
LIDDELL株式会社は、SNSアプリ「BeReal」の使用経験があるインフルエンサーを対象にアンケート調査を実施しました。BeRealの使用実態から、BeRealを活用した企業案件に関することまで、活躍するインフルエンサー視点の声が明らかになっています。
SNSの多様化が進む現代において、リアルな日常を共有するSNSアプリ「BeReal(ビーリアル)」が注目を集めています。今回LIDDELL株式会社では、同社が運営するマーケティングプラットフォーム「INFLUFECT(インフルフェクト)」に登録しており、BeRealの利用経験があるインフルエンサーの中からランダムに100名を選定し、企業タイアップに適した業界・商材やプロモーション手法について調査を実施しました。
以下では、調査結果の詳細と、BeRealを活用したプロモーションの可能性についてレポートされています。

まずはさまざまな候補に挙がる「BeReal」の呼び方について改めて調査されました。結果として、正式名称である「ビーリアル」との回答が96%となり、「ビリール」「ビーリール」「ビーリア」「ビーリ」といった少数回答も得られています。
この記事の目次
■利用歴は1年未満で、月に3回〜5回程度利用する人が多い

BeRealの利用歴について質問したところ、半数が1年未満と回答しました。1年以上の使用が31.6%と続き、利用したものの既に退会していると回答した人が18.4%いることが判明しました。

続いて利用頻度(ログイン)を質問したところ、利用している人の中で最も多かったのが「月に3回〜5回程度」で26%となりました。次いで「週に3回〜5回程度」、「1日に3回〜5回程度」、「1日に1回〜2回」となり、熱心な利用というよりは、利用したいときに気軽に利用するユーザーが多いことが分かります。また、ダウンロードしているものの「ほとんど利用していない」と回答した方が40%という結果になっています。
■BeRealならではの発信方法には半数近くが好意的な意見
BeReal(ビーリアル)は、1日1回、決まったタイミングで通知が届き、その瞬間の"リアルな自分"を前後カメラで投稿するSNSです。フィルターや加工機能がなく、飾らない日常の共有が特徴となっています。その性質上、他のSNSと比較すると作り込んだような投稿がしにくいですが、それに対してユーザーはどのように感じているのでしょうか。

半数近い48%が「見ていて親近感が湧く」と回答し、BeRealならではの特徴を好意的に受け止めていることが分かりました。次いで「SNS疲れしにくい」、「作り込めないのが逆にストレス」が同数の19%となっています。SNSに何を求めるかによって回答は分かれる傾向にありますが、BeRealに対しては投稿する側も見る側も、気軽さという点を評価する声が多いようです。

他のSNSと比較した際のBeRealの強みだと思うことについて質問したところ、最も多い回答を得たのは「フィルターや加工ができないため、リアルさがある」が41%、続いて「通知から2分以内に投稿するため、"作り込めない"日常感が出る」が37%となり、まさにBeRealらしさである部分を強みとして評価する声が目立ちました。
またSNSには付きものだと思われる「フォロワー数」がないこともBeRealの特徴であり、これを「ノーストレス」であるとの声が31.5%を獲得しています。
■BeRealは企業案件に適しているのか?インフルエンサーの声をご紹介

ほとんどの回答者が、普段のPR投稿や企業案件にはInstagramを使用していることが分かりました。

そして、BeRealでの案件実績はおよそ2%のみが経験ありと回答し、98.1%は経験なしとの結果になりました。
「いいえ」と回答した方に理由を聞いたところ、以下のような回答が得られました。(原文ママ)
① 使用頻度が低い・活用できていない
「そこまで真面目にBeRealを運用していなかった」
「開くのも指示があった時だけ」
「使用頻度が低いため」
「楽しむだけのものの為」
② フォロワーが少ない・友人限定の利用
「フォロワーが少ないから」
「友人としか繋がっていなかった」「リアルの友達だけだから」
「プライベートでの活用しかしていないため」
③ そもそも案件の存在を知らなかった
「案件があることすら知らなかった」
「ビーリアルにも案件があることすら知らなかった」
「案件を見かけたことがない」
④ 企業案件としての活用イメージが湧かない
「広告案件のイメージが湧かなかったので、ひきうけていません」
「多くの人が閲覧するとなると、あまりにも作り込めないのがこわい」
「広告案件のイメージが湧かなかったので、ひきうけていません」
⑤ 他SNS(Instagramなど)が主な仕事先
「Instagramでのお仕事がメインだからです」
「Instagramだけでいいかなと思うから」
調査結果によると、BeRealの広告案件は経験がほぼないということを逆手にとれば、圧倒的な登場感でインパクトのあるプロモーションをすることができる可能性があります。
■BeRealでのタイアップには「コスメ・美容」が向いている?

