
AI可視性計測プラットフォームを提供するCitadexが、AI検索時代における企業の可視性に関する大規模調査を実施しました。30ブランドを対象に、主要10のAIエンジン・5言語でブランドがどのように言及・引用されるかを横断的に分析した結果、従来のSEOでは測定できないAI検索特有の課題が浮き彫りになっています。
従来のSEO施策では「自社の名前で検索したとき、何位に表示されるか」が重要な指標とされてきました。しかし、AI検索が普及した現在、新たな問いが企業にとって重要となっています。それは「買い手がAIアシスタントに質問したとき、AIは自社の名前を挙げるのか」という視点です。同調査は、この見えない課題を可視化することを目的に実施されました。
この記事の目次
調査で明らかになった5つの主要な課題
今回の調査では、AI検索時代における企業の可視性に関して、以下の5つの重要な発見がありました。
第一に、言語間の可視性ギャップが深刻な状況にあることが判明しました。英語の回答で名前が挙がるブランドの約56%が、同じ質問を他言語で問うと回答から消えるという結果が示されています。
第二に、購買意欲の高いクエリにおいて、競合が推奨枠を占める割合が約63%に達していることが明らかになりました。
第三に、ブランドが言及されたケースでも、出典リンク付きはわずか約17%にとどまり、残り約83%は匿名の言及となっていることが分かりました。
第四に、中堅規模のブランドにおいて、言及するエンジンが重なる割合はわずか約11%であり、1〜2エンジンだけの計測では実態の大半を見落とす可能性が示されました。
第五に、象徴的な事例として、あるBtoB企業では購買検討クエリ100件のうち70件以上で、全エンジンを通じて一度も名前が挙がらなかったケースが報告されています。
調査実施の背景
Googleの検索結果で1位を獲得しているページであっても、同じ質問をChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewsに投げかけると一切出てこないというケースは珍しくない状況となっています。生成AIの回答が挙げるブランドはごく少数で、時には1社のみとなり、従来の検索結果のような「2ページ目」は存在しません。そこで名前が挙がらなければ、その時点で検討候補から外れてしまいます。
さらに問題なのは、従来のツールではこの「死角」が見えない点です。順位トラッカーは検索結果ページ上の位置を表示しますが、「AIの回答が自社を挙げたか」「どの位置で、どのように描写され、引用されたか」は計測できません。企業は「AIに推奨されなくなったこと」に気づかないまま、いつの間にか候補から外れている可能性があります。同調査は、この見えない差異を可視化するために実施されました。
調査の実施概要
調査主体はCitadex(AI可視性計測プラットフォーム)で、30ブランドを対象に実施されました。
対象エンジンは、ChatGPT、Perplexity、Gemini、Google AI Overviews、Google AI Mode、Grok、DeepSeek、Meta AIなど、計10エンジンとなっています。
対象言語は日本語・英語を含む5言語で、調査期間は2026年3月から6月まで実施されました。
調査方法としては、各ブランドについて購買検討クエリを設定し、10エンジン・5言語で回答を収集しています。ブランドの「言及有無・言及順位・トーン(好意/中立/否定)・出典引用の有無」を分析し、のべ数千件のAI回答を検証しました。
詳細な調査結果
言語が変わると可視性は崩れる現象
AIの回答は「ユーザーの国」ではなく「質問した言語」で分岐することが判明しました。英語の回答で名前が挙がるブランドの約56%が、同じ質問を他言語で問うと回答から消えていました。これは、英語だけを監視していると、日本語をはじめとする他の市場では「見えていない」可能性が高いことを意味しています。
高購買意欲クエリにおける競合の優位性
「自社が獲得すべき」買い手ステージのクエリにおいて、競合が推奨枠を占める割合は約63%に達していました。これは単なる「自社が見えない」という問題ではなく、「競合に商談を渡している」という深刻な問題であり、最優先で対処すべき領域であると指摘されています。
言及されても出典リンクは少数
ブランドが言及されたケースのうち、自社コンテンツへの出典リンクが付いていたのは約17%にとどまりました。残りの約83%は、自社の情報が回答の材料に使われながら、クレジットもクリックも得られない「匿名利用」となっています。この出典データこそ、どの外部ソースをAIが信頼しているかを示す、最も行動につながる指標であるとされています。
エンジン間の重なりが極めて少ない実態
中堅規模のブランドにおいて、言及するエンジンが重なる割合は約11%にとどまりました。ChatGPTとPerplexityだけを監視して「対策できている」と判断すると、実態の大半を見落とすことになります。どのエンジンを買い手が使用するかは、市場シェアの一般論ではなく、自社データで確認すべき課題であると指摘されています。
Citadex代表のコメント
同社代表は次のようにコメントしています。「順位は今も重要ですが、それは『1つのチャネル』を説明しているに過ぎません。買い手はもう、社名を検索する前にAIへ『◯◯でおすすめは?』と尋ねます。そのとき名前が挙がらなければ、どれだけSEOが強くても検討の対象外となります。見えないものは修正できません。まず『AIが自社について何と言っているか』を、エンジンと言語をまたいで計測することが出発点になります」
Citadexのサービス概要
Citadexは、ChatGPT・Perplexity・Gemini・Google AI Overviewsなどの主要AIエンジンを横断し、ブランドが「どの言語で・どのエンジンで・どの位置で言及され、引用されているか」を継続的に計測するAI可視性計測プラットフォームです。従来のSEOツールでは測定できなかったAI検索における企業の可視性を、包括的に把握することが可能となります。
出典元:PR TIMES












