
東京都江東区に本社を置くアフターコールナビ株式会社が、経営者を対象にカスタマーハラスメントの実態調査を行ったことが明らかになりました。
以前に実施された調査(こちら)では、カスタマーハラスメントに対して土下座を行った方の割合やその理由に関する情報が報告されました。
しかし、過剰な要求に応じた結果として派生する新たな問題も見受けられます。カスタマーハラスメントが企業の従業員のメンタルヘルスや業務進行、さらには全体の経済的影響に及ぼす影響を探求します。
この度、アフターコールナビ株式会社(公式サイト)は、カスタマーハラスメントを実際に経験した経営者を対象に、「カスタマーハラスメントの要求に対する対応」に関する調査を開始しました。
この記事の目次
カスタマーハラスメントの顧客の年齢層は40代が最多
最初の質問として「カスタマーハラスメントを行った相手の年齢層はどのくらいでしたか?」という問いに対し、最も多いのが『40代(39.1%)』であり、続いて『50代(35.5%)』と『30代(31.0%)』という結果が得られました。
これらの年齢層は、社会的且つ経済的な影響力を持つ反面、カスタマーハラスメントを引き起こす傾向があることが示されています。
また、カスタマーハラスメントに直面した際の対応についての質問も行われました。

「カスタマーハラスメントに対しどのような対応をしましたか?」という質問には、約6割が『部分的に応じた(31.3%)』または『全面的に応じた(24.6%)』と回答しました。
このことから、大多数の経営者が、何らかの形でカスタマーハラスメントに対応しなければならない状況が伺えます。
前の質問で『部分的に応じた』『全面的に応じた』とした方々に「カスタマーハラスメントでどのような要求をされたのでしょうか?」と尋ねたところ、最も多かったのが『金銭的補償(48.6%)』、次いで『公開での謝罪(35.5%)』という結果が出ました。
金銭や謝罪に関する要求が多く、問題解決が非常に困難であることが明らかになりました。
カスタマーハラスメント対応後、追加要求を受けた方は3割に上る
さらに、土下座を求められた経営者への追加要求について調査しました。

カスタマーハラスメントで『土下座』を求められた経営者に「その後何か追加で要求されましたか?」と質問したところ、最も多かったのが『謝罪文の提出(72.6%)』であり、その後『商品やサービスの無償提供(50.4%)』『金銭的補償(41.6%)』という結果となりました。
土下座を求めるカスタマーハラスメントは、単なる屈辱的な要求だけでなく、さらなる要求の引き金となることが示されました。

また『金銭的補償』を求められた経営者に「要求された具体的な金額はいくらでしたか?」と質問した結果、最も多かったのが『10万円~15万円未満(22.7%)』、次いで『5万円~10万円未満(16.9%)』『1万円~5万円未満(13.0%)』となりました。
要求金額は様々ですが、いずれにしても比較的大きな負担となるケースが多いです。
では、対応後の相手の反応はどうだったのでしょうか。

続けて「対応後、相手はどのような反応を示しましたか?」という質問を投げかけたところ、最も多かったのが『不満を残して終了した(44.2%)』であり、その後には『納得して収束した(27.8%)』『さらなる要求をした(25.6%)』が続きました。
約4割の方が『不満を残して終了した』と回答し、問題が完全には解決されていないことが示唆され、再発するリスクがあることが分かります。『納得して収束した』ケースは3割に満たず、現在の対応方法には限界があることが浮き彫りになりました。
さらなる要求の内容についても調査を行いました。
前の質問で『さらなる要求をされた』と答えた方に「その内容は何でしたか?(複数回答可)」と尋ねたところ、最も多かったのが『追加の商品やサービスの無償提供(46.6%)』で、次いで『担当者への処分(42.0%)』『契約内容を超える要求(38.6%)』という結果が得られました。
約半数の方が追加の無償提供を求められる経験をしており、さらに、担当者に対する処分を求める要求も4割以上に上っています。一部の顧客が企業側からの譲歩を悪用し不当な利益を得ようとしていることが伺えます。
カスタマーハラスメントにより「従業員のメンタルヘルス」に影響を与えたと半数が回答
次に、カスタマーハラスメントが企業に与える影響について調査を行いました。

「カスタマーハラスメントの対応によってどのような影響を受けましたか?(複数回答可)」という質問において、最も多い回答が『従業員のメンタルヘルス(47.2%)』であり、その後『業務の進行(40.3%)』『経済的な損失(33.3%)』『職場の雰囲気(33.3%)』という結果が続きました。
従業員のメンタルヘルスに対する影響が約半数で最も高く、カスタマーハラスメントの影響は業務上の課題を超え、個々人のメンタルヘルスに直接的に悪影響を与えることが示されています。
業務の進行や経済的な損失、職場の雰囲気への影響も多数見られ、カスタマーハラスメントは企業の生産性や財務、組織全体に負の影響を及ぼす大きな要因となっています。
また「カスタマーハラスメントへの対応が完全に終結するまでにかかった総時間はどのくらいでしたか?」という質問には、最も多かったのが『1時間~3時間未満(20.2%)』、次いで『30分~1時間未満(17.8%)』『3時間~6時間未満(11.8%)』という結果が得られました。
短時間で終了しない事例も多く、こうした長期化の対応は企業にとっての負担となることが明らかです。

最後に「カスタマーハラスメントの対応で最も大変だったことは何でしたか?」という質問に対し、最も多く挙げられたのが『対応にかかる時間が長く、業務に支障をきたした(43.6%)』で、その後には『従業員のメンタルヘルスへの影響が心配だった(42.1%)』『顧客の要求が過剰で、どのように対応すべきか判断が難しかった(32.6%)』が続きました。
業務への影響が最も多く報告されていることから、カスタマーハラスメントが企業の生産性や効率性に直接的な低下を引き起こす要因となっていることを示しています。
さらに、カスタマーハラスメントが単なる業務上のトラブルを超えて、個人のメンタルヘルスにも重大な悪影響を及ぼすことが明るみに出ました。
まとめ:カスタマーハラスメントは対応の長期化と従業員メンタルヘルスへの影響が大きい
今回の調査を通じて、カスタマーハラスメントの実態とその企業や従業員への影響が鮮明に示されました。
特に、30代から50代の顧客による要求が多く、金銭的要素や謝罪という負担を強いられる要求が目立ち、その後の対応がエスカレートする傾向も確認されました。
土下座や公開謝罪という心理的にも過酷な要求が多く含まれ、これが対応者のストレスとメンタルヘルスを悪化させる要因となっています。
さらに、顧客の要求に対して完全または部分的に応じた企業も多数存在しましたが、対応後に「不満を残して終了した」と答えたケースが多いことから、満足のいく解決に至っていない事例が少なくないことが示されています。
こうした結果は、顧客の要求が繰り返し生じる状況や新たなハラスメントの連鎖を生む可能性を示唆しています。
カスタマーハラスメントに対する対応には1時間以上の時間を要することが約半数に達し、これが企業全体の生産性や職場環境に悪影響を与えているようです。
さらに、ハラスメントへの対応に伴う影響として「従業員のメンタルヘルスへの悪影響」が最も多く挙げられ、その後には「業務の進行への支障」や「経済的な損失」が続きました。
これらの問題に対処するためには、迅速な情報共有や、メンタル的に安心できる職場環境の構築が求められています。
出典元:アフターコールナビ株式会社 プレスリリース