株式会社D4cアカデミー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:和田 陽一郎)は、従業員数100名以上1,000名未満の中小企業経営者を対象とした「中小企業における生成AI活用の実態と課題に関する調査」を実施し、その結果を発表しました。この調査により、中小企業における生成AIの業務活用の実態や課題が明らかになりました。

調査の背景

日本では少子高齢化の進行により、特に中小企業において人手不足が深刻な課題となっています。業務負担の増加や労働力確保の難しさが経営を圧迫する一方、大企業ではDXの一環としてAI導入が進み、業務効率化や生産性向上が図られています。この流れは中小企業にも波及しつつあり、競争力維持のためにAI活用が不可欠になると予想されています。

近年飛躍的に進化した生成AI技術は、人手に頼っていた複雑な業務の効率化を可能にし、人手不足の解消に貢献する可能性を持っています。しかし、Microsoft社の「2024 Work Trend Index Annual Report」によると、日本のナレッジワーカーの生成AI活用率は32%と、調査対象19か国中で最下位という結果が出ています。

このような状況を受け、株式会社D4cアカデミーは、生成AIを導入している企業の活用実態と課題を明らかにするための調査を実施しました。

調査概要

調査期間:2025年2月20日~2月27日

調査方法:インターネット調査

調査対象:生成AIを業務に導入している、従業員数100名以上1,000名未満の中小企業経営者(20代以上の男女)

調査人数:103名

モニター提供元:RCリサーチデータ

主な調査結果のサマリー

  • 生成AI導入の目的は既存業務の効率化や改善が主流
  • 現在導入している生成AIの選定理由は企業によって多様
  • 生成AI導入企業の約9割が効果を実感
  • 最も効果を実感している項目は「社員の負担軽減」
  • 活用促進のために「社内研修やトレーニングの実施」や「社内マニュアルやガイドラインの整備」などの取り組みが行われている

生成AI導入の目的は既存業務の効率化や改善が主流

「生成AI導入の一番の目的」を尋ねた質問では、「業務効率化」が26.2%で1位、「生産性向上」が22.3%で2位となっており、この2つが20%を超えています。次いで「コスト削減」「新たなビジネスチャンスの創造」と続いています。この結果から、生成AIの導入は新規ビジネス創出やイノベーション促進よりも、既存業務の効率化や改善を目的としている企業が多いことがわかります。

現在導入している生成AIの選定理由は企業により様々

「現在導入している生成AIの選定理由」については、「特定の業務や用途に特化した機能が優れていたため」が1位となりましたが、上位5つの回答がいずれも3割前後の回答率を示しています。このことから、生成AIの選定理由は企業によって多様であり、機能の優位性や信頼性、既存システムとの連携のしやすさなど、各社が重視するポイントが異なることが明らかになりました。

生成AIを導入した中小企業経営者の約9割が効果を実感

「生成AIを導入して、効果をどの程度実感しているか」との質問に対しては、「ある程度実感している」が50.5%で1位、「非常に実感している」が38.8%で2位となりました。両者を合わせると約90%に達し、調査対象となった中小企業経営者の大多数が生成AI導入の効果を実感していることがわかります。

また、「生成AI導入の一番の目的」ごとの効果実感度を見ると、「コスト削減」「イノベーションの促進」「人材不足への対応」を目的とした企業で高い数値を示しており、これらの目的に対して生成AIが高い効果を発揮していることがうかがえます。

さらに、「現在導入している生成AIの選定理由」別の効果実感度では、「補助金や助成金を活用でき、導入コストを抑えられるため」と回答した企業が、他の理由を挙げた企業に比べて高い効果実感を示しています。どの選定理由においても「実感していない」という回答は約10%程度であり、明確な理由に基づいた選定が満足度向上につながることが示唆されています。

「社員の負担軽減」が最も実感されている効果

生成AIの導入効果を実感している企業に「具体的にどのような効果を実感しているか」を質問したところ、「社員の負担軽減」が50.0%で1位、「業務時間の短縮」が39.1%で2位、「データ分析の精度向上」が37.0%で3位となりました。この結果から、生成AI導入によって社員の業務負担が軽減され、業務時間が短縮されるという効果が最も顕著に表れていることがわかります。

生成AI活用促進のための社内取り組み

生成AIの効果を実感している企業に「活用促進のためにどのような社内取り組みを行っているか」を質問したところ、「社内研修やトレーニングの実施」を筆頭に、上位6つの回答がいずれも30%前後の回答率を示しました。この結果から、生成AIの活用促進に向けて企業ごとに様々な取り組みが行われており、特に「社内研修やトレーニングの実施」や「社内マニュアルやガイドラインの整備」が比較的多くの企業で実施されていることが明らかになりました。

生成AI導入効果を実感できていない理由

一方、生成AIの導入効果を「あまり実感していない」または「全く実感していない」と回答した企業に、その理由を尋ねたところ、様々な回答が得られました。企業ごとに異なる課題を抱えていることが明らかになっています。

生成AI活用促進のために必要なこと

最後に、効果を実感できていない企業に「生成AIの活用促進のために何が必要だと思うか」を質問したところ、こちらも企業ごとに多様な回答が得られました。

調査結果のまとめ

今回の調査から、従業員数100名以上1,000名未満の中小企業における生成AI導入の主な目的は「業務効率化」「生産性向上」「コスト削減」であり、選定理由は「特定業務に特化した機能の優位性」や「信頼性」が重視されていることが明らかになりました。また、導入企業の約9割が何らかの効果を実感しており、特に「社員の負担軽減」において顕著な効果が見られています。

さらに、効果を実感している企業では、「社内研修やトレーニングの実施」や「社内マニュアルやガイドラインの整備」などの取り組みを通じて生成AIの活用促進を図っていることがわかりました。

本調査結果から、生成AIの活用促進には「実践的な社内研修の実施」が重要であることが示唆されています。

調査実施会社について

株式会社D4cアカデミー

代表者:代表取締役社長 和田 陽一郎

事業内容:データサイエンスに関する下記事業、スクール運営、研修・セミナー・講演会の企画・運営、研修・セミナー・講演会への講師派遣、人材育成についてのアドバイザリー、人材紹介事業、人材派遣事業

出典元: 株式会社D4cアカデミー プレスリリース

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