60歳以上の68.1%が終活実施・予定、家族への思いやりが動機|整理や財産管理が重要との調査結果

未来の自分と家族のために。60歳以上の終活事情を大公開!

近年、「終活」という言葉が社会的に注目を集めています。これは単に人生の終わりに向けた準備というだけでなく、残される家族に負担をかけないための配慮としても重要視されているのです。

このたび株式会社NEXERと株式会社メモリードグループが共同で、60代以上の男女451人を対象に「終活」に関する意識調査を実施しました。今回はその調査結果から見えてくる高齢者の終活事情についてご紹介します。

「終活に関するアンケート」調査概要
調査期間:2025年4月25日 ~ 2025年5月9日
調査機関:株式会社NEXER(自社調査)
調査対象:60代以上の男女
有効回答数:451サンプル
調査方法:インターネット調査
質問内容:
質問1:あなたは将来的に「終活」をしようと思いますか?
質問2:その理由を教えてください。
質問3:「終活」としてどのようなことをしようと思っているか、当てはまるものをすべて選んでください。
質問4:その中でも、「終活」としてもっともやっておくべきだと思うことを1つ選んでください。
質問5:「終活」としてそれをもっともやっておくべきだと思う理由を教えてください。
質問6:「終活」としてどのようなことをしているか、当てはまるものをすべて選んでください。
質問7:「終活」をしようと思ったきっかけを教えてください。

※小数点以下第2位を四捨五入して表記しているため、合計が100%にならない場合があります。

68.1%が、将来的に終活をしようと「思う」もしくは「すでに始めている」

調査では最初の質問として、将来的に「終活」をする意向があるかどうかが尋ねられました。

終活に関する意識調査グラフ

調査の結果、68.1%の回答者が将来的に終活をしようと「思う」、または「すでに始めている」と答えていることがわかりました。この結果から、多くの高齢者が終活の必要性を認識していることが読み取れます。

それぞれの回答についての理由も調査されており、以下にその一部が紹介されています。

将来的に終活をしようと「思う」回答理由

・自分の死後、残された家族に迷惑をかけたくないから。(60代・男性)

・子ども達の負担を軽くしたいから。(60代・女性)

・2年前に甲状腺癌で手術を経験し死を覚悟したから。(60代・男性)

・残った家族に迷惑をかけないように色々なものを整理しておきたいから。(60代・男性)

・子孫が路頭に迷わずにすむよう資産を継承したいから。(70代・男性)

・最後は未練なく終わりたいので、自分の人生を総括するために終活は大切だ。そして残った家族が処分に困らないように自分で白紙状態にしておきたい。(70代・男性)

将来的に終活をしようと「思わない」回答理由

・最小限の事はやっておきたいとは思うが、子供もなく、甥に頼む事になりそうなので、あまり肩に力を入れずに、密かに進めておきたい程度。(60代・男性)

・自分が亡くなるという感覚がまだないから。(60代・男性)

・今はそんなこと思わない縁起でもないし、もう少し先なら変わるかもしれない。(70代・男性)

「すでに終活を始めている」回答理由

・仮に妻を残して死ぬ場合、出来るだけ手続等を楽にさせてあげたいから。(60代・男性)

・平均寿命に近くなってきたから。(70代・男性)

「終活」としてどのようなことをしようと思っているか、85.4%が「身の回りの整理」と回答

次に、終活を予定している方に対して、具体的にどのような活動を行う予定かが尋ねられました。

終活として行いたいこと調査グラフ

この質問に対しては、85.4%という圧倒的多数の回答者が「身の回りの整理」を挙げています。また「財産整理」も56.9%と半数を超える結果となりました。これらの回答から、物理的な整理や資産管理が終活の中心的な関心事であることがわかります。

さらに調査では、終活としてもっとも重要だと考える項目を1つ選んでもらった結果も示されています。

終活としてもっとも重要なこと調査グラフ

回答者の44.3%が「身の回りの整理」を最も重要な終活と考えていることがわかりました。これは全体の半数近くを占めており、物の整理が終活の最優先事項として認識されていることを示しています。

また、その理由についても詳しく聞かれています。それぞれの回答理由を見てみましょう。

「身の回りの整理」回答理由

・残された家族が、自分が残した物の処分で迷惑を被らないようにしたいから。(60代・男性)

