浦和PARCO(店長:米山由紀)が2024年度(2024年3月~2025年2月)において取扱高315億円(前年比111.0%)を達成し、2期連続で過去最高記録を更新したことが同社より発表された。2021年度以降に実施された段階的な改装プロジェクトや新規業態導入の成果が表れ、各販売カテゴリーが好調に推移している。
浦和PARCOは2024年2月、首都圏初となるメディカルモール「Welpa(ウェルパ)」を導入し、健康維持やセルフケアの視点から新たなライフスタイル提案を強化した。また、レストランフロアでは「食のバラエティアップ」をコンセプトとしたリニューアルを実施し、来店客から高い評価を獲得している。
同施設は2022年度から2024年度の3年間で、館全体面積の21.3%に相当するスペースを刷新。幅広い商品構成(MD)展開と魅力的な店舗導入を積極的に推進してきた。さらに2025年度には約3,000㎡規模の追加改装が予定されており、地域顧客との関係性を重視しながら、イベントやPOP UP SHOPなどを多数展開し、「訪れるたびに新しい発見がある」施設づくりを進めていく方針だという。

この記事の目次
2024年度の改装実績と成果
【2024年度改装概要】
改装区画:16店舗(約1,500㎡)
取扱高改装ゾーン前年比:124.6%
2024年度における主な改装店舗は以下の通りである。館内の各フロアで特色ある店舗が導入され、来店客の多様なニーズに応える構成となっている。
B1F フロア改装店舗
- 「ビアードパパ」
- 「あんこのやまか」
- 「WithGreen」
- 「こだわりや」
- 「キャンドゥ」
- 「MOMI&TOY'S」
2F フロア改装店舗
- 「ルクールブラン」
4F フロア改装店舗
- 「ベビーパーク/トイズアカデミー」
5F フロア改装店舗
- 「山下本気うどん」
- 「鯛塩そば 灯花」
- 「韓美膳」
- 「こてがえし」
- その他
これらの改装により、各フロアの集客力と販売力が向上し、取扱高改装ゾーンでは前年比124.6%という大幅な成長を記録。施設全体の売上増加に大きく貢献していると同社は説明している。
特に好調を記録している店舗のご紹介
2024年度の改装で導入された店舗の中から、特に高いパフォーマンスを示している3店舗が紹介された。健康志向の高まりや多様化する食のニーズに応える店舗が好評を博しているという。
B1F:WithGreen(サラダボウル専門店)

B1Fに出店した「WithGreen」は、新鮮な野菜とヘルシーな食材を使用したサラダボウル専門店として、健康志向の顧客から高い支持を集めているとのこと。彩り豊かなメニュー構成と栄養バランスを考慮した商品開発により、幅広い年齢層に支持されている。特に女性客や健康を意識するビジネスパーソンからの支持が厚く、ランチタイムを中心に賑わいを見せているという。
5F:鯛塩そば 灯花(ラーメン)

5Fレストランフロアにオープンした「鯛塩そば 灯花」は、鯛から取った上品な出汁を活かした塩ベースのラーメンが評判となっている。一般的な豚骨や醤油ベースとは異なる繊細な味わいが特徴で、ラーメン愛好家だけでなく、これまでラーメンに興味が薄かった顧客層からも注目を集めている。シンプルながらも奥深い味わいと美しい店内の雰囲気が、レストランフロアの新たな魅力として機能していると報告されている。
5F:韓美膳(韓国料理)

同じく5Fに出店した「韓美膳」は、本格的な韓国料理を手頃な価格で提供する店舗として人気を博しているとのこと。韓国エンターテイメントの人気を背景に高まる韓国文化への関心に応え、伝統的な料理から現代的なメニューまで幅広く取り揃えている。特に若年層の女性客を中心に固定ファンを獲得し、SNSでの口コミ効果も相まって集客に貢献していると同社は説明している。
2021年度からの継続的改装戦略
浦和PARCOでは2021年度以降、計画的かつ段階的な改装を実施してきたと報告されている。3年間で館全体の21.3%に相当するスペースを刷新したことで、テナントミックスの最適化と新たな顧客体験の創出に成功した。この戦略的な改装によって、既存顧客の満足度向上と新規顧客の獲得が実現し、2期連続の過去最高取扱高という成果につながったとのことだ。
改装は単なる店舗入れ替えにとどまらず、各フロアのコンセプトを明確化し、顧客動線の最適化や滞在時間の延長を目指した設計となっている。特に2024年2月に導入されたメディカルモール「Welpa(ウェルパ)」は、従来の商業施設の枠を超えた新たな価値提供として注目されている。
レストランフロアの「食のバラエティアップ」
5Fを中心としたレストランフロアでは、「食のバラエティアップ」をテーマにしたリニューアルが実施された。上述の「鯛塩そば 灯花」「韓美膳」に加え、「山下本気うどん」「こてがえし」など、多様なジャンルの飲食店が新たに加わったことで、顧客の選択肢が大幅に拡大している。
これらの飲食店は単に料理のバリエーションを増やすだけでなく、それぞれが独自の世界観とこだわりを持った店舗であり、食事を目的とした来館動機を強化する役割を果たしていると同社は分析している。レストランフロア全体の集客力向上は、他フロアへの回遊性を高め、館全体の活性化につながっているとのことだ。
今後の展望と2025年度の改装計画
浦和PARCOは2025年度においても、約3,000㎡の規模で改装を予定していることが明らかにされた。これまでの成功体験を活かしながら、地域の顧客ニーズをさらに深く掘り下げ、時代の変化に対応した魅力的な施設づくりを継続する方針だという。
具体的には、イベントやPOP UP SHOPなどの期間限定企画を積極的に展開し、「訪れるたびに新しい発見がある」体験価値を高めていくことに注力するとのこと。定期的な来店を促進するとともに、SNSなどを通じた情報拡散効果も期待されている。
また、地域コミュニティとの連携強化も重要な取り組みの一つとして位置づけられており、地元企業や教育機関、文化団体などとのコラボレーションを通じて、地域に根差した商業施設としての存在感を高めていく計画だと報告されている。
まとめ
浦和PARCOは2024年度、取扱高315億円(前年比111.0%)を達成し、2期連続で過去最高記録を更新した。2021年度以降実施してきた段階的な改装と新業態導入がこの成果につながっており、特に2024年度に改装した16店舗(約1,500㎡)のエリアでは前年比124.6%という顕著な成長を記録している。
健康志向に応える「WithGreen」や、多様化する食のニーズに対応する「鯛塩そば 灯花」「韓美膳」などの新店舗が好調を維持し、館全体の活性化に貢献。2025年度も約3,000㎡規模の改装を予定しており、地域顧客との関係性を重視しながら、常に新しい発見がある施設づくりを継続していく方針だという。
浦和PARCOの成功事例は、変化する消費者ニーズを的確に捉え、計画的な改装と新たな価値提供を継続することの重要性を示している。商業施設における長期的な成長戦略の一つのモデルとして、今後も注目される存在といえるだろう。
出典:浦和PARCO公式発表