【調査結果】Google検索のAI Overview、若年層の43%が利用経験あり - 情報の正確性に懸念も

オルグロー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:南永一)は、Googleの検索結果に表示されるAI生成の要約機能「AI Overview」に関する利用実態調査を実施したことを発表しました。この調査では、国内在住の男女を対象としたアンケートを通じて、AI Overviewの認知度や利用状況、評価、懸念点などを明らかにしています。

調査の結果、AI Overviewが日本のインターネットユーザーに浸透しつつある実態が明らかになった一方で、年代による利用傾向の違いや、AI生成情報に対するユーザーの具体的な懸念点が浮き彫りとなったとのことです。

調査概要

調査名: AI Overviewに関する利用実態調査
調査目的: Google検索結果に表示されるAI生成の要約機能(AI Overview)および関連するAI技術に対するユーザーの認知度、利用状況、評価、懸念点を明らかにすること
調査期間: 2025年5月15日
調査対象: 日本国内に住む15歳~99歳の男女
有効回答数: 1000名(男性500名、女性500名)
調査方法: インターネット調査
調査委託先: アイブリッジ株式会社

アンケート詳細

AI Overviewの認知度

Q1: Googleの検索結果ページに、AI(人工知能)が文章を生成して情報の要約や質問への回答を表示する機能(AI Overview)があることをご存知ですか。(SA)

AI Overviewの認知度グラフ
AI Overviewの認知度グラフ2
  • AI Overviewの存在を知っており、実際に見た/利用した経験があるのは全体の24.5%だったことがわかりました。年代別では10代が最も高く43.0%となり、年代が上がるにつれて低下する傾向が見られています。
  • 「機能の存在は知っているが見た/利用したことはない」と回答した人が21.8%、「存在は知らなかったがAIらしき要約を見たことがある」という人が10.8%で、何らかの形でAIによる要約に触れた可能性のある人は半数を超えているとのことです。
  • 一方で、「存在も知らず、見たこともない」という層も42.9%存在し、特に50代以上でその割合が高くなっていることが明らかになりました。

「はい、機能の存在を知っており、実際に見たことがある/利用したことがある。」(以下「認知・利用層」)と回答したのは24.5%(245人)。
「はい、機能の存在は知っているが、実際に見たことはない/利用したことはない。」(以下「認知・未利用層」)は21.8%(218人)。
「いいえ、機能の存在は知らなかったが、検索結果などでAIによるものらしき要約や回答を見たことはある(それがAIだとは認識していなかった)。」(以下「AIとは認識せず閲覧層」)は10.8%(108人)。
これら3つの層を合わせると、何らかの形でAI Overviewに接触または認知しているのは57.1%となります。一方で、「いいえ、機能の存在も知らなかったし、検索結果などでAIによるものらしき要約や回答を見たこともない。」という層も42.9%(429人)存在したとのことです。

性年代別

AI Overview認知度の性年代別グラフ
  • 認知・利用経験10代が最も高く43.0%が「見たことがある/利用したことがある」と回答しています。20代(32.0%)、30代(30.5%)と続き、年代が上がるにつれて低下し、60代以上では11.0%となったことが調査で明らかになりました。
  • 非認知「機能の存在も知らなかったし、見たこともない」割合は、年代が上がるほど高くなり、60代以上では57.0%となっているとのことです。

AI Overviewの閲覧頻度

Q2: AIによる要約や回答が検索結果に表示された場合、あなたはどのくらいの頻度でそれを読みますか。(SA) (対象: Q1で1または3と回答した人 N=353)

※ Q1の認知・利用層(245人)、AIとは認識せず閲覧層(108人)の合計353人が対象。

AI Overview閲覧頻度グラフ
AI Overview閲覧頻度グラフ2
  • AI Overviewが表示された場合、「ほぼいつも読む」が26.63%、「内容によって時々読む」が50.71%と、表示されれば読む層が77%以上を占めていることがわかりました。

AI Overviewの利用項目

Q3: 検索結果にAIによる要約や回答(AI Overviewなど)が表示された際、その中であなたが利用(クリック、確認、操作など)したことのある項目について、当てはまるものをすべてお選びください。(MA) (対象: Q1で1または3と回答した人 N=353)

AI Overview利用項目グラフ
AI Overview利用項目詳細グラフ
  • AI Overviewが表示された際、最も利用された項目は「AIが生成した要約の本文を読む」(59.77%)でした。次いで「引用元/参照元のウェブサイトへのリンクをクリック」(28.33%)、「『他の質問』や『関連する質問』として表示された、フォローアップの質問をクリックしたことがある」(22.10%)と続いていることが調査結果から明らかになっています。

