
2024年に入り、気がつけばすでに6月に入りました。もうすぐで一年の半分が終わると思うと時間の流れに驚くばかりです。今年の夏は暑くなると思われますが、このタイミングはEC業界でも熱く大きなトピックがあります。
例年、夏に入るタイミングでAmazonのプライムデーが実施されます。このプライムデーはAmazonに出品しているベンダー、セラーの皆様としては大きな商機となり、一年で最も重要なタイミングとなるでしょう。逆に考えるとここを逃すと、ブランドの成長にとって大きな損失になりかねません。
本記事が掲載されるタイミングではまだ日程は決まっておりませんが、過去の傾向から日程を予測し、今からでもできる準備について考えていきたいと思います。
神原 諒
株式会社esole
2005年に大学卒業後、媒体営業、国内大手SSPでの営業、LPOベンダーの営業、マーケティング担当を経て2017年4月に大手総合広告代理店へ入社。
大手食品メーカー様、大手飲料メーカー様のECモール広告を担当。特に大手食品メーカー様においては、2020年から2022年でAmazon内売上150%に成長させる。
2023年7月末にて同社を退社後、2023年8月に当社を設立。
株式会社esole
https://www.esole.co.jp
この記事の目次
2024年のプライムデーの日程は?
過去のプライムデー開催日から2024年の日程を予測
先ほどお伝えした通り、本記事が掲載されるタイミングではまだ日程は決まっておりません。ただ、過去の実施日程を振り返ることで傾向が見えてくるため、開催されるタイミングの予測がつきます。

上記は過去5年間のプライムデーが開催された日程となります。
新型コロナウイルス流行の2020年は10月、東京オリンピックが開催された2021年は6月の開催となりましたが、その他は7月に開催されております。
また、11-15日の間や月曜or火曜の2日間での開催が多い点も踏まえると2024年のプライムデーは7月15日もしくは7月16日から2日間で開催されるのではないでしょうか。
2023年から先行セールという形が採用されております。Amazonのセール設計の主流となっており、2024年に入ってからはより顕著になっています。
このことから2024年も先行セール+本セールの設計で実施されるでしょう。おそらく、先行セールは2日間から5日間ほどで実施されるのではないかと予測しています。
プライムデーの日程がわかるのはいつ?
2023年は6月21日に日程がリリースされました。プライムデーの本セールが7月11日開始だったためおおよそ3週間ほど前に発表されています。
このタイミングを2024年に当てはめた場合、7月15日に開始を想定すると6月25日から27日あたりに開催日程が決まるのではないかと思われます。
ちなみに、昨年は日程がリリースされた6月21日からGoogleでの検索数が増加しています。SNSでも話題になるので、やはり消費者としてもプライムデーの日程は注目しているのでしょう。(私も、日程が決まるとそわそわします)

まとめ
- 2024年のプライムデーは7月15日(月)、もしくは7月16日(火)開始の可能性が高い。
- さらに先行セールが2日間から5日間ほどで実施されるのではないか?
- その場合、先行セールが7月10~13日あたりに開始、本セールが7月15日、もしくは16日に開始というセール設計になるのではないか。
- セール日程のリリースは2023年を見ると本セールの3週間ほど前のため、6月25日から27日あたりか。
今からできるプライムデーの準備は?
十分な在庫を確保する
プライムデーは通常のセールより大きな売上を上げるチャンスです。もちろんカテゴリーによって影響の大小はありますが、少なくともセール出品する全商品、通常期より売上があがる可能性が高いでしょう。なぜなら、Amazonに訪問する人が通常期と比較して爆発的に伸びるからです。
プライムデーはAmazon自身にとっても売上を伸ばす大きな商機です。そのため、日程がリリースされてからはAmazon自身のTVCMや各種大規模プロモーションが開始されることで、注目度や期待値が上がっていき、「プライムデーで購入するものを探す」という行動を喚起していきます。
以下は私が担当しているクライアントを例に整理しました。
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- 特にプライムデーで購入されるケースが多いカテゴリー
- 3,000~4,000円代規模の単価
⇒2023年のプライムデー実施月(7月)売上は、ビッグセール以外の月と比較すると約200%の売上となった
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Amazonの分析ツールでは、お茶やミネラルウォーターなどの「飲料」や「プロテイン」、柔軟剤・洗剤などの「日用品」、ビールやチューハイなどの「飲料」が特に売れていたようです。
カテゴリーに関わらず売上が伸びるチャンスですが、特に上記のカテゴリー販売者については通常の1.5~2倍以上の売上が伸びることを想定して在庫を確保しておくことをお勧めします。
スポンサー広告強化による露出の増加
せっかく在庫を確保したのに売れないと意味がありません。では、Amazonで売るためにはどうしたらいいでしょうか?
まずAmazonで購買させるには「自社の商品詳細ページ」にユーザーを訪問させなくてはなりません。それにはAmazon内でユーザーがどのように行動するのかを把握する必要があります。Amazonでは大多数が検索行動から自社商品の商品詳細ページへ到達すると言われております。
つまり、「Amazonでは検索行動をしたユーザーへどれだけ露出できるのか?」がカギになるということです。
検索行動を起こしたユーザーへ露出する枠は大きく「スポンサー広告」「オーガニック」の2種類と考えましょう。「オーガニック」は中期的に取り組む方法となりますので、短期的でさらにコントロールがしやすい「スポンサー広告」で検索行動を起こしたユーザーへ露出を高めることをお勧めいたします。

