京王百貨店、訪日客アンケート分析でインバウンド戦略を強化 事前認知層は食事目的来店が3倍に

アライドアーキテクツ株式会社は、株式会社京王百貨店が実施した訪日外国人観光客を対象としたアンケートについて、データプラットフォーム「Kaname.ax Global」を用いた分析サポートを行ったことを発表しました。
アライドアーキテクツ株式会社(本社:東京都渋谷区、取締役社長:村岡弥真人、証券コード:6081)は、AXの力によって企業の成長を支援する企業です。今回、京王百貨店(本社:東京都渋谷区、取締役社長:中瀨正春)が行っている訪日客向けのアンケート調査について、同社のデータプラットフォームを活用した分析支援を実施しました。
分析対象と手法について
2026年1月から8月の期間に収集された回答のうち、約2,200件のデータを用いて詳細な分析が実施されました。来店目的や認知経路、満足した点などについて、国・地域別、事前認知の有無、来店回数といった複数の軸でクロス分析が行われるとともに、自由記述による回答がCEPs(Category Entry Points)の観点から分析されています。
この分析により、事前に京王百貨店を認知していた来店客は、認知していなかった来店客と比較して食事を目的とした来店の割合が約3倍に達することが明らかになりました。また、初回来店客とリピーターでは求めるものが異なり、その違いは国・地域によっても変化することなど、売上データのみでは把握できなかった顧客像が浮き彫りになっています。
分析実施の背景と課題
京王百貨店では、中華圏向けのRED(小紅書)をはじめとして、各市場に向けてSNSで継続的に情報発信を行い、来店のきっかけづくりに取り組んできました。しかしながら、施策の判断材料は国別・カテゴリー別の免税売上データに限定されており、どのような訪日客が、どのようなきっかけで来店し、どの程度リピートしているのかを把握できないという課題を抱えていました。
そこで同店は、2025年から免税カウンターでの購入者を対象とした独自のアンケート調査を開始しました。ところが、多言語による回答の翻訳や自由記述データの整備に時間を要し、少人数のチームでは分析や施策への活用まで至らない状況が続いていました。アライドアーキテクツは、翻訳前の回答データをそのまま分析可能で、海外の顧客が京王百貨店を思い浮かべる「きっかけ(CEPs)」も可視化できる「Kaname.ax Global」を活用し、分析をサポートしました。
主な分析結果
事前認知の有無と来店目的の関連性
事前に京王百貨店を認知していた来店客は、認知していなかった来店客と比較して、食事を目的とした来店の割合が約3倍に上ることが判明しました。この結果は、同店がSNSでレストランを継続的に紹介してきた取り組みの効果を示唆するものとなっています。

CEPs分析による国・地域ごとの体験価値の違い
自由記述の回答をCEPsの視点で分析したところ、台湾からの来店客は「アクセスが良く、移動の負担なく時間を有効に使える」ことを、京王百貨店の体験価値として特に強く感じている傾向が見られました。一方で、香港からの来店客は「一か所で欲しいものをすべて揃えられる」という点の評価がやや低く、目的を持って買い物に訪れている傾向がうかがえる結果となっています。
中華圏における国・地域ごとの違い
香港からの来店客は、同店への要望として「免税・割引」を挙げる割合が他の国・地域と比較して高く、アパレルの購入を希望する割合も高いなど、同じ中華圏の中でも国・地域ごとに来店目的やニーズが異なる傾向が確認されました。

