SaaSレビュープラットフォームのキャプテラはこの度、カスタマーサービス業務に携わる12カ国の2,307名に「カスタマーサービスにおけるテクノロジーに関する調査」を実施し、結果をまとめ公開しました。

本記事は、キャプテラ(Capterra)のWebサイトに掲載されている「AI技術でカスタマーサービスの「生産性」と「顧客満足度」が向上【現場の人に聞いた】」の一部を抜粋したものです。詳しくはそちらをご覧ください。調査内容の詳細は本記事文末でご覧いただけます。

本調査は、カスタマーサービスへのAI導入がどのくらい日本で進んでいるか、現状を明らかにする目的で行われました。カスタマーサービス担当者が感じる、そのメリットやデメリットについてもまとめています。

本記事のポイント:

  1. 日本のカスタマーサービスのAI導入率は32%と世界最低レベル
  2. カスタマーサービスにおけるAI導入のメリット・デメリット
  3. 「5年後には、約半数のカスタマーサービスがAIのみで対応される」と予想

1、日本のカスタマーサービスのAI導入率は32%と世界最低レベル

キャプテラ「カスタマーサービスにおけるテクノロジーに関する調査」:利用中のカスタマーサービスツールにAI機能が搭載されているか

Q.「あなたの知る限りで、現在利用しているカスタマーサービスソフトウェアにAIの機能や処理能力が組み込まれていますか?」

注)「わからない」の回答を除外して集計

12カ国平均
はい(57%)、いいえ(43%)

日本
はい(32%)、いいえ(68%)

日本のDXは世界に遅れをとっていると言われていますが、カスタマーサービスにおいてもAI導入は他国に大きく遅れをとっているようです。

2、カスタマーサービスにおけるAI導入のメリット・デメリット

日本の全回答者に、カスタマーサービスソフトウェアにAI機能を組み込むことで一般的に顧客にどのような影響を与えているか尋ねたところ、8割がAIによって顧客体験が向上していると回答しました。

では実際にどのようなメリットとデメリットを感じているのか見てみましょう。

キャプテラ「カスタマーサービスにおけるテクノロジーに関する調査」:AI搭載のカスタマーサービスツールを導入する利点と課題の認識

Q.「AIを活用するカスタマーサービスソフトウェアを導入する最大の利点は何だとお考えですか?」

注)複数回答のため、合計は100%にならない。回答数の多かった上位3項目のみを抜粋して掲載

  • 顧客対応時間の短縮(56%)
  • 費用の削減(50%)
  • 顧客満足度の向上(24%)

Q.「AIを活用するカスタマーサービスソフトウェアを導入するときの最大の課題は何だとお考えですか?」

注)複数回答のため、合計は100%にならない。回答数の多かった上位3項目のみを抜粋して掲載

  • 正確な情報の確認(43%)
  • 顧客との信頼関係の維持(40%)
  • 導入とトレーニング(29%)

3、「5年後には、約半数のカスタマーサービスがAIのみで対応される」と予想

日本でのカスタマーサービスにおけるAI導入は他国に比べ遅れてはいるものの、担当者からのポジティブな見解を受けて、今後増えて行くことが予想されます。

では実際に今後どの程度成長していくか、質問したところ、5年後には、約半数のカスタマーサービスがAIのみで対応されると予想されていることが明らかになりました。

キャプテラ「カスタマーサービスにおけるテクノロジーに関する調査」:5年後のAIのみで対応されるカスタマーサービスの割合

Q.「今後5年間で、カスタマーサービスの問い合わせが人間のオペレーターやエージェントではなく、AIによってのみ管理される割合はどのくらいになると思いますか?」

47%(予想平均)

まとめ

今回の記事では、「カスタマーサービスにおけるテクノロジーに関する調査」をもとに、日本のカスタマーサービスにおけるAI導入の現状や、担当者が感じるそのメリットやデメリットをまとめました。

日本の多くの企業が、カスタマーサービスにAIを導入していない、またはその存在を理解していない状況にあることが明らかになりました。その一方で、カスタマーサービスにAIを導入している企業からは、生産性の向上や顧客満足度の改善といったポジティブな効果が報告されました。

今後ますます増えていくと予想されるカスタマーサービスにおけるAI活用。その導入における社内教育を充実させ、人間のオペレーターとの連携をうまく図ることが、より質の高いカスタマーサービス提供への鍵となるでしょう。

キャプテラの「2024年カスタマーサービスにおけるテクノロジーに関する調査」は、2024年5月にオンラインで実施したもので、世界12カ国2,307 名 (うち、日本は192名) より回答を得ています。調査の目的は、最新の顧客サービス技術による顧客体験への影響を明らかにすることです。以下の条件に合致する方を対象としました。

  • 会社がカスタマーサービスの電話対応を行なっている
  • 2,500人未満規模の企業に正社員として勤務している
  • カスタマーサービス業務に日常的に直接携わっている
  • カスタマーサービス関連のテクノロジーを利用している、または購入決定に関与している

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