スポンサー広告のメニューの一つであるスポンサープロダクトでは上記3つの掲載枠で分類されております。その中で「検索結果ページの上部(最初のページ)」つまり検索上部のCTRが圧倒的に高いことがわかります。
ちなみに、スポンサープロダクトの掲載枠ごとの調整について、以下の記事で説明しておりますので、ご興味がありましたらご覧ください。
検索上部は競合も狙っているためCPCが高くなりがちですが、セール期はCVRも高まりますし、クリック数も伸びます。ビッグセール時はROASではなく、「どれだけ売上のトップラインを伸ばせるか?」に主眼を置き、「検索結果ページの上部(最初のページ)」へ配信を強化することをお勧めします。
また、その際無作為に検索上部を狙うと予算が尽きてしまうということになりかねませんので、「絶対に検索結果ページの上部(最初のページ)を取り続けるキーワード」を設定しましょう。
これは例え他のキーワードへの配信が弱まっても、絶対に上部を獲る最優先のキーワードとなります。
最重要キーワードの条件は以下です。
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条件①:配信ボリュームが見込めること
条件②:自社商品との親和性が高いこと
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条件①に該当しない場合は、言い換えれば「Amazon内でのニーズが少ない」ということで、どれだけ効率(=ROAS)が良くても売上のトップラインが伸びることはありません。このことから、パートナーや代理店から「ビッグワードに出しましょう!」との提案がありますが、単純に条件①だけを満たしていてもいけません。
Amazonは「検索キーワードに対してのCTRをもとにCPCを決める」ため、条件②を満たしていないとCTRは上がらず、CPCが高騰してしまいます。いくら、「効率ではなく売上のトップラインを見る」としても、闇雲に強化するという意味ではありません。
条件②については、当然のようですが実は設定するキーワードと微妙にずれが生じることがあるので注意です。
この最重要キーワードの決め方や、スポンサー広告への設定方法などでお悩みでしたらお気軽にご連絡くださいませ。
ちなみに、スポンサー広告の配信強化ですが、遅くともセール開始から2週間以上前から配信を強める運用を推奨しております。
前述の通り、2週間前にはすでにAmazon自身が大規模プロモーションを行っております。そのタイミングでAmazonに訪問するユーザーは「急ぎで購入したい」「プライムデー直前ということを知らない」「プライムデーで買うものを吟味している」とこの3つの理由に分類されます。SNSでも話題になるこのタイミングで「プライムデー直前ということを知らない」ユーザーは限りなく少ないのではないでしょうか。つまり、プライムデーでの購入対象に入るために露出を強めるということです。
また、スポンサー広告は開始直後は配信が出にくい傾向があるため、しっかりとセール時に意図した配信になるよう余裕を持った運用を行うことを推奨いたします。
Amazon外の活動について
Amazon内の準備に問題がない場合、Amazon外にも目を向けましょう。Amazonは買い場のため検索するユーザーは購入を前提としています。購入前提の検索ユーザーに対してスポンサー広告を実施するという打ち手は有効です。ただしそれは「何か買いたいからAmazonで検索したけど、どの商品を購入するか明確に決めていない人」に対してとなります。
Amazonで検索するユーザーを「何か買うけどブランドや商品は決まっていない」「購入する商品やブランドを決めている」と分類した場合、スポンサー広告で特に有効なのは前者です。スポンサー広告は競合ブランドの検索者をターゲティングすることもでき、リプレイスを狙うこともできますがすでに競合ブランドや商品を買おうとしている意思を変更させるのは費用対効果が悪すぎます。
そこで考えられるのがAmazon外での認知活動です。Amazon外で自社ブランドや商品を認知して「Amazon内での自社指名ユーザーを増やす」もしくは「自社ブランドや商品のイメージさせたうえで、Amazon内でカテゴリーキーワードを検索させてスポンサー広告で刈り取る」という流れです。

上記はAmazon外からAmazonで売上を上げるまでの流れです。❶の箇所を強めることで❷の活動、つまりスポンサー広告の効果を上げるという考え方となります。❶はTVCMやYouTubeなどの広告施策がメインとなりますが、なにかプレスリリースを出して注目度を上げるというのも一つの手です。プライムデー前にAmazon外でノイズアップすることで、自社商品購入のイメージを持った検索行動を少しでも増やして売上増加につながるでしょう。
さいごに
今回は目前に迫ったプライムデーについてお話いたしました。
弊社では特にスポンサー広告の運用に強みをもっておりますので、お悩みなどありましたらお気軽にお問い合わせください。
株式会社esole
https://www.esole.co.jp
★Amazonスポンサー広告についてのブログ
https://www.esole.co.jp/blog
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