初回来店客とリピーターのニーズの相違
例えば中国からの来店客では、初回来店時には「歓迎されている」と感じられることを求める一方で、来店回数を重ねるほど、より良いものをお得に購入したいというニーズが強まる傾向が見られました。こうしたニーズの違いは、国・地域によっても異なることが分かっています。
京王百貨店担当者のコメント
株式会社京王百貨店営業企画部の桧山氏は、「これまでぼやけていたものが、霧が晴れてきたように感じています。初めてご来店のお客様とリピーターのお客様で求めるものが異なり、その違いが国・地域によっても変わることは気づきになりました。今後は、国・地域ごとにチャネルや訴求内容を最適化していくことが理想だと考えています」とコメントしています。
同じく営業企画部の菰田氏は、「来店のきっかけや当店を想起するという軸での分析(CEPs分析)は、私たちにはなかった視点でした。また、分析結果の中では、事前に当店をご存じのお客様は、そうでない方より食事目的の来店が多いという結果が印象的で、1年かけて続けてきたSNSでのレストラン紹介の効果が表れているとも読める、うれしい結果でした。今後は、国・地域ごとに、どの媒体で何を発信すれば届くのかを検討していきたいと考えています」と述べています。
今後の取り組みと展望
アライドアーキテクツは今後も、「Kaname.ax Global」を活用した顧客の声の分析を通じて、国・地域ごとのCEPsを踏まえた京王百貨店の情報発信やリピーター施策の検討を支援していく方針です。また、「データ分析に基づく戦略設計」と「現地生活者に響くクリエイティブ開発」という同社の強みを活かし、インバウンド市場への参入や海外進出を目指す国内企業へのグローバルマーケティング支援をさらに強化していくとしています。
Kaname.ax Globalについて
「Kaname.ax Global」は、SNS投稿やECレビュー、アンケートなどに表れる"海外生活者の声"をAIで解析し、施策の起点となるインサイトを発見するデータプラットフォームです。海外生活者がブランドを思い出す「きっかけ(CEPs)」を国ごとに可視化し、インバウンドの指名買い対策や海外進出時の参入戦略、多言語のレビューやアンケートなど既存データの活用まで、最適な打ち手へつなぎます。
インバウンドマーケティング支援・越境EC支援について
アライドアーキテクツは、海外市場における企業のプロダクトやサービスの魅力を再定義し、インバウンドマーケティングおよび越境EC支援を、戦略設計から施策実行まで一気通貫で提供しています。
主な支援内容は以下の通りです。
- SNS・広告運用:YouTube、Instagram、Facebook、RED、Weibo、WeChat、Douyin等の公式アカウント運用および広告配信、地図広告、クリエイティブ制作
- KOL(Key Opinion Leader)・KOC(Key Opinion Consumer)・ライブコマース:クリエイターネットワークを活用したKOL・KOC施策、ライブ配信・ライブコマースの企画・運営
- AI・データ活用:市場調査、広告コンテンツ制作・最適化、チャットボット化などAIを活用したマーケティング支援
- 海外生活者インサイト分析:自社プロダクト「Kaname.ax Global」を活用し、顧客の声をAI解析してインサイトを抽出・活用
- 越境EC支援:RED公式アカウント店舗(EC)の開設支援、決済・物流設計支援
株式会社京王百貨店 会社概要
- 代表者:取締役社長 中瀨正春
- 所在地:東京都渋谷区初台1-53-7 京王初台駅ビル
- 設立:1961年3月10日
アライドアーキテクツ株式会社 会社概要
- 代表者:代表取締役会長 田中裕志、取締役社長 村岡弥真人
- 所在地:東京都渋谷区恵比寿一丁目19-15 ウノサワ東急ビル4階
- 設立:2005年8月30日
- 事業内容:マーケティングAX事業・資産AX事業
アライドアーキテクツ株式会社とは
アライドアーキテクツ株式会社は、従来の事業構造をAI前提で再設計するAX(AIトランスフォーメーション)を推進し、企業の持続的な成長を実現するAXカンパニーです。
AIを活用したデータ×クリエイティブでマーケティングを変革する「マーケティングAX事業」と、オンチェーン経済圏におけるAXを通じて資産価値の向上を目指す「資産AX事業」を展開しています。
2005年の創業以来、6,000社を超えるマーケティング支援実績と、UGCをはじめとする顧客の声データ資産、独自開発のSaaS・AI技術を蓄積しています。戦略立案からクリエイティブ、運用、開発までを担うデジタル・AI人材を結集し、自らを変革し続ける企画者・創造者の集団として、「世界中の人と企業の創造がめぐる社会」を目指して、挑み続けています。
※Category Entry Pointsは、顧客が特定の商品カテゴリーの購入を想起・検討するきっかけのことを指します。
※Key Opinion Leaderの略称。中国で多大な影響力を持つインフルエンサーを指します。
※Key Opinion Consumerの略称。消費に影響を与えるような共感性と信頼性の高い口コミを発信する消費者を指します。
出典元:アライドアーキテクツ株式会社
