顧客理解の実態調査2026、67%が「理解できている」と回答も63.6%が「わかったつもり」を実感

シナジーマーケティング株式会社は、企業のマーケティング、CRM、営業企画に携わる1,000名を対象に「顧客理解の実態調査2026」を実施しました。
現在、企業が収集できる顧客データは、購買履歴やWeb行動履歴、営業・問い合わせ記録、アンケート・VOCなど多岐にわたっています。しかしながら、データが増加することが、必ずしも顧客への深い理解に直結するわけではないとされています。
今回の調査において、67.0%が「自社は顧客を理解できている」と答えた一方で、63.6%が「データは増えているものの、結局この顧客が何を求めているのかわからない」という「わかったつもり」の状態を実感していることが明らかになりました。
さらに、39.7%が把握した顧客情報を商品改善、接客、販促、コミュニケーションなどの実際の施策に活用できていないと回答しています。
また、顧客理解について「特に課題はない」と答えた割合は、経営層で38.1%、現場層で17.6%となり、約2.2倍の開きがあったということです。
顧客を理解できているという自己評価が存在する一方で、不確かさも同時に感じており、把握した情報を施策に十分活用できていない実態が浮き彫りになりました。
同社は今回の調査結果をもとに、顧客の声やデータが増加しても理解につながらない背景と、顧客理解を実際の意思決定へつなげるために見直すべきポイントを調査レポートにまとめています。
調査結果の主なポイント
67.0%が「顧客を理解できている」と回答する一方、63.6%が「わかったつもり」を実感
「自社は顧客のことを十分に理解できていると思うか」という質問に対して、「十分に理解できている」が12.5%、「ある程度理解できている」が54.5%という結果になりました。
合計すると67.0%が、自社は顧客を理解できていると回答しています。
その一方で、「データは増えているのに、結局この顧客が何を求めているのかわからない」という「わかったつもり」の状態を感じるかという質問では、「強く感じる」が12.9%、「やや感じる」が50.7%となりました。
合計すると63.6%が、「わかったつもり」の状態を実感していることがわかりました。

「顧客を理解できている」という回答と、「わかったつもり」を感じる回答が、ほぼ同水準で存在する結果となりました。
顧客理解に対する肯定的な自己評価があったとしても、顧客が実際に何を求めているのかについては、不確かさが残っている可能性が示唆されます。
※67.0%と63.6%は、それぞれ異なる設問への回答割合です。同一回答者の重複状況については、詳細レポートのクロス集計で分析されています。
39.7%が把握した顧客情報を施策に活用できていない
把握した顧客情報を、商品改善、接客、販促、コミュニケーションなどの施策にどの程度活用できているかという質問に対して、「あまり活用できていない」が32.7%、「まったく活用できていない」が7.0%という結果になりました。
合計すると39.7%が、把握した顧客情報を施策に活用できていないと回答しています。
一方、「十分活用できている」は12.7%、「ある程度活用できている」は47.6%で、活用できているとする層は60.3%でした。
顧客に関する情報を取得・把握していても、それが施策を決定するための判断材料として使用されるとは限らないことが明らかになりました。
情報を収集する仕組みと、その情報を商品やコミュニケーションの改善に反映する仕組みは、別々に考える必要があると言えます。

経営層の38.1%が「特に課題はない」と回答、現場層の17.6%と約2.2倍の差
顧客理解が進まない理由について尋ねたところ、「特に課題はない」と回答した割合は、経営層で38.1%、現場層で17.6%となりました。
経営層は、現場層と比べて「特に課題はない」と回答した割合が約2.2倍という結果になりました。
また、「顧客を理解できている」と回答した割合は、経営層が74.8%、現場層が65.7%でした。
一方で、顧客理解に活用しているデータや手法が「特にない」と回答した割合は、経営層が34.7%、現場層が23.0%となっています。
経営層は、自社の顧客理解を現場層より肯定的に評価している一方で、実際に活用しているデータや手法がないとする割合も高いという結果になりました。
顧客データに接する頻度や、施策の運用に関わる距離の違いが、顧客理解の進捗や課題に対する認識差につながっている可能性が示唆されます。

