SHARE:

ベトナム若年層の小売利用調査、日系店舗評価者の64.9%が伝統市場も併用―InfoBase調査

ベトナム若年層の小売利用調査、日系店舗評価者の64.9%が伝統市場も併用―InfoBase調査

ベトナム経済情報プラットフォーム「InfoBank」を運営する株式会社InfoBase(本社:東京都中央区、代表取締役:三浦賢弥)は、ベトナムの都市部に居住する15歳から34歳までの若年層200名を対象として、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ショッピングモール、伝統的な市場などの小売業態の利用状況および日系小売店舗に対する評価についての消費者調査を実施しました。その結果をまとめた調査レポート「ベトナム若年層の小売利用と日系店舗への評価に関する調査(2026年下半期)」が2026年10月12日に公表されています。

今回の調査から、日系店舗について「食品の安全性が信頼できる」と回答した層においても、過去1か月間に伝統市場で買い物をした人は64.9%に達し、全体の55.0%を上回る結果となったことが明らかになりました。

この調査レポートでは、食の安全に対する意識が高まっている中でも伝統市場での買い物が置き換わっていない実態を明らかにし、近代的な小売形態と伝統的な小売形態が状況に応じて使い分けられている消費行動の実態を中心に、ベトナムの若年層における消費行動が分析されています。

調査実施の背景

ベトナムにおいては、ミニスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ショッピングモールといった近代的な小売業態が都市部を中心に拡大を続けており、日系企業ではファミリーマート、セブン-イレブン、ミニストップ、イオンなどが進出しています。その一方で、小売業全体の約7割は現在でも個人商店や伝統市場などの伝統的な小売形態が占めているとされており、近代的な小売がいつ、どのような速度で拡大していくのかは、日本企業にとって重要な関心事項となっています。

また、食の安全に対する意識の高まりが、衛生管理が整備された近代的な小売への移行を促進するという見方も存在します。同社では、近代的な小売を好む傾向があるとされる若年層に注目し、実際に利用している業態、日系店舗に対する評価と購入商品、来店頻度を高めるための条件、今後の買い物先に関する意向を調査しました。本リリースでは、調査結果の一部が紹介されています。

主な調査結果

1. 若年層においてもコンビニ70%、個人商店65.5%、伝統市場55%を併用している実態

過去1か月間に買い物をした小売業態については、コンビニエンスストアが70.0%で最も高く、個人商店(65.5%)、伝統市場(55.0%)が続く結果となりました。伝統的な小売はミニスーパーマーケット(55.0%)や大型スーパーマーケット(52.0%)と同程度またはそれ以上の水準となっており、都市部の若年層にとっても日常的な買い物先となっています。1人当たりの利用業態数は平均3.45に達しており、業態を移行するのではなく、目的や場面に応じて使い分ける消費行動が定着していると考えられます。

Q1.過去1ヶ月間に買い物した小売形態:若年層でも伝統小売は日常の買い物先
Q1.過去1ヶ月間に買い物した小売形態:若年層でも伝統小売は日常の買い物先

2. 大型スーパーの利用は10代36%から30代74%へ、業態選択は年齢よりライフステージが影響

年代別に見ると、年代による差が最も大きいのは大型スーパーマーケットで、10代36%、20代49%、30代74%と上昇しており、30代ではコンビニエンスストア(68%)を上回って第1位となりました。

一方で、10代は個人商店とコンビニエンスストア(各64%)が並び、大型店舗やショッピングモールは3割台に留まっています。若い世代ほど近代的な小売を選択するという単純な構図ではなく、結婚や子育てに伴うまとめ買い需要など、ライフステージの変化が業態の使い分けに影響を与えていると考えられます。

Q1. 過去1ヶ月間に買い物した小売形態(年代別):年齢よりライフステージが業態を分ける
Q1. 過去1ヶ月間に買い物した小売形態(年代別):年齢よりライフステージが業態を分ける

3. 利用スーパーはBach Hoa Xanh55%、WinMart52%が上位、大型店ではAEONが43.5%

過去1か月間に利用したスーパーマーケットやショッピングモールについては、地場チェーンのBach Hoa Xanh(55.0%)とWinMart(52.0%)が上位を占めました。これらはいずれも生鮮食品を取り扱う小型店舗を中心に多店舗展開を行っているチェーンです。

大型店舗ではAEON(43.5%)とGO!(41.5%)がほぼ同水準となっており、AEONは外資系ブランドの中で首位となりました。日常的な買い物は近隣の地場チェーン、まとめ買いや外出先では大型店舗と、店舗規模に応じた使い分けが進んでいます。

Q2. 過去1ヶ月間に買い物した場所:日常の買い物は地場チェーン、大型店はAEONとGO!
Q2. 過去1ヶ月間に買い物した場所:日常の買い物は地場チェーン、大型店はAEONとGO!

