
株式会社ビズヒッツ(本社:三重県鈴鹿市、代表取締役:伊藤 陽介)が、全国の男女500人を対象に「食費の節約術に関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング形式でまとめました。
物価上昇により節約志向が高まっている昨今、多くの家庭で食費をいかに抑えるかが関心事となっています。すでに節約を意識していても、さらに効果的な方法を模索している人も多いのではないでしょうか。
同社が運営するBiz Hits副業マッチングサービスでは、全国の男女500人に対して「食費の節約術」についてのアンケート調査を実施。その結果をランキング形式で公開しました。なお、調査結果については、管理栄養士の金丸利恵氏による考察も寄せられています。
この記事の目次
調査概要
調査対象:全国の男女
調査期間:2025年4月7日~10日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性354人/男性146人)
回答者の年代:10代 0.8%/20代 19.4%/30代 37.8%/40代 21.0%/50代 17.4%/60代以上 3.6%
調査結果サマリー
・食費の節約術1位は「まとめ買いをする」
・安くてよく買う神食材は「もやし」
・一人1ヶ月あたりの食費は2万595円
・これだけは節約できない食費項目は「お菓子」
食費の節約術1位は「まとめ買いをする」
全国の男女500人に「食費の節約術」について質問したところ、最も多かった回答は「まとめ買いをする(45.6%)」でした。2位は「見切り品を買う(17.8%)」、3位は「特売日に買う(14.2%)」という結果になっています。
食料品を購入する際に工夫している人が多いことがわかりました。「まとめ買い」「見切り品購入」「特売日利用」「安いスーパー選び」など、より安く食料品を購入するための工夫が上位を占めています。
1位 まとめ買いをする
・週末に日持ちする食材をまとめて買う(20代 男性)
・週2回まとめて買い物するようにしている。お肉も多く買って、分けて冷凍する(30代 女性)
まとめ買いを実践する理由として多く挙げられたのは「買い物回数を減らすことで、無駄な出費を抑える」というものでした。
最近の冷蔵庫や冷凍庫は性能が良くなっているため、週末などにまとめて食材を購入しても、美味しく冷凍保存することができます。買い物の頻度を減らすことで、ついで買いや衝動買いの機会も減らせるという効果もあるようです。
2位 見切り品を買う
・おつとめ品を買い、冷凍保存して食費を抑える(40代 女性)
・いつも利用しているスーパーが、夜8時から惣菜やパンなどを半額にするので、その時間帯を狙って買いに行く(60代以上 男性)
賞味期限や消費期限が近づいた食品は、「見切り品」「おつとめ品」などとして割引価格で販売されることが多いです。スーパーなどでは、夕方になるとお惣菜が半額になるケースも多く、そのタイミングを狙って購入する人も少なくありません。
期限内に消費すれば品質に問題のない割引商品をうまく活用することで、節約効果を高めている人が多いことがわかりました。
3位 特売日に買う
・セールの時に調味料など高い食品を買うこと(20代 男性)
・スーパーの特売が曜日ごと・日付ごとなので、特売日をスケジュールに組み込み、1か月の買い物計画を練っている(30代 女性)
スーパーなどでは毎月特定の日や曜日に特売日が設けられていることが多くあります。こうした特売日の商品を狙って購入することで節約している人も多いようです。
「○曜日は○○スーパーで野菜が安くて、○曜日は○○スーパーでお肉が安い」など、各スーパーの特売情報をしっかりと把握し、買い物行動を計画的に行っている人もいました。
4位 かさ増し食材を買う
・とにかくかさ増し。ハンバーグは豆腐をいれてかさ増しし、肉と一緒にもやしを炒めるなど(30代 女性)
・汁ものにうどんや餅を入れて、腹持ちするかさ増し料理にする(40代 女性)
食材をかさ増しすることで、費用を抑えつつも食事量を確保し、満足感を得られる工夫をしている人もいます。
具体的には「ハンバーグを作る際に、ひき肉に豆腐を混ぜる」「炒め物にもやしを加えてかさ増しする」といった方法が挙げられていました。かさ増しに使用する食材によっては、栄養バランスの向上にもつながる可能性があります。
5位 安いスーパーで買う
・安いスーパーやネットショップで食材を購入する(30代 女性)
・一駅歩いて、安い地域まで買い出しに行っています(60代以上 女性)
より価格の安いスーパーやネットショップを選んで買い物をしている人も少なくありません。移動に時間や労力がかかっても、価格が安いスーパーまで足を運ぶという努力をしている人もいます。
どの店舗が安いのかを把握するための情報収集力が重要なポイントとなるようです。
6位 安い食材を選ぶ
・乾物と鶏胸肉を使って節約する(20代 女性)
・先にメニューを決めるのではなく、スーパーの特売野菜などを買ってからメニューを考えるようにしてます。効率よく節約できる気がします(30代 女性)
・米を買うのをやめ、安く売っているパスタや焼きそばなど、他のものを主食にしました(50代 男性)
