リモートワーク時代の服装事情調査:男女・勤務形態で異なる「ちょうどいい」の基準

株式会社LASSIC(ラシック)(東京本社:東京都港区、代表取締役社長: 若山幸司)が運営する「場所に依存しない働き方」を推進・支援する情報発信WEBメディア「テレワーク・リモートワーク総合研究所(テレリモ総研)」は、『リモートワークと服装』をテーマにしたアンケート調査を実施したことが発表されました。

リモートワークが一般化したことで、ビジネススーツの販売不振に関するニュースが見受けられるようになっています。出社回帰の流れがある現在でも、従来と比較するとスーツ姿の働く人々は減少傾向にあるようです。

フォーマルな服装から解放され選択肢が広がった一方で、「気持ちが緩んでしまう」「仕事とプライベートの切り替えが難しい」という声も聞かれます。
現代の働く人々は、仕事時の服装についてどのような考えを持っているのでしょうか?

このような疑問から、テレワーク・リモートワーク総合研究所では「リモートワーク時代の服装事情」について詳細な調査を実施したとのことです。

服装の選び方もアップデート? 働き方で変わるオンオフの境界線!

調査ではまず「あなたが仕事着にかけている金額は、月平均いくらぐらいですか?」という質問が行われました。その結果は以下の通りです。

仕事着にかけている金額(男女別)

調査結果によると、女性回答者は「1,000円以上~1万円未満」の中価格帯に55.1%と過半数の回答が集中しているそうです。一方、男性はこの価格帯の回答が49.2%と半数以下にとどまり、むしろ1万円以上の高価格帯を選択する割合が女性より多い傾向が見られました。

このデータから、男性は比較的高価格でも「これだ」と思える一着に投資する一点集中型の服選びをする傾向があると考えられます。対照的に女性は、様々なシーンや気分に合わせた複数のバリエーションを効率的に選び、着回しやすさや印象の切り替えを重視していることがうかがえます。

こうした男女差に加え、勤務形態によっても服装への投資額に違いがあるのか分析されています。

仕事着にかけている金額(勤務形態別)

このグラフから明らかなように、フルリモート勤務者の過半数が月1,000円未満の低価格帯を選択しています。これに対して、フル出社の勤務者は1,000円~5,000円未満の回答が中心となっています。また、1万円以上の高価格帯を選んだ人の割合もフルリモート勤務者と比較して約2倍となっており、オフィスに通勤する人々は服装にもある程度の投資を行う傾向が見られるとのことです。

これらの結果を踏まえ、「あなたは普段、どんな服装で仕事していますか?」という質問への回答も分析されました。以下がその結果です。

普段の仕事服装(男女別)

男性回答者は「ビジネススーツ(36.4%)」や「ビジネスカジュアル/ジャケット着用(22.7%)」など、他者との対面を意識した正式な服装を選ぶ傾向が強いことがわかります。

対照的に女性回答者の「オフィスカジュアル」選択率は57.3%で、男性の約2倍となっています。これは、過度に堅苦しくなく、かつ清潔感も保たれた、適度にリラックスしたスタイルを上手に取り入れている傾向を示していると報告されています。

さらに勤務形態別に服装の選択を見てみましょう。

普段の仕事服装(勤務形態別)

フルリモートとフル出社のどちらのグループでも「オフィスカジュアル」が1位となりましたが、2位以降には顕著な差異が見られるとのことです。フル出社している回答者は「制服」「ビジネススーツ」など、従来のドレスコードを維持している一方、リモートワーカーは「Tシャツ&ジーンズ(22.8%)」「ジャージ・スウェット(20.6%)」など、自宅という環境の特性を活かした「ちょうどいい」服装を選択する傾向にあるようです。

特筆すべきは「パジャマ」と回答した人の割合です。フル出社では僅か0.8%(ゼロではないことに驚きですが)にとどまる一方、フルリモート勤務者では10.6%もの人が寝間着姿で業務に取り組んでいるという結果が出ています。

しかし同時に、フルリモート勤務者の中にも「ビジネススーツ(6.1%)」「会社指定の制服(3.9%)」と回答した方がいることも見逃せません。数は少ないながらも、リモート環境でもあえて気持ちを引き締めたり、仕事モードへの切り替えのために、きちんとした服装を選択する人々も存在しているようです。これは、ビデオ会議でのコミュニケーションを重視する意識や、自分自身へのプロフェッショナリズムの表れかもしれないと分析されています。

堅すぎず、ラフすぎず。選ばれるのは"ちょうどいい"服装のようです!

リモートワークが働き方の選択肢として定着した現代社会では、働く場所だけでなく、仕事時の服装にも大きな変革が起きています。服装の自由度が拡大したことにより、より自分らしく、快適に業務に取り組めるスタイルを選択する人々が増加しているようです。

特にオフィスカジュアルは、多くの働く人々から支持される定番スタイルとなったと報告されています。この背景には、企業側のドレスコードの見直しや柔軟な対応が進んでいることも関係していると考えられます。かつてはビジネススーツの着用が当然視されていた業界や職種においても、オンライン会議やリモートワークが一般化するにつれて、「清潔感は維持しつつも、個性や快適さも大切にしたい」という考え方を持つ働く人々は確実に増加しているとのことです。

着用する服装によって仕事の効率性や生産性が変化するという認識も広がりつつある中、パジャマで仕事をするという選択肢も生まれる時代となりました。このような変化は今後も継続し、拡大していくと予想されています。性別や年齢層、勤務形態など、それぞれの働き方や価値観に適した服装の選択が尊重される社会へと移行していくでしょう。

企業には、多様な働き方をする人々を受け入れ、柔軟なルール設定や支援体制の整備が求められていくと考えられるとしています。個人としての働きやすさと、ビジネスパートナーから見た印象の良さ。この両面のバランスを取ることが、多くの組織にとって重要な戦略のひとつになるかもしれません。

リモートワーク時代における服装の多様化は、ワークスタイルの変革を象徴する現象と言えるでしょう。堅苦しすぎず、かといって過度にカジュアルにもならない「ちょうどいい」バランスが、これからの仕事着の新たな基準になっていくと考えられます。

働き方が変われば、着る服も変わる。そんな当たり前の変化が、今、私たちの社会で確実に進行しているのです。一人ひとりが自分に合った「仕事モード」を見つけることで、より快適で生産性の高い働き方が実現できるのではないでしょうか。

出典元: 株式会社LASSIC(ラシック)プレスリリース

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