EC事業者の約40%が業務を外部委託、梱包作業への負担感とコスト削減のメリット

＜背景＞

新型コロナウイルスの影響で急成長を遂げているEC市場は、今後もこのトレンドが継続する見込みです。EC事業者や製作会社は、ビジネス拡大に伴い大量の商品をセットアップ、保管、梱包、発送する必要があり、本来の業務である企画や開発、マーケティングに時間を取られる傾向が強まっています。この課題の解決策の一環として、K CORPORATIONは調査を行いました。

＜調査サマリー＞

・EC事業者及び製作会社の約40%が商品のセットアップ・保管・梱包・発送を外部業者に委託している。

・特に「梱包作業」への負担感が多く見られた。

・外部に業務を委託している企業で最も頻繁に依頼されるのは「梱包作業」である。

・外部委託による「コスト削減」を実感している企業が多数。

・全業務を外部委託している企業が業者選定で最も重視するのは「信頼性」である。

・外部委託により社内では「マーケティング活動」や「顧客満足度向上」に注力できるようになった。

＜調査概要＞

調査期間：2024年11月27日～11月29日

調査方法：インターネット調査

調査対象：EC商品販売を行う企業または製作会社で、保管・梱包・発送業務を担当する20代から50代の男女社員

調査人数：318名

モニター提供元：RCリサーチデータ

調査結果によると、商品のセットアップ・保管・梱包・発送業務を「社内で全て行う」と答えたのは61.0%。「一部を外部業者に委託」が32.7%、「全て外部業者に委託」が6.3%であった。これにより、EC事業者や製作会社の約40%が一部でも業務を外部に委託していることがわかった。

社内業務を全て行っていると答えた方に対して、感じている負担感を尋ねたところ、1位が「梱包作業」で51.0%、次いで「在庫管理」が45.4%、3位は「発送手配」で38.1%と判明。この結果から、特に「梱包作業」に対する負担感が際立っていることが確認できた。

外部業者に一部業務を委託している企業に対して尋ねたところ、「梱包作業」が59.6%で1位、次に「発送手配」が55.8%、3位は「在庫管理」で41.4%という結果が出た。発送関連業務において特に負担を感じている作業が委託されていることが明らかになった。

外部委託を行っている企業に、主なメリットを尋ねたところ、1位は「コスト削減」で46.1%、2位は「発送品質の向上」で28.9%、3位は「社内リソースの確保」で15.4%という結果が出た。これにより、多くの企業が外部に発送関連業務を委託することでコスト削減を実感していることが分かった。

すべての業務を外部に委託している企業に、「外部業者選定時に重視したポイント」を尋ねたところ、最も重視されたのは「業者の信頼性」で40.0%、次いで「作業の正確さ」「発送スピード」「対応の柔軟性」が同率で35.0%という結果だった。このことから、企業が外部業者選定に際して信頼性に加え、正確性や迅速性、柔軟な対応も重要視していることが分かった。

外部業者へ業務を全て委託した企業に新たに取り組んだ活動を尋ねたところ、1位が「マーケティング活動への注力」で40.0%、2位が「顧客対応の品質向上」で30.0%という結果が出た。これにより、売上向上や顧客満足度の向上など、重要な活動に多くの時間を割くことができていることが分かった。

まとめ

調査結果は、EC事業者や製作会社が40%近く商品業務を外部に委託し、特に「梱包作業」に対して大きな負担感を持っていることを示しています。また、この外部委託にはコスト削減のメリットが多いとし、業者選定の際には信頼性が重視されていることも明確になりました。さらに、外部委託によって社内では「マーケティング活動」や「顧客満足度向上」に注力できるようになっています。