あらかじめメニューを決めてから買い物に行くのではなく、スーパーで安く売られている食材を購入してから献立を考えるという方法も挙げられています。
近年はレシピサイトやSNSで食材名を検索するだけで、多様なレシピが簡単に見つかるようになりました。
また、鶏むね肉や乾物、パスタ、うどんなど、比較的安価な食材を中心に使用して献立を組み立てている人も多くいました。
7位 食材を使い切る
・大根の葉も食べる(20代 男性)
・2~3日で使い切れる食材だけを購入する。1週間分だと、予定が変わってしまうと余ったり傷んだりするので(40代 女性)
廃棄される食品を減らすことで無駄をなくし、節約につなげる工夫も見られました。
1位の「まとめ買い」とは反対のアプローチになりますが、「使い切る」という視点から考えて、あえて小分けで購入している人もいます。また、一見割高に思えるミールキットを活用することで、結果的に食品ロスが減って節約につながったという例も報告されています。食費節約の方法は家庭の状況によって様々であり、一つの正解ではないことがわかります。
「大根の葉」「にんじんの皮」「ブロッコリーの茎」など、通常捨ててしまいがちな部分まで活用している人もいました。食品ロス削減だけでなく、「栄養価の高い部分を無駄にしない」という健康面でのメリットも期待できます。
8位 作り置きをする
・週末に作り置きをして、平日に活用しています。冷凍レシピを調べ、お弁当のおかずにできるものを作り、なるべく食費がかからないように意識しています(30代 女性)
・お惣菜をまとめて作って、1食分ずつ冷凍する(50代 男性)
作り置きとは、時間に余裕のある休日などに数日分の料理を準備しておくことです。
電子レンジで解凍や再加熱するだけで食べられる状態にしておくことで、平日忙しい人でも外食や中食の頻度を減らすことができます。作り置きをお弁当に活用している人も多く見られました。
9位 リスト通り買い物をする
・土曜日に1週間分のレシピを考えて、必要な食材をメモして買い物にいきます。余分なものを買わないようにする節約です(30代 女性)
・1週間分の献立を考えて、買い足さなくても済むように、必要な食料のみを買いに行く(50代 女性)
買い物前に献立を考え、必要な食材だけをリスト化して購入することで、無駄な出費を防いでいる人もいます。「リストにある食材だけを買う」と決めることで、衝動買いを防止する効果があります。
計画的な購入は食材の使い切りにもつながり、食品ロス削減にも貢献します。
10位 自炊する
・お昼の弁当を購入せずに、自炊する(30代 男性)
・パンが好きで毎朝食べるのですが、最近高くなっているので、ホームベーカリーを活用して手作りパンを作っています(40代 女性)
外食やコンビニ利用を控え、自炊に切り替えることで、外食費を含めた食費全体を抑える工夫も見られました。外食は自炊と比較すると割高になりやすいためです。
具体的には「職場へのお弁当持参」や「パンの手作り」といった取り組みが報告されています。手間や時間はかかりますが、継続することで料理スキルが向上するなど、付加的な価値も生まれる可能性があります。
安くてよく買う神食材は「もやし」

「安くてよく買う神食材」についての質問では、圧倒的1位が「もやし(45.6%)」という結果になりました。2位は「豆腐(24.0%)」、3位は「きのこ類(7.6%)」が続きます。
・エノキは味噌汁・パスタ・炒め物など幅広く使えて安い。豆腐はお菓子やかさ増し食材としてよく使います。安いしヘルシーなのでありがたい(20代 女性)
・もやしと豆腐はヘルシーでかさもあり最高です!(30代 女性)
・プライベートブランドの納豆やお菓子がお得です。物価高なので、安いのに越したことはありません(40代 男性)
・鶏胸肉はメインメニューにもなるし、サブメニューも作れるので使い勝手がいい。しかも安いからよく使う(40代 女性)
もやしは価格の安さから、頻繁に購入している人が多い結果となりました。ごま油や鶏がらスープの素などで簡単に味付けするだけでナムルになり、炒め物に加えることでかさ増しにも使えるなど、使い勝手の良さも人気の理由です。
また、豆腐・納豆・厚揚げなどの大豆製品が「肉や魚の代わりになるタンパク源」「かさ増し食材」として多くランクインしているのも特徴的でした。
一人1ヶ月あたりの食費は2万595円

「一人1ヶ月あたりの食費」の平均値は2万595円という結果でした。最も多い回答層は1万円超2万円以下で、2万円前後が食費の平均的な金額であることがわかりました。
食費に差が生じる要因としては、「食へのこだわり」「家族構成や年齢、食欲の違い」「利用するスーパーの価格帯の違い」などが考えられます。また「お米や野菜を実家から送ってもらえる」など、家族からの支援によって食費が抑えられているケースもありました。
これだけは節約できない食費項目は「お菓子」

「これだけは節約できない」と感じる食費項目については、1位「お菓子(16.4%)」、2位「たまの外食(13.0%)」、3位「コーヒー(12.6%)」という結果になりました。
お菓子やコーヒーなど嗜好性の高い食品が上位を占めており、節約意識が高まる中でも、日常の小さな楽しみや満足感は維持したいと考える人が多いことがわかります。
