株式会社テテマーチ(本社:東京都目黒区、代表取締役:上田 大介)が運営するサキダチラボは、Z世代のテレビ視聴に関する実態調査を実施し、その分析結果を調査レポートとして発表しました。この調査では、全国の現役大学生・大学院生350名を対象としたアンケート調査と、5名の大学生へのデプスインタビューが行われています。
この記事の目次
調査背景
近年、若者の「テレビ離れ」が進行していると言われています。スマートフォンの普及やSNSの利用拡大により、若者のメディア接触は多様化し、テレビとの関わり方も変化してきています。このような状況を受け、サキダチラボでは「彼らは実際にテレビ番組やCMを観ているのか」という疑問を明らかにするため、Z世代のテレビ視聴実態調査を実施したとのことです。
調査結果サマリー
テレビ視聴時間と可処分時間
調査結果によると、大学生の約7割は週に5時間未満しかテレビを視聴していないことが判明しました。この背景には、アルバイトや部活・サークル活動などにより、可処分時間自体が少ないという実態があるようです。
視聴理由とスタイル
テレビを視聴する最も多い理由は「習慣で何となく」となっています。一方で、好きな番組があることや「推し」の出演といった明確な目的を持った視聴行動も存在していることが明らかになりました。
人気番組と競合コンテンツ
「水曜日のダウンタウン」などの独自性の強いバラエティ番組が支持される一方、テレビ番組は常にYouTubeなど他メディアのコンテンツと比較される環境にあることが分かりました。
SNSの影響力
大学生の2人に1人がSNSをきっかけにテレビ番組を視聴しているという結果が出ています。InstagramやXが情報収集の主要なツールとして活用されているとのことです。
SNS連携の重要性
若者にテレビコンテンツを届けるためには、SNSを活用した番組コンテンツの二次利用やSNS上での話題化が新たな視聴につながることが示唆されています。
詳細な調査結果
大学生のテレビ視聴時間は週5時間未満、可処分時間の少なさが影響
アンケート調査で「1週間のうち、テレビを視聴している時間はどのくらいですか」と質問したところ、最も多かった回答は「5時間未満(64.0%)」でした。「テレビをまったく観ない(5.1%)」も含めると、週5時間未満の視聴が全体の約7割を占める結果となったそうです。

しかし、「1週間のうち、自由に使える時間はどのくらいですか」という質問に対しては、「5時間未満」と答えた学生が22.0%でした。「5~10時間未満(24.9%)」と「10~20時間未満(24.6%)」を合わせると、約7割の学生が週に20時間未満しか自由時間がないという、非常に忙しい生活を送っていることが明らかになったとのことです。
大学生は可処分時間そのものが限られており、その限られた時間の中でも、スマートフォンでの動画視聴やSNS閲覧、趣味や友人との交流など、テレビ視聴以外にも多くの時間を費やしています。つまり、テレビは数ある余暇の過ごし方のひとつに過ぎず、人によっては優先順位が高くない状況にあると言えるようです。
テレビの視聴理由は「習慣で何となく」の一方で「目的」を持った視聴も
限られた可処分時間の中で、大学生がテレビを観る理由として最も多かったのは、「習慣で何となくつけている」という回答で、全体の44.9%を占めました。次いで、「好きな番組、面白い番組があるから(40.3%)」、「推しが番組に出演しているから(18.6%)」となっています。

