電通デジタルと電通、購買起点の「購買市場OneIDマーケティング」提供開始

株式会社電通デジタル(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:瀧本 恒)と株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:松本 千里)は、分析から施策実行、効果検証までを確定IDで一貫して接続する「OneIDマーケティング」を発展させ、「購買」を起点とした市場理解と成長機会の探索から実行、検証、学習までを循環させるマーケティングアプローチ「購買市場OneIDマーケティング」を開発しました。同サービスの提供が本日より開始されます。
第1弾の取り組みとして、Amazonが提供するプライバシーセーフなクリーンルームソリューション「Amazon Marketing Cloud(AMC)」と、電通デジタル・電通独自の生成AIソリューションなどが組み合わせて活用されます。Amazonは広告配信のプラットフォームとしてではなく、購買オーディエンスのインサイトを獲得するための基盤として位置づけられています。Amazon上で得られる集約されたオーディエンスの行動インサイトに基づいて、新たな成長機会やマーケティング仮説を探索し、施策の実行、購買行動を含む結果の検証、その学びを次の仮説へ還元するところまでが一貫してサポートされます。
近年、データを活用した生活者分析や広告最適化が進展する一方で、従来のペルソナ分析では、分析によって捉えた顧客像を広告媒体上の属性などに変換する過程で乖離(かいり)が生じるケースがありました。分析と施策実行が分断されやすく、既存の購買者や施策実績を起点とした最適化だけでは、潜在顧客や新たな利用文脈などの成長機会の探索に限界がある状況でした。こうした課題に対応するため、電通デジタルと電通は分析から施策実行、効果検証までを確定IDで一貫して接続する「OneIDマーケティング」を展開してきました。「OneIDマーケティング」は、分析結果を媒体上の属性などに変換するのではなく、分析した顧客群をID単位でそのまま施策に接続し、その結果まで同一の基盤上で検証することで、生活者理解を実際のマーケティング活動・改善につなげる考え方です。
この「OneIDマーケティング」の考え方を、「購買」を起点として市場を理解し、新たな成長機会を探索・検証する領域へ発展させるマーケティングアプローチ「購買市場OneIDマーケティング」が2025年8月に開発され、同年11月より実証事業が実施されてきました。今回、その成果を踏まえてサービスの提供が開始されます。第1弾として活用されるAmazonのクリーンルームソリューション「AMC」は、Amazon上の豊富な購買・行動シグナルをIDベースに分析し、集約・匿名化されたインサイトとして活用できるプライバシーセーフなクリーンルーム環境です。自社商品の購買オーディエンスだけでなく、高頻度オーディエンスからカテゴリ購買オーディエンス、未購買オーディエンスまでを連続したオーディエンス構造として把握することができます。
「購買市場OneIDマーケティング」の概要
1. 潜在オーディエンスまで、Amazon上のオーディエンスを構造化
自社ブランドの高頻度オーディエンスから低頻度オーディエンス、カテゴリ購買オーディエンス、未購買オーディエンスまでが連続したオーディエンス構造として捉えられ、購買や興味関心などの多面的なインサイトから各オーディエンス群の特徴が分析されます。現在のオーディエンスが購買しているかどうかだけでなく、どこに次の成長機会があるかが探索されます。
2. 行動シグナルと意識インサイトを組み合わせ、生活者理解を立体化
Amazon上の購買や検索などから得られる行動シグナルに加えて、電通独自の大規模パネル調査に基づく意識・価値観データも追加されます。何を買ったか、どのように行動したかという事実だけでなく、その背景を考えるための意識・価値観の情報も参照しながら、生活者理解がより多面的に深化されます。
3. 生成AIを活用して生活者像を解釈し、新たな市場仮説を探索
各オーディエンス群の多次元インサイトが生成AIで整理・解釈され、生活者像やインサイト、ニーズが言語化されます。そこから、「誰に(Target)」「どのような文脈で(Context)」「どのような価値を伝えるか(Message)」という検証すべきマーケティング仮説の候補が生成されます。
4. 市場仮説を、検証可能なマーケティング施策へ具体化
生成された仮説に基づいて、対象とするオーディエンス、利用文脈、訴求軸やクリエイティブ表現などが具体化され、実際の施策によって仮説の有効性を検証できる形に設計されます。
5. OneIDで仮説と施策をつなぎ、購買行動を含む結果で仮説を検証
「OneIDマーケティング」の考え方に基づいて、分析・仮説設計と施策実行が確定IDという共通基準で接続されます。分析上の仮説を媒体属性などへ置き換えることによる翻訳劣化を抑えながら施策が実行され、その後の購買行動や構造の変化まで捉えることで、「誰に、どの文脈で、どの訴求が有効だったか」が検証されます。
6. 検証結果を次の仮説探索につながる資産として蓄積
施策結果が単発の広告効果として捉えられるのではなく、顧客群・訴求・反応の関係が学習として蓄積されます。成功だけでなく、成立しなかった仮説も含めて次の市場分析・仮説構築へ継続的に還元されます。
サービスの特長と今後の展開
「購買市場OneIDマーケティング」は、購買を市場理解の起点とし、生活者や市場を分析するにとどまらず、得られた示唆を検証可能な仮説に変換し、OneIDによって施策につなげ、購買行動を含む結果からその有効性を検証できる点が特長です。さらに、検証によって得られた学びを次の仮説探索へ還元することで、市場理解、仮説探索、実行、検証、学習のサイクルが継続的に循環され、企業固有のマーケティング知見の蓄積と成長機会の探索が支援されます。今回のAMC活用を皮切りに、「購買市場OneIDマーケティング」の適用領域や連携基盤の拡張も検討されていく予定です。
今後も電通デジタルと電通は、Amazonで得られる行動シグナルに独自の生活者データや知見を組み合わせ、生成AIが生み出す多様な仮説候補から、マーケターが検証すべき仮説を選定し、実市場での検証につなげることで、企業の新たな成長機会の発見と持続的な成長を支えていくとしています。
用語解説
Amazon Marketing Cloud(AMC):アマゾンジャパンが提供する、プライバシーセーフなクラウドベースのクリーンルームソリューションのことです。
出典元:株式会社電通デジタル