また、米や調味料など食生活の基盤となる項目もランクインしており、「節約しつつも、主食の質や食事の満足度は下げたくない」という意識が見られます。
1位 お菓子
・たまに無性に甘い物が食べたくなるので、必要ないとは理解してはいても、スーパーでパック入りのケーキを定期的に買います(40代 女性)
・高カカオチョコレートを買うこと(50代 男性)
お菓子を「日常生活の中で手軽に得られる小さな贅沢」として位置づけている人が多いようです。そのため心の安定や気分転換のために、味や質にこだわる傾向が見られました。
ストレス解消やリラックス効果を得るために、単に安価なものではなく「少し高くても質の良いもの」を選ぶ人が多いことがわかります。「お菓子はやめられない」という回答も複数あり、お菓子を食べることが習慣となっている人も少なくないようです。
2位 たまの外食
・月に1回は焼肉を食べにいく(20代 女性)
・記念日のディナーは、少しリッチなお店にいく(20代 男性)
・お寿司を食べたくなったときの外食は、我慢しない(30代 女性)
節約志向があっても、時には外食を楽しみたいという意見も多く寄せられました。外食は「家事から解放される時間」や「大切な人と過ごす特別な時間」としての価値も持ち合わせているからです。
頻度を抑えつつも、時折の外食を楽しむことで気分転換やモチベーション維持につながっているようです。
3位 コーヒー
・ドリップコーヒーを買います。インスタントコーヒーの方が大容量でコスパがいいですが、やはりドリップの方が美味しいので。ドラッグストアのクーポンを使って購入しています(30代 男性)
・コーヒー豆は、気に入っている店舗で購入している(60代以上 男性)
コーヒーは日常生活に深く根付いた嗜好品で、欠かせないと感じる人も多くいます。「インスタントよりもドリップを選ぶ」「こだわりの豆を購入する」といった回答からは、味や香り、リラックス効果への重視が伺えます。
日々のリラックスタイムの一部としてコーヒーを重視し、節約の対象から外している人が多いことがわかりました。
4位 米
・お米は多少高くても、有名銘柄を購入します(40代 男性)
・お米は毎日食べるので、値上がりしても購入します(50代 男性)
日本においては、米は主食として重要な位置を占めており、多くの人が毎日何らかの形で摂取しています。毎日口にするものだからこそ、美味しさや安心感が重視される傾向にあります。
そのため価格が上昇しても、味や品質を妥協せず、好みのブランド米を継続して購入する人が多いようです。
5位 肉
・いい肉を少しだけ食べることで満足感を得る(20代 男性)
・タンパク源となる肉は豚肉。これだけは基本外せません。値段は多少張りますが、豚肉がなければ満足度が半減してしまいます(30代 男性)
・月1回は、すき焼きをします。お肉は高くても国産牛を選びます(50代 女性)
肉は食卓に満足感をもたらし、栄養バランスを整える重要な食材です。タンパク源として重視する声もありましたが、「良質な肉を食べる満足感」「肉料理を味わう喜び」を大切にしている人が多いようです。
量を控えめにしても、質の高いお肉であれば満足できるという意見も見られました。
まとめ
今回の調査では、多くの人が「まとめ買い」「見切り品の活用」などで食費を抑える工夫をしていることがわかりました。また、もやしや豆腐などかさ増しに活用できる食材や、肉・魚の代替となる比較的安価な大豆製品や卵を活用している人も多くいます。
一方で、生活の楽しみや食生活の基盤となる項目については、価格が高くてもこだわりを持ち続けている人も少なくありません。節約だけを追求するのではなく、小さな贅沢や満足感を適度に取り入れることが持続可能な節約生活につながると考えられます。
また、子どもが口にするものについては特にこだわるという意見も多く、親としての愛情が感じられる結果となりました。
金丸利恵氏の考察
まとめ買いは、使う分を小分けにして冷凍することで、調理時間や買い物の時間も節約でき、効率的です。一方、特売日や安いスーパーでの購入も同様ですが、買いすぎて使い切れなくなることがないよう、計画的な購入を心がけましょう。食材ロスが最も無駄遣いにつながります。
神食材として人気の「もやし」は安定した安さが魅力ですが、実は栄養面でも優れており、ビタミンやミネラル、食物繊維などを含んでいます。
節約できない食費1位のお菓子は、コーヒーやアルコールと同様に心の栄養となるものです。「少し高めでも質の良いものを適度に楽しむ」という選択が賢明と言えるでしょう。
米や肉、調味料など体を作る食材にお金をかけることは、将来の健康への投資とも考えられます。食費は抑えたいところですが、「食べたもので体はできている」という考えも大切にし、予算面でも栄養面でもバランスを重視することが大切です。
監修者紹介

金丸利恵(かなまるりえ)
管理栄養士
分子栄養学指導認定カウンセラー
スパイスコーディネーターマスター
食生活アドバイザー2級
栄養コラムの執筆やレシピ監修、オンライン料理教室、およびダイエットカウンセリングなどを開催。栄養的視点をもとに作った、無理なく続けられる美味しいレシピや、実践的な生活習慣改善を提案し、食からの健康をサポートしています。
出典元: 株式会社ビズヒッツ プレスリリース