
株式会社SHIFT AI(東京都渋谷区、代表取締役 木内翔大)から、AIトレンド通信5月号が発表されました。同社は「日本をAI先進国に」を掲げ、AIのビジネス活用を学べるAI大学「SHIFT AI」を運営しています。
2025年5月20日から21日にかけて開催された「Google I/O 2025」では、基調講演から各セッションまでほぼすべての発表にAI、特にGoogleが誇る大規模言語モデル「Gemini」が深く関わっていました。本記事では、Google I/O 2025で発表された注目すべき5つのポイントと最新情報、そしてGoogleが描く未来像について詳しくご紹介します。
この記事の目次
世界を変える5つの注目発表
1. 検索の未来:「ググる」から「AIと対話する」時代へ
これからの検索体験は、従来のキーワード入力から、AIとの対話を通じて最適な答えや行動を見つけ出す形へと進化していくことが発表されました。
・AIモード (米国で全ユーザー展開): 検索結果にAIによる要約や回答を提示。複雑な質問にも情報を統合して生成し、対話で深掘りも可能です。
・Gemini 2.5搭載: 最新AIが検索体験を強力にサポートします。
・マルチモーダル検索:
Search Live: スマホのカメラをかざすだけで、目の前のモノについてAIと対話しながら検索できます。
バーチャル試着: 写真アップロードで洋服を試着することが可能になります。
エージェント型チェックアウト (予定): AIが代理で購入手続きを行います。


2. AIモデル「Gemini」新時代:世界最強クラスの性能を実証
Googleの主力AI「Gemini」ファミリーに大幅な進化が見られ、性能評価ランキングで他社を圧倒する結果となったことが報告されています。
・Gemini 2.5 Pro (世界最強クラスのAI): 高度な推論が可能な「Deep Think」モードを搭載しています。
・AI性能評価「LMArena」で首位を獲得 (2025年5月時点)。
・Google AI Studioで無料利用が可能です。
・Gemini 2.5 Flash (速度・効率特化): 「LMArena」総合2位。出力速度、API料金、性能のバランスに優れています。
・ネイティブオーディオ機能で24言語に対応し、声のトーンまで制御可能です。
・Gemini Diffusion (ウェイトリスト受付中): 毎秒1479トークンの超高速生成。複雑なWebサイトも一瞬で作成できます。
3. AIクリエイティブ革命:映像・音楽制作をAIがフルサポート
画像、動画、音楽生成AIの進化により、それらを統合する新たな制作ツールが登場することが発表されました。
・動画生成AI「Veo 3」: 映像に加え、効果音・BGM・セリフまで「音付き」で生成可能になりました。
・画像生成AI「Imagen 4」: 最大2K解像度、細部表現向上、画像内テキストレンダリングも改善されています。
・音楽生成AI「Lyria RealTime」: ユーザーのリアルタイム指示でAIが作曲・演奏を行います。
・AI映画制作ツール「Flow」: 上記AI技術を統合。プロンプトからシーン、キャラクター、音楽まで一貫して生成し、編集も可能な新しい映像制作ワークフローを提供します。
4. プログラミング革新:AIが開発作業を強力にアシスト
開発者の生産性を劇的に向上させる、新しいAIコーディングツールが登場することが明らかになりました。
・AIコーディングエージェント「Jules」 (パブリックベータ版): 開発者の代わりにバグ修正、複数タスク処理、新機能の初期構築などを自律的に実行。GitHub連携でプルリクエストも作成可能です。
・UIデザイン&コード生成「Stitch」: 自然言語や画像プロンプトから高品質なUIデザインと対応コード (CSS/HTML) を生成。Figmaエクスポートも可能になります。
・その他:
Gemini Code Assist: Gemini 2.5で強化され一般提供が開始されます。
Android Studio: Gemini統合により、デザインモックからUIコード生成が可能になります。

5. 言語の壁をAIが解消:Google Meetで自然なリアルタイム翻訳
まるで吹き替え映画のように、話し手のトーンや抑揚まで再現するリアルタイム翻訳機能が登場することが発表されました。
・Google Meet リアルタイム翻訳: 言葉だけでなく、話し手の感情やニュアンスも伝わる自然な翻訳を目指しています。まずGoogle AI Pro/Ultraプラン向けにベータ版が提供され、スペイン語、英語から順次拡大される予定です。
・Google Beam (旧Project Starline) にも搭載予定: 3Dビデオコミュニケーションでも言語の壁を感じさせない体験が実現します。
Google I/O 2025 徹底網羅!最新情報一覧
上記の5つの注目発表以外にも、Google I/O 2025では数多くの重要なアップデートが発表されました。以下に主要な内容をリストアップします。
未来のAIアシスタント「Project Astra」が登場
スマホのカメラをかざすだけで、AIが周りの状況を理解して、自然な会話で質問に答えたり、手伝ってくれたりするデモンストレーションが公開されました。
AIにおまかせ調査&資料作成 (Gemini Pro・Ultraアプリ)
Deep Reseachで調査し、まとめた情報から、「ウェブページ」「インフォグラフィック」「クイズ」「音声概要」を出力することが可能になります。また、ウェブページを生成後、Geminiチャットボット機能の利用もできるようになります。

メガネやゴーグルで未来体験 (Android XRの進化)
AIを搭載した特別なメガネやゴーグル(ヘッドセット)をつけると、目の前に現実ではない情報や映像が広がるような、よりリアルな体験が可能になります。Samsungなどの有名企業も協力していることが報告されています。


