
国内の8つのカード会社(詳細は「会社概要」を参照)および株式会社ACSiON(以下「アクシオン」)、さらに日本クレジットカード協会(以下「JCCA」)は、最近増加しているフィッシング被害への対応として、クレジットカード情報が盗まれる事例を防ぐことを目的に、2025年4月から共同でフィッシングサイトの閉鎖に取り組むことを発表した。
1.背景
2024年に発生したクレジットカードの不正利用被害額は555億円となり、過去最高の記録を更新した。この数値の約92.5%はクレジットカード番号の盗用によるものである(※1)。このような状況の背後には、実在のサービスや企業を装った偽のメールやSMS(ショートメッセージ)を使って、偽のウェブサイトに誘導するフィッシングが急増していることがある。
2024年に報告されたフィッシング件数は約170万件に達し、前年から約50万件増加した。フィッシングの対象となるサービスや企業は、カード会社や金融機関だけでなく、ECサイトや公共サービスなどに広がり、その手口も一層巧妙化している(※2)。
2024年6月18日、犯罪対策閣僚会議では「国民を詐欺から守るための総合対策」が決議され、フィッシングサイトにアクセスさせないための施策として「フィッシングサイトの閉鎖促進」の重要性が強調された。
多くのカード会社は、自社ブランドを模倣したフィッシングサイトの閉鎖に取り組んでいるが、クレジットカード番号は他社フィッシングサイトからも盗まれている。これを受け、国内のカード会社8社、アクシオン、JCCAは共同で他社フィッシングサイトの能動的な閉鎖に向けた環境整備を進めていく方針である。
(※1)一般社団法人日本クレジット協会による公表計数に基づく
(※2)フィッシング対策協議会による公表計数に基づく
(図1)クレジットカード不正利用被害額の推移
(図2)フィッシング報告件数推移

2.具体的な取り組み内容
(1)フィッシングサイトの閉鎖
アクシオンの豊富な経験と実績を活用し、フィッシングサイトを集中的に検知し、迅速に閉鎖依頼を行うことで、フィッシング被害の抑制を図ることを目的とする。
(※3)不正サイトの申告や通報手続きを含む
(2)他社フィッシングサイトへの呼びかけ
国内カード会社8社とアクシオン、JCCAは、クレジットカード不正利用の抑制に向け、フィッシングサイトが多く報告されている企業や業界団体に自己の閉鎖対応を促し、必要なノウハウを提供しながら、閉鎖に向けた取り組みを共同で促進していく。
出典元:フィッシング対策協議会「フィッシングレポート 2024」