マイクロアドとPinspaceグループ、TikTok Shop運営支援の合弁会社「IZULCA」を設立 - 中国で「7時間20億円販売」の実績をもつノウハウを日本市場へ

株式会社マイクロアド(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:渡辺健太郎)が、中国・深センを拠点にTikTokライブコマースの運営代行事業を展開するPinspaceグループ(中国名:深圳市潮瑞坤控股集团有限公司、本社:深圳市、代表:苏樱娜)との合弁会社「株式会社IZULCA(イヅルカ)」を設立することを発表しました。

この合弁会社設立により、Pinspaceが中国国内のTikTok Shop(抖音)で達成した「7時間で20億円販売」という驚異的な実績と、マイクロアドが持つマーケティングの知見を活かし、Pinspaceの日本におけるソーシャルコマース市場への参入を総合的に支援していくとのことです。

新設される合弁会社の代表取締役社長には、マイクロアドの副社長執行役員である榎原良樹氏が就任するとされています。

株式会社マイクロアド 概要

株式会社IZULCA 会社概要

新設される合弁会社「株式会社IZULCA(イヅルカ)」は、東京都渋谷区桜丘町20-1に本社を置き、TikTok Shopの運営およびTikTokライブコマースの総合支援事業を展開するとのことです。役員構成は以下の通りです。

  • 名称:株式会社IZULCA(イヅルカ)
  • 所在地:東京都渋谷区桜丘町20-1
  • 役員構成
    • 代表取締役社長 榎原 良樹
    • 取締役 柴田 和洋
    • 取締役 楊 玉魁
  • 事業内容:TikTok Shop運営及び、TikTokライブコマースの総合支援
  • 事業開始日:2025年 6月

急成長するTikTok Shopとは

「TikTok Shop」は、2025年夏から日本で本格展開が予定されている、TikTok内のEコマース機能です。2024年の世界流通総額は前年比2倍超の約5.2兆円(332億ドル)に達し、急成長を遂げているとされています。

TikTok Shopの特徴は、TikTokの持つ強力な拡散力とインフルエンサーなどによるエンターテインメント性を活かした販売方法にあります。魅力的な動画コンテンツを通じて商品の認知度を高め、購買行動を促進する仕組みとなっています。すでに展開が進んでいる中国市場では、化粧品・アパレル・食品など幅広いカテゴリーの商品が取引されているようです。

両社のビジネス展開と強み

マイクロアドは、2008年に上海支社を開設して以降、中華圏の海外支社との連携やパートナー企業との協業を積極的に推進してきました。これらを通じて、中華圏において国内外双方の企業に対し、クロスボーダーマーケティング支援事業を展開してきた実績があるとのことです。

一方、Pinspaceグループは年間売上500億円を超える企業であり、デジタルガジェットの製造・販売のほか、抖音(中国版TikTok)をはじめとしたECプラットフォームの運営代行など幅広い事業を展開しています。特筆すべきは、中国でのTikTok Shop(抖音)の運営代行において、中国工芸美術館ブランドの宝飾品(翡翠のブレスレット)をわずか7時間で20億円相当販売するという驚異的な実績を持つ点です(2025年4月20日実績)。

合弁会社設立の背景とソーシャルコマース市場の可能性

近年、TikTok ShopをはじめとするSNS上で商品やサービスを販売するソーシャルコマース市場は、世界的に急速な成長を見せています。市場調査によれば、このソーシャルコマース市場は2030年までに6.2兆米ドル(約960兆円)規模にまで成長すると予測されているといいます。

今回の合弁会社設立の背景には、Pinspaceの日本市場への総合的な進出支援に加え、日本でも成長が見込まれるTikTok Shopを中心としたソーシャルコマース市場における企業のプロモーション支援などの需要増加があるようです。

ソーシャルコマースとは、SNSとEコマースを組み合わせ、SNS上で商品やサービスを販売・促進するマーケティング手法を指します。従来のEコマースに比べて、ユーザー同士のコミュニケーションやインフルエンサーの影響力を活用できる点が大きな特徴となっています。

合弁会社の事業内容と展開戦略

株式会社IZULCAでは、マイクロアドがTikTok Shopを活用した販売戦略とプロモーション支援を担当し、Pinspaceの日本市場への進出を包括的に支援していく予定です。

具体的には、マイクロアドが持つマーケティングの知見とPinspaceが保有する独自のTikTok Shop運営ノウハウを積極的に活用し、ターゲットとするユーザーとの最適なマッチングを図るとのことです。これにより、中国企業の商品を日本市場において効果的に販売するための総合的な支援を提供していく計画が示されています。

2025年夏に予定されているTikTok Shopの日本本格展開に向けて、すでに準備が進められているものと見られます。今後、日本のソーシャルコマース市場においても、TikTokを活用した新たな販売手法が広がっていくことが予想されます。

企業情報

株式会社マイクロアド 概要

  • 社名:株式会社マイクロアド
  • 代表者:代表取締役 社長執行役員 渡辺健太郎
  • 本社所在地:東京都渋谷区桜丘町20-1 渋谷インフォスタワー13F
  • 事業内容:データプラットフォーム事業

Pinspaceグループ 概要

  • 社名:Pinspaceグループ
  • 本社所在地:深圳市龙华区民治街道新牛社区港深国际中心601
  • 代表者:代表 苏樱娜
  • 事業内容:デジタルガジェットの製造・販売、抖音(中国版TikTok)をはじめとしたECプラットフォームの運営代行

両社の合弁による新会社設立は、日本におけるTikTok Shopビジネスの拡大とともに、日中間のEコマース分野での新たな展開として注目されます。TikTokの人気が高い日本市場において、中国で成功したビジネスモデルがどのように展開されるのか、今後の動向が注目されます。

今回の合弁会社設立は、世界的に拡大するソーシャルコマース市場において、日本と中国の企業が強みを活かして協業する事例として、業界内でも大きな関心を集めそうです。マイクロアドの持つマーケティングノウハウと、Pinspaceの持つTikTok Shop運営の実績が融合することで、日本市場に新たなソーシャルコマースの波を起こす可能性を秘めています。

出典元:株式会社マイクロアド プレスリリース

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