SHARE:

EC運用の実務調査、軽微なサイト修正を社内完結できるのは32.5%のみ メルカートが調査結果を発表

EC運用の実務調査、軽微なサイト修正を社内完結できるのは32.5%のみ メルカートが調査結果を発表

クラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」を運営する株式会社メルカートが、「EC運用の実務調査」の第1弾として実施した調査結果を公開しました。調査は、EC事業の実務担当者400名とECシステムを入れ替えた企業のEC担当者200名を対象に実施されています。

調査の結果、バナーの差し替えや文言修正などのサイトにおける軽微な修正作業を社内のみで完結できる実務担当者は32.5%に留まることが明らかになっています。また、外部へ依頼した場合、37.9%が修正内容の反映までに1週間以上を要していることが判明しました。さらに、ほぼすべてを外部に依頼している層においては、システム更新後に費用の見積もりおよび承認手続きが発生する人が56.3%に達しており、小規模な修正であっても反映までに時間と費用の手続きが発生しやすい状況が浮き彫りになっています。

本調査により、EC運用の現場において、ページやバナーの修正がどのようなプロセスで進められているのかが詳細に明らかになりました。

調査実施の背景

ECサイトでは、セールの実施や新商品の発売、季節ごとの特集企画などに合わせて、ページやバナーの準備、文言の差し替えといった作業が日常的に発生しています。経済産業省が実施した調査によれば、2024年の国内における消費者向けEC市場は26.1兆円(前年比5.1%増)に拡大しており、物販のEC市場規模のうち61.7%がスマートフォン経由となっています。パソコンとスマートフォンの双方に対応した準備を、販促のタイミングに確実に間に合わせることができるかどうかが、売り場づくりの成果を大きく左右する状況となっています。

近年、生成AIの普及により、文章や画像の案を短時間で用意することが可能になりました。しかし、作成したコンテンツをサイトに反映して公開するまでの工程は、使用しているシステムや体制によって大きく異なっており、外部への依頼や費用の手続きを経なければ反映できないケースも存在しています。

今回の調査は、EC運用の現場においてページやバナーの修正・更新がどのように進められ、どこで時間や手間が発生しているのかを明らかにすることを目的として実施されました。

※出典:経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(2025年8月)

調査結果①:社内のみで完結できるのは3人に1人 軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%

EC事業の実務担当者(n=400)に対して「サイトの軽微な修正・変更(バナー差し替え、文言修正など)を、社内のみで完結できますか」という質問を行ったところ、「ほぼすべて社内で完結できる」と回答した人は32.5%に留まっています。

「半分程度は社内で完結できる」と回答した人は53.0%、「ほとんど外部に依頼している」は12.0%となり、合わせて65.0%の人が、軽微な修正であっても外部に依頼する場面があると回答しています。

調査結果グラフ1

調査結果②:外部に依頼すると37.9%が反映まで1週間超 外部に頼る割合が高いほど待ち時間が長くなる傾向

外部に依頼した場合、依頼から反映までにどの程度の時間を要するかを尋ねたところ(n=390)、「2週間以内」(32.8%)と「1カ月以上」(5.1%)を合わせた37.9%が、反映までに1週間を超えると回答しています。「3日以内」は14.4%、「1週間以内」は41.8%という結果となりました。

調査結果グラフ2

社内で完結できる範囲別に見ると、反映までに1週間を超える割合は、「ほぼすべて社内で完結できる」層(n=130)では23.1%、「半分程度は社内で完結できる」層(n=212)では42.0%、「ほとんど外部に依頼している」層(n=48)では60.4%でした。外部に依頼する割合が高い層ほど、反映までの待ち時間が長くなる傾向が確認されています。