「習慣で何となくつけている(44.9%)」とは、特に観たい番組がなくても自然とテレビに接触している状態を指します。アンケート回答者の約7割が実家暮らしであることを考慮すると、視聴者本人の意欲に関わらず、家庭環境が「習慣的な視聴」を促している可能性もあるとのことです。
また、「推しが番組に出演しているから(18.6%)」という理由に関しては、インタビュー調査でも5名中3名が「好きなアーティスト」について言及していました。「推し」の出演情報をSNSなどで積極的に収集し、リアルタイム視聴はもちろん、録画や配信でのチェックといった能動的な視聴行動をとる傾向がみられたそうです。彼らにとってテレビ番組は、「推し」を応援するための重要なメディアの一つとなっています。このように、明確な「目的」を持ってテレビを視聴している学生も多数存在することが分かりました。
独自性のあるバラエティが人気!一方でテレビ番組はYouTubeなど他のコンテンツと常に比較されている
特に人気の番組である「水曜日のダウンタウン」や「世界の果てまでイッテQ!」が支持される理由として、アンケートの自由回答では「企画の面白さや独自性」「現場の楽しそうな雰囲気や親近感(番組制作スタッフとの絡み)」「出演者の魅力(掛け合いやツッコミ)」などが多く挙げられたとのことです。

一方で、インタビュー調査では「ピンとくる番組はない」という声や、「テレビ(地上波放送)ではなく、YouTubeやNetflixのコンテンツのほうが尖っていて見応えがある」といった意見も聞かれたそうです。
これらの結果から、テレビ番組は常に他のメディア上のコンテンツと比較されている状況にあることがうかがえます。「テレビだから観られる」という機会は減少し、テレビ番組の競合は同時間帯の他局番組(いわゆる裏番組)だけではなくなっていると言えるでしょう。
大学生の2人に1人がSNS起点のテレビ視聴
テレビ番組の情報収集方法として「SNSで流れてきたり、検索して(44.9%)」が回答者全体のトップとなり、SNSがテレビ視聴の主要なきっかけとなっていることが明らかになりました。

多くの大学生にとって、SNSがテレビ番組との最初の接点になっていることが分かります。テレビ番組の視聴体験はもはやテレビ画面の前だけで完結するものではなく、SNSとの連動がますます一般的になっていくと考えられるとのことです。
SNS上の「切り抜き動画」が番組視聴のフックに
SNSでテレビ番組の情報を得る際、多くの学生は「番組や放送局の公式アカウントの投稿(41.7%)」や「番組出演者の投稿(34.9%)」といった公式情報を参照しています。しかし、「切り抜き動画(28.6%)」も無視できない存在となっていることが分かりました。

普段あまりテレビを観ない学生にとって、短時間で番組の魅力が伝わる切り抜き動画は、番組への興味を持つきっかけになったり、友人との話題に参加するための重要な手段となっているようです。インタビューでも「とあるドラマの切り抜き動画から続きが観たいと思ったことがある」といった意見が聞かれたとのことです。このことから、番組コンテンツの二次利用やSNS上での話題化が、新たな視聴行動につながる可能性が示唆されています。
サキダチラボ所長コメント
調査概要
調査名: 「テレビ視聴」に関するアンケート調査
調査方法: 「サークルアップ」内のアンケートオファーによる調査
調査対象: 全国の現役大学生・大学院生(大学1年生〜大学院2年生)
有効回答数: 350名
調査期間: 2025年3月14日~15日
インタビュー調査: 大学2〜4年生の男女5名へのデプスインタビューを実施

テテマーチ株式会社は企業向けにSNSマーケティング支援を中心としたビジネスを展開しています。「サキダチ、ヤクダツ。」をコンセプトに「これから世の中に広く普及するものをテテマーチが先立ってノウハウを習得し、世の中に役立てていこう」という願いを実現すべく活動をしているとのことです。2015年の創業時より、SNS領域に注目し、700社以上のサポートを実施。アカウントのコンサルティング、分析ツール開発など、さまざまなサービスをもって企業のSNS活用を支援しています。
会社概要
社名 :テテマーチ株式会社
所在地:東京都目黒区目黒1-24-12 オリックス目黒ビル6F
代表者:代表取締役 上田 大介
設立 :2015年6月12日
社員数:90名(パート・アルバイト含む)(2025年3月末時点)
事業 :SNSマーケティング支援/プロダクト開発/プロモーション支援/ブランドプロデュース
出典元:株式会社テテマーチ プレスリリース