AI Overviewの行動喚起

Q4: あなたは、検索結果に表示されたAIによる要約や回答(AI Overviewなど)をきっかけとして、以下のような行動をとったことがありますか?当てはまるものをすべてお選びください。(MA) (対象: Q1で1または3と回答した人 N=353)

AI Overviewからの行動グラフ
AI Overviewからの行動詳細グラフ
  • AI Overviewをきっかけとした行動では、「AIが生成した要約の本文を読む」(53.54%)が最多となりQ3の結果と整合していることがわかります。次いで「表示された情報源(ウェブサイト)を訪れ、さらに詳しい情報を読む」(27.76%)となっているとのことです。

AI Overviewの有用性

Q5: AIによる検索結果の要約や回答は、あなたが情報を探す上で役立つと思いますか(役立ちそうだと思いますか)。(SA) (対象: Q1で1または2または3と回答した人 N=571)

※ Q1の認知・利用層(245人)、認知・未利用層(218人)、AIとは認識せず閲覧層(108人)の合計571人が対象。

AI Overview有用性グラフ
AI Overview有用性詳細グラフ
  • AI Overviewが「非常に役立つと思う」(14.36%)、「ある程度役立つと思う」(52.54%)を合わせると66.9%が有用性を感じていることが明らかになりました。

AI Overviewの信頼性

Q6: AIが生成した検索結果の情報の信頼性について、あなたはどのように感じますか(感じそうですか)。(SA) (対象: Q1で1または2または3と回答した人 N=571)

AI Overview信頼性グラフ
AI Overview信頼性詳細グラフ
  • 信頼性については、「非常に信頼できる」(5.43%)、「ある程度信頼できる」(44.13%)を合わせて約半数が信頼できると回答していることがわかりました。

AI検索に関する懸念点

Q7: AI検索やAIによる検索結果の要約について、何か懸念する点や不安に思うことはありますか。(MA) (対象: Q1で1または2または3と回答した人 N=571)

AI検索懸念点グラフ
AI検索懸念点詳細グラフ
  • 最も多い懸念点は「情報が本当に正確なのかどうか」(47.64%)だったことが明らかになりました。次いで「情報源がどこなのか不明確な場合があること」(36.43%)、「AIの判断によって内容が偏っている可能性があること」(34.33%)となっています。
  • AI Overviewの信頼性評価が低い層ほど、「情報が本当に正確なのか」「情報源が不明確」といった懸念を抱く割合が高くなっていることがわかったとのことです。

生成AIツールの利用状況

Q8: あなたは、ChatGPT、Gemini、Claudeのような、質問応答や文章生成ができるAIツールを、検索エンジンの代わりに情報収集や疑問解決の目的で利用することはありますか。(SA) (対象: 全員 N=1000)

生成AIツール利用状況グラフ
生成AIツール利用状況詳細グラフ
  • ChatGPTなどの生成AIツールを「頻繁に利用している」のは5.7%、「時々利用している」のは16.0%となっています。10代、20代で利用経験(試したことがある以上)の割合が高くなっていることが調査で明らかになりました。
  • 生成AIツールを「頻繁に利用している」層は、AI Overviewの有用性を「非常に役立つ」と評価する割合が60.8%と極めて高く、信頼性についても「非常に信頼できる」が37.3%、「ある程度信頼できる」が47.1%と高い評価をしていることがわかったとのことです。

クロス集計

AI Overviewの情報の信頼性 (Q6) と AI検索に関する懸念点 (Q7)

(対象: Q1で1,2,3と回答した人 N=571)

信頼性と懸念点クロス集計
  • AI Overviewの情報を「非常に信頼できると感じる」層(N=31)でも、「情報が本当に正確なのかどうか」(54.8%)、「情報源がどこなのか不明確な場合があること」(35.5%)、「AIの判断によって内容が偏っている可能性があること」(38.7%)といった懸念を抱いていることが明らかになりました。
  • 「あまり信頼できないと感じる」層(N=67)では、「情報が本当に正確なのかどうか」(41.8%)の懸念は他層と比較してやや低いものの、「要約だけを見てしまい、元の詳しい情報源を見なくなること」(41.8%)という懸念が顕著に高い結果となったとのことです。
  • 「全く信頼できないと感じる」層(N=12)では、「情報が本当に正確なのか」(50.0%)、「AIの判断によって内容が偏っている」(41.7%)といった懸念を抱く割合が高くなっていることがわかりました。
  • 「まだよくわからない」層(N=30)は、「特に懸念や不安はない」が46.7%と非常に高く、他の懸念項目はいずれも低い結果でした。これは、まだ評価軸が定まっていないためと考えられるとのことです。