※経営層は「経営者・役員」147名、現場層は「会社員(正社員・契約・派遣社員)」853名です。
※約2.2倍は、「特に課題はない」と回答した割合を経営層と現場層で比較したものです。
※本結果は、職業区分と課題認識の関連を示すものであり、因果関係を示すものではありません。
調査設計担当者によるコメント
クラウド事業部 マーケティングプロデューサー 和田 直之氏
「今回の調査で明らかになったのは、顧客データを増やすことと、顧客への理解が深まることは、必ずしも同じではないという点です。
顧客を理解できているという自己評価がある一方で、多くの回答者が『わかったつもり』かもしれないという不確かさを感じていました。
これは、顧客理解が進んでいないことだけを意味するものではありません。データに向き合い、顧客について考えるほど、これまで見えていなかった不明点に気づくこともあります。
重要なのは、不確かさをなくすことではなく、何がまだわかっていないのかを言語化し、次に取得すべき情報や検証すべき問いへつなげることです。
顧客理解の本質は、顧客に関する情報を多く持つことではなく、顧客がなぜ自社を選んだのかを説明できる状態をつくることにあります。
本レポートが、蓄積した顧客の声やデータを、実際の意思決定に活かすための見直しのきっかけになれば幸いです」
顧客理解を深めるための3つの実践指針
本レポートでは、顧客データを「集めて終わり」にせず、顧客への理解と実際の意思決定へつなげるための実践指針として、以下の3つに整理されています。
1. 「わかっていないこと」を可視化する
顧客理解の状態を、「理解できているか」という総合的な自己評価だけで判断しないことが重要です。
施策の振り返りでは、わかったことだけでなく、依然としてわかっていないことも明示的に記録します。
不明点を具体化することで、次に取得すべき情報や、検証すべき問いを特定しやすくなります。
2. 「データの量」より「なぜ買ったか」を重視する
属性や購買履歴は、誰が何を買ったかを示しますが、なぜ買ったかを直接説明する情報ではありません。
顧客の判断理由に近づくには、アンケート、インタビュー、営業・問い合わせ履歴などを通じて、購買背景や感情を意識的に取得する必要があります。
自社が保有する情報の量だけでなく、顧客が選んだ理由を説明できる情報が含まれているかを確認します。
3. 何を明らかにし、どの判断に使うかを決める
顧客データは、収集しただけでは意思決定に使える情報にはなりません。
まず、顧客について何を明らかにしたいのかを決めます。分析の担当者やツールを増やしても、明らかにしたいことが定まっていなければ、分析の方向は決まりません。
そのうえで、明らかになったことを商品改善、接客、販促、コミュニケーションのどの判断に使うのかを定めます。使う判断が決まることで、必要な情報の範囲も具体的になります。
調査概要
調査名称:1000人に聞いた!顧客理解の実態調査2026
調査対象:全国の企業に勤めるビジネスパーソン
対象条件:事業会社のマーケティング・CRM・営業企画に関与
調査方法:インターネットリサーチ
有効回答数:1,000サンプル
調査期間:2026年7月26日(日)~7月30日(木)
※本調査では、経営者・役員を含め、顧客理解に関与する立場の実務者を対象としています。
シナジーマーケティング株式会社について
人と企業が、惹かれ合う世の中へ。
同社は、生活者と企業のより良い関係づくりのために、一歩先のデジタルマーケティング体験を提案するパートナーです。クラウドシステムの提供、コンサルティング、運用支援、人材育成サービスなどを通して、企業の継続的な成長を支援しています。また、デジタルマーケティングを「広義の課題解決」と捉え、顧客理解や戦略設計といった上流領域から、社内体制の構築や人材育成に至るまで、組織が抱える本質的な課題に包括的にアプローチしています。20年以上にわたりCRM市場をリードしてきた知見を活かし、お客様の現状に寄り添いながら最適な次の一手を提案し、「成果につながるマーケティング」の実現を後押ししています。
名称:シナジーマーケティング株式会社
代表:代表取締役社長 兼 執行役員CEO 奥平 博史
創業:2000年9月
大阪本社:〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ21F
東京本社:〒102-0083 東京都千代田区麹町6-6-2 番町麹町ビルディング5F WeWork 麹町
事業内容:デジタルマーケティング領域における、クラウドシステム、コンサルティング、運用支援、人材育成サービスの提供、およびファンメディアの運営
出典元:シナジーマーケティング株式会社