AIが作ったものか見分けられるように (SynthID Detector)
AIが作った画像や文章などを見分けるための新しい仕組みが登場します。これにより、情報が本物かAIが作ったものか分かりやすくなり、安心して情報に触れられるようになります。
Gmailの返信がもっと自然に
メールの返信候補をAIが提案してくれる機能が、話し方や過去のメール内容を学習して、より自然な文章を作成できるようになります。
ChromeブラウザでAIと会話 (Gemini統合)
Chromeブラウザの中にAIアシスタントであるGeminiが搭載され、ウェブサイトを見ながら直接Geminiに質問できるようになります。今読んでいるウェブページの内容について、複雑な部分の説明を求めたり、ページ全体の要約を依頼したりすることが可能になります。
学生向け学習ツール・クイズ機能
授業のノートや参考資料などをアップロードするだけで、それに基づいた練習用のクイズを簡単に作成できるようになります。
開発者や専門家向けにも便利な機能が追加
エッジデバイス全般で動く軽いAIも登場 (Gemma 3n):スマートフォンなどの小さな機械でもスムーズに動く、軽くて賢いAIが登場する予定です。
特定の分野に特化したAIも (MedGemma, SignGemma):医療の分野で役立つAIや、手話を理解するAIなど、特定の専門分野で活躍するAIも開発されています。
AI開発がもっと簡単に (Google AI Studio機能強化):Gemini 2.5 Proがネイティブコードエディタに統合され、プロトタイピングがさらに高速化します。また、対話を自然な音声で生成することも可能になります。
AIが自動でプログラミング作業 (Agentic Colab):AIが人の指示を理解して、プログラミングの作業を自動で進めてくれるようになります。
AI開発者へのプレゼントも (Google Developer Program特典拡充):Gemini Code Assist Standard、新しい生成AI開発者向け年間クレジット、Google One AI Premiumの3ヶ月無料提供といった特典が用意されています。
ウェブサイト作りがもっと楽に (試験運用版の Interest Invoker API):ユーザーが特定の部分に注目した瞬間に、ポップオーバーを宣言的に切り替えることが可能になります。また、Anchor Positioning API と Popover API と組み合わせることで、JavaScript を使用せずに、ツールチップやホバーカードが作成できるようになります。訪問者の関心が短時間アクティブになっているときに、ポップオーバーを宣言的に切り替えることができます。
プログラミングの難しいところをAIがお手伝い (Chrome DevToolsへのAI統合):Google Chromeブラウザに組み込まれたウェブ開発者向けのツールセット「Chrome DevTools」にて、自然言語による質問でCSS修正を提案・適用できるようになります。
オープンソースツールとの連携をもっと連携しやすく (Gemini APIにMCP定義のネイティブSDK サポートを追加):Gemini APIを使って、優秀な秘書やアシスタントのようなAI(エージェント型アプリケーション)を、開発者がもっと手軽に作れるように、便利な仕組みや道具が多数用意されています。
AIが社会の役に立つ取り組みも
AI技術を用いて山火事や森林火災を高精度かつ迅速に検知する衛星プロジェクト「Firesat」が開始されることが発表されました。また、Google傘下のドローン配送企業である「Wing」は、ウォルマートや米国赤十字と協力し、AI技術を活用した災害支援を実施することが明らかになりました。
株式会社SHIFT AI 代表取締役 木内翔大 コメント
同社の代表取締役 木内翔大氏は「今回のGoogle I/O 2025は、まさにAIが私たちの日常やビジネスのあり方を根底から変革する時代の到来を告げる、画期的な発表に満ちていました。特に、GoogleのAI『Gemini』の進化とその全方位的な展開は、AIが単なるツールではなく、社会インフラそのものへと進化していく未来を明確に示しています」とコメントしています。
また、「私たちSHIFT AIは、『日本をAI先進国に』というミッションのもと、AIのビジネス活用を推進し、多くの方々がこのAI革命の波に乗れるよう支援しています。Google I/O 2025で示されたように、AIはもはや特別なものではなく、あらゆる産業、あらゆる人々の日常に溶け込んでいくでしょう。この大きな変化の時代において、最新のAIトレンドを的確に捉え、皆様のビジネスや生活を豊かにする情報を提供し続けることが、私たちの使命であると考えています」と述べています。
さらに「今回の発表は、AIと共に切り拓く未来への期待を一層高めるものであり、私たちもこの進化に貢献できるよう、引き続き尽力してまいります」と語っています。
【会社概要】

株式会社SHIFT AIは、「日本をAI先進国に」というビジョンのもと、生成AIをはじめとするAI技術のビジネス活用を学べる、利用者数No.1のコミュニティ「SHIFT AI」を運営しています。会員数は1万6,000人を超え、法人向けのリスキリング支援サービス「SHIFT AI for Biz」や、教育機関向けの「SHIFT AI for School」など、幅広い分野でAI人材の育成を推進。さらに、独自メディア「SHIFT AI Times」の運営をはじめ、情報発信・研修・イベントを通じて、個人と組織の成長を支援し、日本全体のAI活用を加速させています。
社 名 株式会社SHIFT AI
所在地 東京都渋谷区渋谷2丁目24-12 渋谷スクランブルスクエア
代表者 代表取締役 木内 翔大
設立年月 2022年3月18日
資本金 8,300万円(資本準備金含む)
事業内容 コンサルティング / コミュニティ運営 / Youtubeチャンネル運営 / スクール運営
【代表取締役 木内 翔大について】

木内 翔大(きうち しょうた)
株式会社SHIFT AI 代表取締役 / 一般社団法人生成AI活用普及協会 協議員 / GMO AI&Web3株式会社 AI活用顧問 / GMO AI&ロボティクス商事 AI活用アドバイザー
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フォロワー数 12.3万人 (2025年5月現在)
「日本をAI先進国に」をテーマに生成AIについて発信しています。
出典元:株式会社SHIFT AI プレスリリース