Yahoo!ショッピング利用層へアプローチ強化!ファンケルのコマースソリューション事例【セミナーレポート】
イベントの概要

2023年1月25日、ヤフー株式会社によるイベント「Yahoo! JAPAN MARKETING DAY 2023」がバーチャル空間で開催されました。本イベントでは、Yahoo!マーケティングソリューションを活用するさまざまな広告主が登壇し、その活用事例を紹介されました。本記事では、そのひとつである株式会社ファンケルの「Yahoo! JAPAN コマースアド」についての事例から、その要点をまとめています。

【登壇者】
須藤 聡さん
株式会社ファンケル
通販営業本部 ECモール推進部 ECモール企画グループ
広告運用チームリーダー

原田 穂花さん
ヤフー株式会社
マーケティングソリューションズ統括本部
第一営業本部 営業

ファンケルの事業紹介

ファンケルの事業紹介

須藤さん:ファンケルの事業は、“世の中の不安や不便などの「不」を解消したい”という想いに根ざしています。もともと通信販売から始まった会社で、コロナ禍の影響もあり、EC通販の割合が年々大きくなっています。一方で、直営店舗販売や卸販売などで、リアルだからこそできるお客様との関係性も構築してきました。オンラインとオフラインを合わせて、幅広い事業展開を行っています。

ECサイトのマーケティング戦略・課題

ECサイトのマーケティング戦略・課題

須藤さん:ECサイトのマーケティングとしては、最初にファンケルオンラインという自社ECサイトを開設、既存顧客とのつながりはもちろん、新規顧客の獲得と売上増加を目標としていました。その後、拡大するEC領域において新たな接点を創出するために外部のECモールにも出店しました。Yahoo!ショッピングには2010年から出店しています。

原田さん:ファンケル様には、Yahoo! JAPAN コマースアドご利用以前から、Yahoo!広告の検索広告・ディスプレイ広告をご利用いただいていました。これは、どのような背景でご利用いただいたのでしょうか?

須藤さん:自社ECサイトへの送客を強化するために、検索媒体として多くのシェアを占めるヤフーからの集客が効果的と考えていました。

原田さん:実際に効果はあったのでしょうか?

須藤さん:Yahoo!広告出稿により自社ECサイトの新規顧客獲得および売上増加は達成。同時に、Yahoo!ショッピングおよびそれ以外のECモール経由での売上も拡大していました。そのなかで、ECモール経由での新規顧客の獲得効率や継続率が良いという結果が出たのです。

特に、コロナ禍をきっかけにネットショッピングの利用が急速に加速するなかで、Yahoo!ショッピングに広告配信ができるYahoo! JAPAN コマースアドへの出稿を決めたのですが、自社ECサイトとYahoo!ショッピングの店舗の双方へ送客を促すことで、ファンケル全体での新規獲得顧客の増加および売上拡大につなげることができました。

「Yahoo! JAPAN コマースアド」を活用

「Yahoo! JAPAN コマースアド」とは

原田さん:Yahoo! JAPAN コマースアドは、Yahoo! JAPANのコマースサービス「Yahoo!ショッピング」に配信できる広告メニューで、運用型広告のひとつです。ヤフーのビッグデータを活用した最適型の配信が可能です。性別、年齢などの属性の他に、検索データや購買データなど、ヤフーならではのターゲティングも可能で、フルファネルで活用できます。

Yahoo!広告にはさまざまなものがありますが、その中でYahoo! JAPAN コマースアドを重視されたのはなぜでしょうか?

須藤さん:行動履歴などのデータを活用して、細かくターゲティングできるからです。新規顧客獲得の最大化を出稿目的とする場合、購入有無の他に商品の特性に合わせたデモグラや、カテゴリに合わせた設定などができるのが魅力でした。これにより、ピンポイントで効率よく出稿ができます。

ヤフーを活用した施策について

Yahoo! JAPAN コマースアドと自社EC誘導広告の運用差別化

須藤さん:効率的に新規顧客を獲得するために、ファンケル公式ショップヤフー店で買い物をしたことがあるユーザーを除外した配信を実施しました。

また、ターゲティングに加え、出稿内容も工夫しました。当初は幅広いカテゴリの商品の広告を出稿していましたが、ECモールの特性を活かし、季節商品やセール中心の誘導など、より新規顧客を獲得しやすい訴求に予算をかけるようにしたのです。

Yahoo!ショッピングのイベントカレンダーに合わせた出稿強化

原田さん:ECモールには、購入意欲の高いユーザーが集まります。そういったユーザーに対し、季節ニーズやセール訴求は効果的です。Yahoo!ショッピングでは定期的にイベントを実施しているので、イベントカレンダーを活用して、「5のつく日」などインプレッションの増えやすい日に広告を配信することで、効果を高めることができます。

平日と休日で、ユーザー動向に違いはありますか?

須藤さん:あると思います。新規率の観点では、平日のほうがやや高くなっています。逆に、5のつく日などポイント倍率が高い日は、既存率が少し高い傾向にあります。最近のYahoo!ショッピングのセールのたてつけとして、セール前に事前購入期間があり、事前にセール告知を行います。平日はもちろん、セール開催日に向けて配信を最大化しています。

原田さん:イベントカレンダーの使いこなしが、効果的な配信のために重要ですね。直近では、超PayPay祭でCPAを維持しながらCV数を約3倍に伸ばした事例もあります。Yahoo! JAPAN コマースアドをご利用いただくことで、ファンケル様全体での新規顧客獲得にも貢献できているのではないかと思います。

実際にYahoo! JAPAN コマースアドをご利用いただき、その効果についてどう感じられていますか?

須藤さん:ECモールの特性や商材に合わせた訴求を細かく設定できています。売上を伸ばすべきタイミングで運用の見直しと強化を行い、結果につなげることができたので良かったです。

今後の展望                                          

今後の展望

須藤さん:今後は、さらにYahoo!ショッピング経由での売上を伸ばすために、Yahoo!ショッピング外への出稿を考えています。そのなかで蓄積してきたデータを活用して、自社ECサイトでの購買者を除外した配信を予定しています。

セミナーに参加してみて

本セミナーで紹介されたファンケルさんの事例は、自社ECサイトの運営とECモールへの出店の両方を行っている事業者にとって参考になるものです。特に、Yahoo!ショッピングならではの強みやその活用法のヒントを得ることができるのではないでしょうか。

ECモールにおける広告出稿は新規顧客獲得・売上拡大のために重要な施策ですが、売上は伸びたものの広告費も多くかかり、費用対効果が悪いということも起こりがちです。

今回の事例では、データを基にしたターゲティングと商材の調整、そしてECモールのイベントを踏まえた出稿タイミングなどを工夫することで、効果的な広告出稿を行っています。これらの調整をする上で、ECモールのみならず幅広いサービス展開をするヤフーが持つ豊富なデータは重要な点だと感じます。また、ECモールのイベントに合わせた出稿の工夫は、他のECモール出店でも参考になると思います。

こういったセミナーでは、各ECモールにおける王道ともいえる成功事例が紹介されることが多いので、押さえておきたいところです。自社でそのまま真似はできなくとも、何か応用できる点が見つかるのではないでしょうか。

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