・物をたくさん持ちすぎてるので、処分しないといけない。(60代・女性)

・家族に迷惑を掛けないようにしたいから。 私も両親を亡くして遺品の整理で苦労したから。(60代・男性)

・自分にとって大事でも、子供たちにとってはゴミになるので、捨て活している。(60代・女性)

・後片付けの大変さは経験しているので、子どもにはさせたくないし、見られたくないものもあるので。(60代・女性)

・亡くなった人の持ち物の処分は感情が邪魔して難しい。価値あるものは生前贈与してそれ以外は自分で処分して人生を閉めたい。(70代・男性)

「財産整理」回答理由

・家族がもめないように。(60代・男性)

・母を亡くしたばかりで、相続の手続き中。タイムリーな事柄で、現在苦戦中だから大変さがよくわかる。(60代・女性)

・相続人がいないので、財産の分配などを自分の意思で決めたいから。(60代・女性)

・ネット銀行や、カード払いの家族が知らない銀行取引があるため。(60代・男性)

「エンディングノートの作成」回答理由

・エンディングノートにそって書いておけば、細かいことまでまとめて意思表示できそうなので。(60代・女性)

・ネットのサイトのパスワードやプロバイダーへの連絡等、伝えておくことがあるから。(60代・男性)

・細かく記録しておけば、迷ったり困ったりすることが少ないと思うから。(70代・男性)

すでに終活を始めている81.5%が「身の回りの整理」をしている

「すでに終活を始めている」と回答した方々に対して、現在実際に行っている終活の内容について尋ねられました。

すでに行っている終活内容調査グラフ

すでに終活を始めている人の中では、81.5%と圧倒的多数が「身の回りの整理」を実践していることがわかりました。次いで「葬儀・墓の準備」が53.7%、「財産整理」が50%と続いています。これらの結果から、終活を実際に行っている人の間でも、モノの整理や葬儀準備、財産管理が重視されていることがわかります。

また、すでに終活を始めている方々に、始めたきっかけについても聞かれています。その回答の一部をご紹介します。

「終活」をしようと思ったきっかけは?

・退職したから。(60代・女性)

・終活が普通のことになっているから。(60代・女性)

・ユーチューブ動画でなくなったあとの整理や知人から突然死んだときに部屋の整理や他のことで家族が苦労することを知ったから。(60代・男性)

・親を見送った後、何もかも手探り状態で色々苦労したので。(60代・女性)

・子どもから私が亡くなった時に何をどうすればよいのか分からないので、親戚縁者のことなどいろいろなことを文書でまとめておいてほしいと言われたのがきっかけです。(70代・男性)

・意思をはっきりさせていれば、悩むことはないと思うから。(70代・男性)

・80歳になる前に公証役場などに遺言証明書などを保管して貰うため。(80代・男性)

終活を始めたきっかけとしては、退職や社会的な認知の広がり、身近な人の死による気づき、家族からの要望などが多く挙げられています。特に、自分自身が親の死後の整理で苦労した経験から、同じ苦労を家族にさせたくないという思いが強く表れています。

まとめ

今回の「終活」に関するアンケート調査から、60歳以上の多くの方々が終活の重要性を認識していることが明らかになりました。回答者の68.1%が将来的に終活をする意向を持っているか、すでに始めているという結果は、終活への関心の高さを示しています。

終活の内容としては「身の回りの整理」が最も多く挙げられており、次いで「財産整理」「葬儀・墓の準備」が続いています。これらは自分自身のためというよりも、残される家族の負担を減らしたいという思いからくるものが多いことがわかります。

また、終活を始めるきっかけとしては、退職や親の死といったライフイベントのほか、家族からの要望や社会的な認知の広がりなども影響していることが明らかになりました。

終活は単に死に備えるためだけではなく、自分の人生を振り返り、整理する機会にもなります。また、家族との対話を通じて、より良い関係を築くきっかけにもなるでしょう。この調査結果が、これから終活を考える方々の参考になれば幸いです。

終活は不安を減らし、人生を前向きに見つめ直す機会にもなります。早めに準備を始めることで、心にもゆとりが生まれるのではないでしょうか。

出典元:株式会社NEXERと株式会社メモリードグループによる調査

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