インドネシアのZ世代は、総人口の約25%を占め、社会や経済において重要な役割を果たす世代です。彼らはデジタルネイティブであり、スマートフォンやSNSを駆使して情報を得て、オンラインショッピングを通じて商品を購入しています。したがって、日本企業がこの成長市場にアプローチするには、インドネシアZ世代のニーズや価値観を把握した上で、効果的なマーケティングや商品戦略を練る必要があります。KoeeruはこのグローバルなZ世代向けビジネス展開を進めるための貴重なデータを定期的に公開しています。
【インドネシアZ世代調査結果の概要】
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購入決定時の最も影響を及ぼす要因として、「品質」が最も重要であり、次いで「価格」が続いています。また3位には「オンラインレビュー」がランクインしており、こちらは「家族や友人からの推薦」を大きく上回る結果です。
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高い購買キーとして挙げられたカテゴリーは、圧倒的に「日用品(食品・飲料など)」が最も多く、次いで「電子機器・テクノロジー」、「エンターテインメント(映画や外食など)」、「健康・ウェルネス」が同様に続いています。
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購入チャネルに関しては、約半数が「オンライン」と回答しました。「オンラインと実店舗がほぼ同じくらい」という意見もあり、実店舗のみを利用している回答者はわずか6.0%でした。
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月間支出について最も高額だったのは、50万~100万インドネシアルピア(おおよそ4,750円~9,500円)という中程度の支出レベルでした。
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訪日への関心に関しては、全体の95.2%が日本に訪れたいと考えている一方で、実際に訪れたことのある人は全体の20%にとどまりました。これからの訪日意向が高い層として注目される結果です。
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日本で興味を持っている体験としては、「四季の自然(桜、紅葉、雪など)」、「日本食」、「有名観光地の訪問」が上位に挙がっています。さらに「日本のポップカルチャー」が43.0%となっており、調査対象の20代男性が約80%を占めているため、インドネシアZ世代男性が日本との結びつきに特異な興味を示す結果となりました。
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調査の概要
調査国:インドネシア
サンプルサイズ:400名(男性336名、女性64名)
対象:20〜29歳 男性・女性
調査期間:2024年10月21日~22日
調査手法:オンライン調査(Koeeruによるグローバルリサーチ)
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購入決定時の影響因子は?
「品質」と「価格」が最も影響を及ぼし、60%以上が購入時の重要な要素として挙げています。次付には「オンラインレビュー」が36.5%と、11.5%の「家族や友人からの推薦」を大きく上回っており、Z世代においてはオンラインの評価や口コミが購買決定においてより重要視されています。
Z世代の消費者の認識を形成するデジタルプラットフォームの重要性に鑑み、企業は効果的な広告マーケティングやコンテンツ戦略を展開し、消費者との関係構築やブランド信頼の醸成が求められます。
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購入チャネル:オンラインかオフラインか?
収入層別の購入チャネル分析では、各層でオンラインショッピングの利用割合は約50%であり、特に高所得層ではオンラインと実店舗の両方を使用するトレンドが顕著です。彼らはデジタルネイティブであり、情報をオンラインで得た後に実店舗で購入するという多様なチャネルを活用した購買行動を示しています。このため、各チャネルのメリットをうまく組み合わせて、彼らの購買意欲を喚起する戦略が有効であると考えられます。
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日本で興味のある体験は?
日本に訪れたいと考える回答者が選んだ体験のトップは「四季の自然(桜、紅葉、雪など)」で55.9%。次いで「日本食」が50.4%、3位が「有名観光地の訪問」で44.1%を占めています。また、続いて僅差で4位には「日本のポップカルチャー」が43.0%となっています。今回の調査では20代が多数を占め、その中でも男性が84.0%を占めているため、インドネシアZ世代男性にとって日本のアニメ、漫画、J-POPなどのポップカルチャーは非常に魅力的であることが示唆されています。このような日本独自の文化を活かしたコンテンツやイベントを利用した集客施策の展開も期待されます。
出典元:Koeeru