全体的に「情報の正確性」「情報源の不明確さ」「内容の偏り」が主要な懸念点となっています。信頼度が高い層でもこれらの懸念は存在しており、AI生成情報に対する根本的な課題意識がうかがえます。「あまり信頼できない」層は、要約による情報取得の浅薄化を特に懸念している点が特徴的だと調査結果は示しています。

ChatGPTなど生成AIツールの利用状況 (Q8) と AI Overviewの信頼性評価 (Q6)

(Q6対象: Q1で1,2,3と回答した人 N=571)

生成AIツール利用状況と信頼性クロス集計
  • 生成AIツールを「頻繁に利用している」層(Q6対象者内のN=51)は、AI Overviewの信頼性について「非常に信頼できると感じる」が37.3%、「ある程度信頼できると感じる」が47.1%と、合わせて84.4%が信頼性を高く評価していることがわかりました。
  • 「時々利用している」層(Q6対象者内のN=140)でも、「非常に信頼できる」(4.3%)、「ある程度信頼できる」(61.4%)と、計65.7%が信頼性を評価したとのことです。
  • 「試したことはあるが、現在はほとんど利用していない」層(Q6対象者内のN=144)では、信頼性の肯定評価は計43.1%(非常に信頼できる2.1%、ある程度信頼できる41.0%)まで低下し、「あまり信頼できない」(19.4%)、「全く信頼できない」(2.8%)といった否定的な評価が増える結果となったことが明らかになっています。
  • 「利用したことはないが、興味はある」層(Q6対象者内のN=137)では、信頼性の肯定評価は計45.3%(非常に信頼できる2.2%、ある程度信頼できる43.1%)でした。
  • 「利用したことはなく、あまり興味もない」層(Q6対象者内のN=99)では、信頼性の肯定評価は計24.2%(ある程度信頼できる24.2%)と最も低く、「どちらともいえない」(36.4%)、「まだよくわからない」(22.2%)の割合が高くなっているとのことです。

生成AIツールの利用頻度が高いほど、AI Overviewの信頼性も高く評価する傾向があることが調査結果から明らかになりました。頻繁利用層はAIの能力と限界を理解した上で信頼を置いている可能性があり、一方で、生成AIに関心がない層は、AI Overviewの信頼性に対しても懐疑的、または判断を保留していることが見て取れるとのことです。

結論と考察

今回の調査では、Google検索のAI Overview機能は、特に若年層を中心に認知・利用が進んでいるものの、まだ全世代に浸透しているとは言えない状況が明らかになったとオルグロー株式会社は報告しています。AI Overviewを「実際に見た/利用したことがある」または「AIとは認識せずAIらしき要約を見たことがある」層(全体の35.3%)に限定すると、その多くが表示されれば内容を読む傾向にあり、AIが生成した本文の閲覧や、さらに詳しい情報源へのアクセスといった行動につながっていることがわかります。

AI Overviewの存在を何らかの形で認知している層(全体の57.1%)においては、過半数がその有用性を評価しているとのことです。特に、実際にAI Overviewを体験した層ほど、有用性を高く評価する傾向が見られました。

一方で、AI生成情報に対する「情報の正確性」「情報源の不明確さ」「内容の偏り」といった懸念は根強く、信頼性評価は有用性評価ほど高くないことが明らかになっています。この点は、AI Overviewの普及と定着に向けた大きな課題になりそうだと指摘されています。

生成AIツールを積極的に利用しているユーザー層ほど、AI Overviewに対しても有用性・信頼性共に高い評価を与えている点は興味深い点だとオルグロー株式会社は述べています。これは、AI技術全般への理解や受容度が、個別のAI機能への評価にも影響を与えている可能性を示唆しているとのことです。

調査概要

調査名: AI Overviewに関する利用実態調査
調査目的: Google検索結果に表示されるAI生成の要約機能(AI Overview)および関連するAI技術に対するユーザーの認知度、利用状況、評価、懸念点を明らかにすること
調査期間: 2025年5月15日
調査対象: 日本国内に住む15歳~99歳の男女
有効回答数: 1000名(男性500名、女性500名)
調査方法: インターネット調査
調査委託先: アイブリッジ株式会社

オルグロー株式会社について

法人名:オルグロー株式会社
所在地:〒150-0045 東京都渋谷区神泉町10-10 VORT渋谷神泉ビル 6階
代表:代表取締役社長 南 永一

出典元: オルグロー株式会社 プレスリリース

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