自身のBeRealでの案件実施実績は無いものの、インフルエンサー目線で客観的に判断し、BeRealでの企業タイアップに「向いている」と思う業界と商材を聞いたところ、32.8%が「コスメ・美容」と回答しました。
次いで「ファッション・アパレル」「食品・飲料」と、BeRealを対象とした質問ではあるものの、他SNSでもポピュラーな案件ジャンルの回答が多数を占めました。
続いて、「BeRealならでは」の企業プロモーション手法として、アイデアや事例があれば教えてください。という問いへの回答をご紹介します。(原文ママ)
①【 "リアルさ" や "素の感想" を活かすプロモーション】 40%
特徴:作り込めない超リアル感、本音のシェア、使用中の姿の信頼感
代表意見(抜粋):
「投稿内容を作り込むことができない点で、ステマのようなイメージを受けにくい」
「実際に使用している写真と共に一言おすすめしていると、気になる」
「ガチでおすすめできる!今使ってるコスメ!とかがリアルな声が聞けそう」
②【その場で "今使っている感" を出す活用】 33.3%
特徴:BeReal特有の「リアルタイム投稿」を生かして、"今この瞬間"の利用シーンを見せる
代表意見(抜粋):
「ドリンクを飲んですぐの感想をアップ」
「今、今日使っているコスメや今食べにきているお店として、など」
「すぐ塗れるリップやグロスなどコスメ関連商品」
③【内カメラ+外カメラの特性を活かすプロモーション】 20%
特徴:内カメラで自分、外カメラで背景(場所・アイテム)を同時に見せられる利点を活用
代表意見(抜粋):
「食べているものと自分、使ってるものと自分などの両者が引き立つアイテム」
「飲食店の雰囲気まで含めたプロモーション」
④【日常使い・生活感のあるアイテム訴求】 26.6%
特徴:生活に溶け込んだ自然な登場の仕方、わざとらしくない登場を活かす
代表意見(抜粋):
「普段の使っているもののような紹介」
「常に携帯して鞄から取り出すことができるようなアイテム」
「リアルなそのままの色味」
⑤【イベント・時限性との相性】 20%
特徴:時間や週末など、限定・期間性の要素とBeRealの"1日1回投稿"の特性を連動
代表意見(抜粋):
「イベントのプロモーションは効果的だと思います」
「アウトドアで使うグッズは週末にBeRealみた時に"来週買って使ってみよ〜"になりそうです」
「時間ごとに変化するイベントなど」
⑥【その他】 13.3%
特徴:コンプレックス商材との親和性や、アルバム的な使い方の提案
代表意見(抜粋):
「情報の本物感が魅力かと思うので、コンプレックス商材との相性が良いのでは」
「普段の日常を切り抜いたアルバム」
意見をまとめると、BeRealでは、「本当に使っている感」「タイミングの偶然性」がカギであることが見えてきます。
ストーリー性よりも"瞬間性+生活感"のある商品との相性がよく、強い演出を避けた自然なシーンが効果的だと言えます。特に「使用中の自撮り+アイテム」「コスメや飲食など即感商材」「場所・空間も含めた写り込み」が強みになりやすいと考える方が多いことが明らかになりました。
■BeRealでの企業案件を受けるとして、受けたいと思うのは「普段の自然な投稿に入れ込む」案件。

最後に、企業から「BeRealを活用した施策に協力してほしい」と言われたら、どんな形なら引き受けたいですか?との質問をしたところ、以下の回答が得られました。(原文ママ)
① 普段の投稿内に自然に入れ込む(69.2%)
代表意見(抜粋):
「普段の投稿内に自然に入れ込む」
「日常の延長として紹介できるのが理想」
② 商品モニター体験の様子をそのまま投稿(40.4%)
代表意見(抜粋):
「商品を実際に使っている様子をリアルに見せたい」
「使用中の素直な感想をそのまま出せる形がよい」
「自分らしい投稿としてならOK」
「企業の指示ではなく本音を投稿」
③ タイム通知と連動したリアル投稿(32.7%)
代表意見(抜粋):
「BeRealの特性を活かしたリアルタイム投稿なら自然」
「タイム通知で投稿できるなら説得力がある」
「演出感が少ないのが良い」
④ フォロワーとの双方向企画(投票・Q&Aなど)(9.6%)
代表意見(抜粋):
「フォロワーと一緒に楽しめるならやってみたい」
「BeRealの双方向性が活きる企画があれば嬉しい」
調査結果から、「自然な形での投稿」が圧倒的多数を占め、BeRealの特徴を活かした"日常との乖離のなさ"が大きな条件となっていることが分かります。
商品モニターも「演出のないリアルなシーン」であれば好意的に捉えられています。BeReal独自の「タイム通知」との連動も一定のニーズがあり、リアル性と即時性をセットにした企画が有効と考えられます。「双方向企画」は少数派ではあるものの、ファン参加型の施策として広がる可能性もあるようです。
<調査概要>
調査期間 :2025年5月7日〜5月11日
調査対象 :INFLUFECTに登録するインフルエンサー 50,000人より有効回答者 100名
平均フォロワー数:3万人
調査方法 :オンライン
平均年齢 :27歳
男女比 :男性1割・女性9割
以上が調査結果の概要となります。
この調査から、BeRealはリアルな日常を共有する特性を活かし、コスメ・美容、ファッション、食品・飲料など、生活に密着した商材のプロモーションに有効であることが示唆されています。
企業がBeRealを活用する際は、インフルエンサーの自然な日常に商品を組み込むことで、信頼性の高いプロモーションが可能になると考えられます。
出典元:LIDDELL株式会社