TVerと博報堂、生活者意識調査データと視聴データを統合した新プラニング手法を共同開発へ

株式会社TVerと株式会社博報堂は、博報堂DYグループが独自に実施している大規模な生活者意識調査データと、民放公式テレビ配信サービス「TVer」が保有する視聴データを組み合わせることで、生活者理解を基軸とした新しいプラニング手法の開発を目指すプロジェクトを始動させることを発表しました。

取り組みの背景と狙い
生活者の価値観や嗜好性を捉える大規模調査データ
博報堂では、人々を単に「消費者」として捉えるのではなく、主体性を持って暮らす「生活者」として多角的に理解する「生活者発想」を企業理念として掲げています。この考え方を裏付ける基盤の一つとなっているのが、博報堂DYグループが毎年継続的に行っている独自の大規模生活者意識調査データです。
かつて生活者が映像コンテンツに接する手段はテレビ受像機がほぼ唯一でしたが、インターネットの浸透やスマートフォンの普及、さらには動画配信サービスの登場などを経て、生活者のメディアとの接点は大きく変容してきました。同調査では、このような環境変化のもとでの生活者の意識と行動の両面を時系列的に捉え続けています。生活者が「何を行っているか」だけではなく「何を思っているか」を、変化の中で毎年問い続けている点が特徴となっています。
日本最大規模の動画配信プラットフォームの視聴データ
民放公式テレビ配信サービス「TVer」は、2015年のサービス開始以来、アプリの累計ダウンロード数が9,000万件(2025年10月時点)、月間ユニークブラウザ数は4,470万(2026年1月時点)に達し、さらに月間動画再生数は6.5億回(2025年12月時点)を記録するなど、日本国内で最大規模の動画配信プラットフォームへと成長を遂げています。
一方、デジタルマーケティングの分野においては従来、視聴時間や再生回数、性別・年代といった基本的なデモグラフィック属性を中心に生活者を捉える傾向がありました。そのため、生活者が「なぜそのコンテンツを選択し、視聴しているのか」という「価値観や嗜好性」の側面については、視聴データのみからは把握することが難しいという課題が存在していました。
生活者意識と視聴データの統合によるコンテンツ価値の可視化
今回のプロジェクトは、博報堂DYグループが持つ大規模生活者意識調査データとTVerの視聴データを統合することで、性別・年代などの属性情報にとどまらず、「そのメディアやコンテンツに接している生活者はどのような特徴を持つ人々なのか」という視点から生活者を理解し、コンテンツが持つ価値を明らかにする新しいアプローチの確立を目指すものです。これによって、生活者の意識とコンテンツ視聴実態の理解を深化させ、広告主による新たなマーケティング施策の実施につなげることを目標としています。
プロジェクトで実現を目指す3つのポイント
視聴行動と意識・価値観の統合による視聴者の生活背景の把握
TVerの視聴データから得られる「行動」に関する情報に、大規模生活者意識調査データが捉えてきた生活者の意識・価値観・ライフステージといった要素を組み合わせることで、より多面的な生活者理解を実現します。「どれだけの人数が視聴しているか」という量的な把握にとどまらず、「どのような生活文脈を持った人々が視聴しているか」を捉えることで、コンテンツが持つ価値の解像度を高めていきます。
生活者の特徴を起点とした配信から検証までの一貫した設計
生活者の特徴を起点としたプラニングによって、広告主の商品やサービスと親和性の高い生活者層に対して、より実効性の高いコミュニケーション設計を可能にすることを目指します。加えて、配信後の効果検証においても同じ視点を用いることで、戦略策定から配信、効果検証までを一貫した軸で捉えられる体制の構築を検討していきます。
番組視聴者の特徴からコンテンツ価値を可視化
番組やコンテンツごとに、それを視聴している生活者の特徴を明らかにすることで、従来は定量的に示すことが困難だったコンテンツの価値を、新しい角度から可視化することを目指します。放送局をはじめとするコンテンツホルダーとともに、コンテンツビジネスの価値向上に貢献していきます。
なお、本プロジェクトにおけるデータの取り扱いについては、個人を特定しない統計的な処理を前提とし、関係法令および両社のプライバシーポリシーに則って、適切な環境下で実施されます。
今後の展望について
TVerは博報堂と協力し、まず実証的な検証を通じて本アプローチの有効性を確認した上で、広告主向けのサービス展開を目指していきます。動画配信における生活者理解の高度化を通じて、広告主にとって納得感のあるマーケティング施策の実施や、コンテンツホルダーへのコンテンツ価値の新たな可視化、そして生活者個人のニーズに即した広告体験の提供を目指し、両社で協議を重ねていく方針です。
出典元:株式会社TVer・株式会社博報堂