調査結果グラフ3

調査結果③:日々の修正だけでなくシステムの更新・改修の場面でも 外部依頼が中心の層は「費用の見積もり・承認」が56.3%

日々の修正作業に加えて、システムのアップデートや改修が実施された後の場面についても質問が行われました。更新・改修の後、自分に発生する作業について尋ねたところ(n=400)、いずれかの作業が発生する人は92.0%に達しており、「追加で費用の見積もり・承認手続きが発生する」は全体の34.5%でした。

調査結果グラフ4

この「費用の見積もり・承認手続き」の割合を、日々の修正を社内で完結できる範囲別に見ると、「ほぼすべて社内で完結できる」層(n=130)の27.7%に対し、「半分程度は社内で完結できる」層(n=212)は34.9%、「ほとんど外部に依頼している」層(n=48)は56.3%となりました。日々の修正を外部に依頼する割合が高い層ほど、システムの更新・改修の場面においても費用の手続きが発生しやすい傾向が見られます。

調査結果グラフ5

調査結果④:システム対応が原因で販促を延期・断念した経験は78.3%

「システムの対応に時間を取られたことが原因で、販促施策を延期・断念した経験はありますか」という質問を行ったところ(n=400)、「よくある」が22.0%、「時々ある」が56.3%となり、合計で78.3%が経験ありと回答しています。システム周りの対応が、販促の予定そのものに影響を及ぼしている状況が明らかになっています。

調査結果グラフ6

調査結果⑤:システムを入れ替えても残る壁 連携に制約があった人の72.1%が運用が軌道に乗るまで3カ月以上

ECシステムを入れ替えた企業のEC担当者200名のうち、導入してから初めて分かった「想定外」のこととして「外部システム・ツールとの連携に制約があった」と回答した人(n=43)と、それ以外の人(n=157)を比較すると、想定どおりに運用できるまでに3カ月以上かかった(現在も運用できていないを含む)割合は72.1%と47.8%、追加費用が当初想定の1.2倍以上になった割合は65.1%と48.4%でした。システムを入れ替えた後も、他のシステムとの連携で制約がある場合、時間と費用の両面で負担が増大しやすい傾向が確認されています。

調査結果グラフ7

考察:サイトの更新を自分たちの手で進められるか

今回の調査から、バナーの差し替えや文言修正といった軽微な修正作業であっても、社内のみで完結できる実務担当者は32.5%に留まることが分かりました。ほとんどを外部に依頼している層では、反映までに1週間を超える割合が60.4%、システムの更新・改修の後に費用の手続きが発生する割合が56.3%と、いずれも社内で完結できる層の2倍を超えています。外部に依頼する割合が高いほど、待ち時間と費用の手続きが重複しやすい状況が明らかになっています。

また、ECシステムを入れ替えた企業のEC担当者への調査においても、連携に制約があった人の72.1%が、想定どおりに運用できるまでに3カ月以上を要していました。システムを新しくしても、時間と費用の負担は依然として残りやすいといえます。

生成AIの普及により、文章や画像の案そのものは短時間で用意できるようになりました。一方で今回の調査からは、作成したものをサイトに反映して公開するまでの段階に、待ち時間や手続きが残っている現状が浮き彫りになっています。売り場づくりのスピードを左右するのは、作成する速さだけでなく、サイトの更新を自分たちの手で進められるかどうかにあると同社は考えています。

調査概要

<調査1>EC事業の実務担当者を対象とした調査

調査名:EC事業実務担当者に関する調査
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:EC事業の実務担当者(EC運営業務を勤務時間の3割以上担当している方)
有効回答数:400名
調査時期:2026年9月14日〜16日

<調査2>ECシステムを入れ替えた企業のEC担当者を対象とした調査

調査名:ECシステムリプレイス関与者に関する調査
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:過去3年以内に勤務先でECシステムのリプレイス(別のシステムへの乗り換え)を実施し、当時から在籍しているEC運営担当者(勤務先の自社ECサイトの運営業務に携わっている方)
有効回答数:200名
調査時期:2026年9月7日〜9日

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

出典元:株式会社メルカート

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします