0版】 2023年3月
(最新版は2025年3月発表の【6.0版】です)
クレジットカード不正利用の現状と対策の重要性
クレジットカードの不正利用は年々増加しており、消費者と事業者双方に大きな被害をもたらしています。特にECサイトでは、対面取引と異なり、カード所有者本人かどうかを確認することが難しいため、不正利用のリスクが高まっています。
3DS認証は、カード会員がオンラインショッピングを行う際に、追加の認証ステップを要求することで、不正利用を防止するための重要な技術です。しかし、すべての取引に対して認証プロセスを要求すると、ユーザー体験の低下や購入プロセスからの離脱につながる可能性があります。
「ASUKA-3DS」の特徴は、すべての取引ではなく、AIによってリスクが高いと判断された取引のみに3DS認証を適用することで、セキュリティと利便性のバランスを取っている点にあります。また、モーダル型UIを採用することで、ユーザーがサイトから離れることなく認証プロセスを完了できるようになっています。
経済産業省が示した3DS義務化の方針は、EC業界全体のセキュリティ水準を向上させるための重要なステップですが、各事業者にとっては実装方法が課題となっています。「ASUKA-3DS」のような柔軟な設計のサービスを導入することで、セキュリティ強化とユーザー体験の両立が可能になります。
ECサイトにおける不正対策の重要性
ECサイトの運営者にとって、不正取引による損失は直接的な金銭的被害だけでなく、顧客信頼の喪失やブランドイメージの低下にもつながります。特に、アパレルや雑貨などの小売業では、利益率が限られているため、不正取引による損失は経営に大きな影響を与える可能性があります。
「PAL CLOSET」のような大規模ECサイトでは、日々多くの取引が行われており、不正取引を手動で監視・対応することは現実的ではありません。AIを活用した自動監視システムの導入は、効率的かつ効果的な不正対策の実現に不可欠です。
また、不正対策は単に被害を防ぐだけでなく、安全なショッピング環境を提供することで顧客満足度を高め、リピート購入を促進するという側面もあります。顧客は自分の個人情報やクレジットカード情報が安全に扱われていると感じることで、安心してショッピングを楽しむことができます。
「ASUKA-3DS」の導入は、「PAL CLOSET」がこうした顧客視点に立った不正対策を実施する姿勢を示すものと言えます。ユーザー体験を損なわずにセキュリティを強化することで、顧客満足度の向上と事業の持続的な成長を両立させる取り組みとなっています。
会社概要
株式会社パルについて
株式会社パルは、3COINSやCIAOPANIC TYPY、BEARDSLEYなどをはじめ、50以上のブランドを擁し、グループで1,000以上の店舗を運営するアパレル企業です。
「PASSIONとLOVE」をコーポレートメッセージとして、店舗・ECサイト・SNSなど幅広いフィールドで新たなファッションライフを創造し続けています。
「PAL CLOSET」はパルグループの雑貨・アパレル製品を購入できるECサイトです。
株式会社パル
本社所在地 大阪市中央区道修町3丁目6番1号 京阪神御堂筋ビル10階
代表取締役社長 小路 順一
事業内容 婦人服・紳士服・雑貨等の企画・製造及び卸・小売
「ASUKA」について
「ASUKA」は、クレジットカード業界において必須とされる、クレジットマスター・大量アタック対策、第三者不正利用対策としての属性行動分析・不正配送先住所との照合、EMV 3-Dセキュアの本人認証サービス、不正ログイン対策など、総合的なセキュリティ対策を実現できるサービスです。
物販ECをはじめ、旅行商材、サービス商材など45,000サイト以上のカード加盟店に導入されています。
株式会社アクル
本社所在地 東京都港区六本木1−9−9
代表取締役社長 近藤 修
事業内容 クレジットカード不正対策ソリューション、チャージバック保証、集客支援サービス他
出典元:株式会社アクル プレスリリース