
株式会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)は、日本を代表する電子チラシサービス「Shufoo!」において、TOPPANグループに属し、月間20万枚以上のチラシデータと全国で1,100万人のユーザーデータを活用した「次世代販促支援AIツール(仮)」を2025年夏より提供開始する予定です。
この記事の目次
新ツール提供の背景
近年の小売業界では、原材料価格の上昇や人手不足、デジタル化の流れにより、高度な販促戦略が求められています。特に販促部門では限られた人員体制の中で、迅速に進化するデジタル環境に適応し、多様なメディアを利用した販促活動が不可欠です。そのため、デジタルスキルの習得が大きな課題となっています。また、消費者の購買行動が多様化しているため、従来の経験則に基づく販促計画では、ターゲティングや訴求が難しくなることが増えています。
このような課題を考慮し、同社は「Shufoo!」が蓄積してきた膨大なデータを活用し、AIによる販促効果の分析および予測を実現する新たなサービスの開発を開始しました。「Shufoo!」では、毎月20万枚のチラシデータと1,100万人を超えるユーザーによる月間1億回以上の閲覧データおよび月間1,000万回の来店データを保有しています。これらの情報をAIおよびOCR技術で解析し、チラシのタイトルや時期、商品配置、デザインなどを多角的に分析します。
「ビジットトラッキング」の導入により、ユーザーのチラシ閲覧や来店行動データを組み合わせることで、販促の効果予測や最適化が可能なAIモデルの構築を目指しています。このモデルを基に、分析やレポーティング、AIチャットボットによる企画支援、さらにはチラシや各種クリエイティブの制作サポートを行う生成AIの提供も予定されています。これにより、従来の経験則に基づく販促活動から、データ主導の販促戦略へのシフトを実現します。
「次世代販促支援AIツール(仮)」サービス詳細
(1)AIによる日本全国チラシクリエイティブの多角的解析
月間20万枚にのぼる販促チラシを包括的に解析し、商品の文言の分析だけでなく、催事のテーマや訴求内容、商品陳列など、チラシの各要素にAIを活用した分析を行います。地域特性や季節的要因、気象条件も組み合わせることで、より効果的な販促企画の策定を支援します。

(2)詳細な顧客反応分析
店舗の来店動向を可視化する「ビジットトラッキング」を用い、新規および既存顧客の反応率、年代別の来店動向など、さまざまな視点からチラシの影響を分析します。AIによる要因分析を行うことで、特定の顧客層に対してどの販促手段が効果的であるかを明らかにし、それに基づいた最適な販促戦略を構築します。

(3)チラシ・販促の分析・企画・制作をAIで支援
販促成果と来店データを分析する「分析・レポーティング機能」、過去の成績をもとに販促プランや価格設定を提案する「AIチャットボット機能」、さらに効率的なチラシやバナーのクリエイティブ制作を支援する「クリエイティブ生成AI」を開発しています。これにより、データに基づいた効果的な販促活動と業務効率の向上を支援することが可能です。

今後の展開
この「次世代販促支援AIツール」は2025年夏から順次リリースを行う予定で、流通小売業界やメーカーにおける販促業務の効率化および販促効果の最大化を目指します。このサービスを通じて、「Shufoo!」は従来の電子チラシ配信メディアとしての役割から、データとAIを融合させた新たな「メディアとAIによるマーケティングサービス」へと進化することを目指しています。
Shufoo!について
月間1,600万人以上(2024年7月の段階で、ASP上のアクセスを含む)が利用し、全国12万店舗以上が参加する日本最大級の電子チラシサービスです。全国のスーパーマーケット、ホームセンター、家電量販店、ドラッグストアなどのチラシを無料で閲覧でき、各店舗のおススメ商品やタイムセール、バーゲン情報、クーポンや割引キャンペーン、レシピ検索など、日々の買い物を便利かつお得にする情報が満載です。これらのサービスはスマートフォンアプリに加え、PCやタブレットなど様々な端末で利用可能です。「Shufoo!」は2001年8月からTOPPAN株式会社によって運営され、2019年4月1日よりTOPPANグループの株式会社ONE COMPATHがその運営を引き継いでいます。
出典元: 株式会社ONE COMPATH プレスリリース