4. 日系店舗の評価は「モダン」49.5%「安全」48.5%「清潔」47.0%、「日本の商品が多い」は38.0%

イオン、ファミリーマート、セブン-イレブンなどの日系店舗に対する印象については、「モダンで若者に合っている」(49.5%)、「食品の安全性が信頼できる」(48.5%)、「店内が清潔」(47.0%)が上位となりました。「日本の商品が多い」(38.0%)はこれらより約10ポイント低く、評価の中心は輸入品の豊富さよりも、衛生管理や品質管理といった運営面にあることがわかります。

Q3. イオン、ファミリーマート、セブン-イレブンなどの日系企業の店舗にどのような印象を持っていますか?(複数回答可)(MA):評価の中心は日本の商品より運営品質
Q3. イオン、ファミリーマート、セブン-イレブンなどの日系企業の店舗にどのような印象を持っていますか?(複数回答可)(MA):評価の中心は日本の商品より運営品質

5. 日系店舗での購入はパン、日用品、飲料が中心、弁当やおにぎりは2割前後

日系店舗で普段購入するものについては、パン・洋菓子(44.5%)、日用品(43.5%)、飲料(40.0%)が上位で、低単価の嗜好品と日常的な補充購買が中心となっています。

日本のコンビニエンスストアの主力商品である弁当(21.5%)、おにぎり(21.0%)、サンドイッチ(17.0%)は2割前後に留まりました。「食べ物がおいしい」と評価する人が43.5%いる一方で、味に対する評価が主食の購入には結びついておらず、客単価を引き上げる食事需要の取り込みはまだ発展途上にあると言えます。

Q4. イオン、ファミリーマート、セブン-イレブンの店舗で、普段どのようなものを購入しますか?(オンラインでの買い物は除く・複数回答可)(MA):食事需要の取り込みはまだ発展途上か
Q4. イオン、ファミリーマート、セブン-イレブンの店舗で、普段どのようなものを購入しますか?(オンラインでの買い物は除く・複数回答可)(MA):食事需要の取り込みはまだ発展途上か

6. 日系店舗の安全性を信頼する層でも、伝統市場の利用は64.9%

日系店舗に対する印象と過去1か月間の利用業態をクロス集計したところ、「食品の安全性が信頼できる」と回答した層(97人)の伝統市場利用率は64.9%、「店内が清潔」と回答した層(94人)も66.0%となり、いずれも全体(55.0%)を上回る結果となりました。

安全性や衛生面を重視して日系店舗を評価している人が、伝統市場から離れているわけではないことがわかります。安全性に対する評価は日系店舗を選択する理由にはなっても、顔なじみの売り手や鮮度の見極めといった市場ならではの価値を置き換えるまでには至っていないことがうかがえます。

日本企業への示唆

この調査レポートでは、上記の調査結果に加えて、15通りのクロス集計から導き出されたインサイトと、日本企業への示唆がまとめられています。

  • 置き換えを待たずに、生活の変化に合わせて選ばれる場面を捉えること
  • 「近さ」をめぐる競争は、地場ミニスーパーと同じ顧客の取り合いになること
  • 客単価を引き上げる商品は、個食の弁当より食卓向けの総菜であること
  • 安全性の訴求だけでは、市場からの移行は進まないこと

レポート概要

  • レポート名:ベトナム若年層の小売利用と日系店舗への評価に関する調査(2026年下半期)
  • 発行機関:株式会社InfoBase(ベトナム経済情報メディア「InfoBank」運営)
  • 発行日:2026年10月12日
  • ページ数:全39ページ(PDF)
  • 収録内容:設問6問の全体・年代別・男女別集計、クロス集計5点、日本企業への示唆

本レポートの主な内容

  • 第1章 小売業態の利用実態:過去1か月に利用した業態・チェーン(全体/年代別/男女別)
  • 第2章 日系店舗への評価と購入品目:日系店舗の印象、購入している商品
  • 第3章 来店頻度を高める条件と今後の意向:来店条件、今後最も多く行きたい店舗
  • 第4章 クロス集計から見えるインサイト:近代小売派の伝統小売利用、安全性評価と伝統市場、伝統市場派の来店条件、日本の商品を求める層の購入品目、ミニスーパー派の日系店舗評価
  • 日本企業への示唆

調査概要

  • 調査名:ベトナム若年層の消費行動に関する市場調査(2026年)
  • 調査対象:ベトナム(首都圏)在住の15歳から34歳までの男女
  • 年代・性別:15歳から19歳、20歳から24歳、25歳から29歳、30歳から34歳の各50人(男女25人ずつ)。本レポートでは15歳から19歳を「10代」、20歳から29歳を「20代」、30歳から34歳を「30代」として集計
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2026年10月5日から10日
  • 有効回答数:200人

InfoBankについて

InfoBankは、ベトナムでの事業展開を検討・推進する日本企業に向けたベトナム経済情報メディアです。ベトナム現地法人に加えて、日本国内の海外事業部門の方々にもご覧いただいています。ニュースの背景にある「なぜ今、この動きが起きているのか」「日本企業の事業にどのように繋がるのか」を、統計や現地での取材をもとに解き明かしています。

会社概要

社名:株式会社InfoBase

所在地:東京都中央区銀座1-12-4 N&E BLD.7階

代表者:代表取締役 三浦 賢弥

事業内容:ベトナム経済情報メディア「InfoBank」の企画・運営・配信

出典元:株式会社InfoBase

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします