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定番の販売手法となる"スタッフのコンテンツ投稿"
コロナ禍で大きく注目を浴びたスタッフのコンテンツ投稿によるウェブ接客はアフターコロナとなった今も、売り上げが落ちることなく、今や定番の販売手法となりました。
実際に、当社の提供するSTAFF START(スタッフスタート)は、2,600超のブランドへ導入。23.3万人のスタッフに活用いただいています。個人での月間最高売上は2億6,000万円超、1回のスタッフコンテンツ投稿での最高売上である9,489万300円を記録。以前はアパレルのECに導入されるイメージが強かったのですが、今では家電、家具、キャンプ用品、飲食店など、多種多様な業種に広がり活用されています。
スタッフ投稿がウケる2つの理由
信頼を生むリアルな情報
なぜここまでスタッフ投稿が消費者にウケるのか。その理由として、スタッフ投稿がとてもリアルなコンテンツであることが挙げられます。
ウェブ上には情報が溢れ、巧妙なフェイクコンテンツや、加工されつくしたSNS投稿が日々視界に入るようになりました。その中で、身近なスタッフが投稿し続けるリアルな情報は、確実に信頼できる存在です。そのため、スタッフ投稿に支持が集まり、選ばれ続けているのだと考えています。
事実として、STAFF STARTを導入したECサイトの、スタッフ投稿経由売上のシェアは32.3%。そして、スタッフ投稿を閲覧したユーザーは、スタッフ投稿を一切閲覧しなかったユーザーに比べ、平均して1.5倍CVRが高いという結果が出ています。加えて、売上を評価やインセンティブでスタッフに還元している企業からは、「スタッフのモチベーションが明らかに上がった」「定着率が高くなったと感じる」という、声もいただいています。
スタッフ投稿には、「スタッフの力」や「スタッフの熱量」が関わってくることから、データでは分析できない、売上以外の副次的効果も生じるのです。
ただし、導入するだけで効果が出るものではありません。スタッフが継続して投稿を続けられるような環境を整備することや、スタッフ投稿の評価制度を設計するなど、企業側の努力と協力が欠かせません。これは、他のウェブツールにもいえることです。
日々新しい情報発信が可能な更新のしやすさ
スタッフ投稿がウケるもう一つの理由に、その更新性も挙げられます。企業のECサイト運営において、毎日新たな販促企画を展開したり、毎日新商品を投入することは非常に難しいことです。一方で、スタッフコンテンツであれば、顧客に対して毎日新しい情報の提供が可能です。
サイト訪問頻度が上がれば、売上の向上も期待できますが、それをスタッフコンテンツが後押しできるのです。実際にSTAFF STARTを導入し、売上を高め続けている企業様は、毎日1,000以上のスタッフ投稿をUPされています。スタッフ一丸となり、日々投稿を上げ続けることが、売上の増加にも繋がるのです。
新たにスタッフが活躍できる土俵となるスタッフ投稿
EC上で高い成績を上げるスタッフと、店頭で活躍するスタッフに違いがあることは、あまり知られていません。もちろん両方で高い成績を上げる方も多くいらっしゃいますが、ECが突出して得意という方が出てくるのです。顔出しをせずに、写真の工夫で売上を上げる方や、店頭のトークは苦手だけど、投稿に添える文章にセンスを見せて「化ける」方もいらっしゃるようです。
今まで活躍できていなかったスタッフが、突然覚醒して新たな活躍の場を見つけることがあるのは、長年このサービスを運営していて味わう、とても面白い点だと感じています。
また、ECで活躍するスタッフは、ブランドのターゲットの年齢層よりも高い傾向があるのも面白い点です。
「ターゲット年齢ではなくなり、店頭に行く機会は減ったけれど、大好きなブランドをECで買いたい」という顧客ニーズに応えているのかもしれません。
スタッフ投稿の効果を測定する基準
スタッフ投稿で効率的に、ECの売上を上げるためには、前述の通り、投稿頻度を上げることがとても大切ですが、もちろん売上の分析も非常に大切です。
そこで当社では、計測指標として、「直接売上」と「間接売上(経由売上)」の2種類を設けています。
コンテンツで紹介している商品と同じ品番の商品をユーザが購入した場合に、そのコンテンツに直接売上が計上される。直接売上の対象になるコンテンツが複数ある場合は、最後に見たコンテンツにのみ直接売上が計上される。
購入した商品を紐付けたコンテンツを閲覧していない場合に、最後に閲覧したコンテンツのみに間接売上が計上される。
スタッフの貢献を可視化し、なるべく店頭での接客と同じ基準を踏襲しようとした結果、このような指標となりました。間接売上は、重複カウントされないため、直接売上と間接売上を足した金額が、総売上を超えてしまうといったことは起こりません。スタッフの評価に組み入れる場合は、直接売上のみとしている企業様が大半です。
仮に効果の測定基準をラストクリック制にすると、スタッフ投稿の本質的な貢献度が見えなくなってしまいます。もしもこれを店頭接客に置き換えると、誰がどれだけ接客をしても、すべてが最後にレジを担当した人の売上になってしまう不公平な状態。
そのため、「実際に購入された商品のコーディネートを提案していたコンテンツ」や、「最終的に購入を決断するトリガーとなったコンテンツ」を評価するような仕組みにしたのです。
間接売上から見るデータの活かし方
では、評価に関与しない間接売上(経由売上)はどう捉えればよいか。私たちは、ECの売上を向上させるためのデータとして活用することを推奨しています。
一つは、スタッフ投稿を強化すべき商品の洗い出しです。
間接売上が上がった商品は、顧客ニーズが高いにもかかわらず、スタッフ投稿が上がっていない(少ない)商品だと推測できます。であれば、その商品を紹介するスタッフ投稿を増やせば、さらなる売上の向上が見込めます。
もう一つは、商品の販売価格の見直しです。
間接売上が上がったスタッフ投稿で紹介している商品は、顧客の関心は高いがCVしなかった商品です。そのため、価格が障壁になったかもしれないと推測ができるのです。
EC事業者の方々は、「なるべく値下げをせずに売上を伸ばしたい」「しかし在庫を抱えたくない」というお悩みを常に抱えていると思います。間接売上のデータを分析することで、「推せば売れる商品」や「値下げすべきタイミング」を見極めることができるのです。
最後に:直接売上と間接売上の2つの指標を使いこなそう
スタッフの貢献を可視化し、EX(従業員満足度)を高める「直接売上」と、ECの分析に寄与する「間接売上」。スタッフ投稿を導入する際は、この2つの指標を使いこなすことが、ECサイトの持続的な成長に不可欠だと言えます。
当社では、スタッフ投稿のECサイトへの効果は、分析ツール上の数字のデータに収まってしまうような単純なものではないと考えています。なぜならば、そこには人が関わっているからです。
ECサイト上に、スタッフが活躍できる場を作れたら、店頭のように、「提案の結果もう一点追加で購入していただけた」「スタッフが身につけている商品を気に入って購入してくれた」という、計算しきれないことが起こります。
ECの売上をさらに上げたい事業者や、あらゆる施策を試したが売上が頭打ちに感じている事業者の方には、自社のスタッフの無限の可能性を信じてみることをおすすめしたいと思います。
スタッフDXのアプリケーションサービス
『STAFF START』
https://www.staff-start.com/
(構成:井澤梓/カタル)
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