
株式会社インフキュリオン(東京都千代田区、代表取締役社長CEO 丸山弘毅)は、全国の16歳から69歳までの男女20,000名を対象に実施した「決済動向2026年調査」の結果を発表しました。同調査では、コード決済の利用率が2019年に調査対象として含めて以来初の減少に転じた一方で、クレジットカードの利用方法においてタッチ決済が最多となるなど、キャッシュレス利用の浸透が新しい局面を迎えていることが明らかになりました。
同社では国内における決済動向の変化および消費者の行動変容を把握することを目的として、2015年から定期的に「決済動向調査」を実施しています。
調査結果の主なポイント
コード決済の利用率は71%となり、2019年に調査対象として含めて以来、初めて減少に転じたことが明らかになりました。その一方で、若年層を中心としてブランドデビットの利用率(30%)は増加傾向を維持しています。
また、回答者の約4割が「1年前と比較して現金利用が減った」と回答しており、タクシーをはじめとする対面業種においてキャッシュレス化が急速に進展していることが明らかになりました。全回答者の64%を占める「できるだけキャッシュレス決済を利用したい」というキャッシュレス積極層においては、半数以上が「キャッシュレス決済が利用できない店舗での買い物を避ける」傾向にあり、店舗側の対応有無が消費行動に影響を及ぼしうることがうかがえる結果となっています。
さらに、クレジットカードの利用においてはタッチ決済が利用方法のトップ(39%)となり、利用増加につながっていることが分かりました。

コード決済の利用率が初めて減少に転じる一方、ブランドデビットは増加傾向を維持
利用している決済手段に関する設問において、コード決済の利用率は71%となり、2019年に調査対象として含めて以来、初めて減少(前年比1ポイント減)に転じました。さらに、決済サービス別に見ても、今回初めて利用率が減少に転じるケースが見られました。
一方で、ブランドデビットの利用率は30%(前年比1ポイント増)となり、継続して増加傾向を維持しています。ブランドデビットの利用は若年層で最も進んでおり、20歳から29歳のブランドデビット利用率は42%と全年代で最も高い数値となりました。

消費者の約4割が現金利用の減少を実感、タクシーなどの対面業種でキャッシュレス化が進行
現金の利用の変化に関する設問では、回答者(n=824)の約4割(「かなり減った」11%、「減った」26%の合計37%)が現金の利用機会の減少を回答しており、回答者の実感としても現金離れが進んでいる様子がうかがえます。

対面15業種における過去2年間の主要決済手段の変化(2024年から2026年)を見ると、特に「タクシー」において現金の利用が過去調査比23ポイント減となり、代わりにクレジットカード(過去調査比11ポイント増)やコード決済(過去調査比11ポイント増)が大きく伸長しました。また「居酒屋、バー」や「病院、クリニック」などでも現金の利用が減少しています。

「キャッシュレス積極層」は64%、半数以上がキャッシュレス非対応店舗での買い物を避ける傾向に
普段の生活で「できるだけキャッシュレス決済を利用したい」と考える「キャッシュレス積極層」は全体の64%を占めました。
詳細調査において積極層(n=555)に対し、飲食店や小売店でキャッシュレス決済が利用できないことを理由に「お店の利用を避けたり、別のお店に変えたりすることがあるか」を尋ねたところ、「常に意識して避けている(10%)」「なるべく避けるようにしている(19%)」「たまに避けることがある(30%)」を合わせて59%となり、半数以上がキャッシュレス非対応店舗を回避する行動をとっていることが判明しました。キャッシュレス対応の有無が、こうした消費者の店舗選択に影響しうることがうかがえる結果となっています。


クレジットカード利用はタッチ決済が最多に、利用増加の後押しにも
クレジットカード利用者(n=719)に直近6カ月のお店のレジでのクレジットカード利用方法を尋ねたところ、「カードをかざしてタッチ決済」が39%となり、「端末にカードを差し込んで決済(33%)」を上回り最も多い利用方法となりました。
また、1年前よりクレジットカード利用が増えたと回答した人(n=187)のうち、約7割が「タッチ決済が(利用増に)影響している」と回答しています。さらに、クレジットカードとコード決済の両方を利用している層(n=498)に対して「決済手段をひとつに絞るとしたらどれを選ぶか」を尋ねたところ、「スマートフォンでタッチ決済(34%)」がトップとなりました。


調査結果から導き出される考察
2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%(国内指標)に達し、日本のキャッシュレス化は着実に進行し続けています。近年ではコード決済アプリの登場と急速な利用拡大がトレンドとなっていましたが、今回の調査からは、コード決済アプリの利用率拡大フェーズにひとつの区切りが付いたことが読み取れます。2019年調査から2025年調査まで毎年最高を更新し続けてきたコード決済アプリ利用率が、2026年調査において初めて前年比で減少を記録しました。
コード決済の利用率が今回初めて前年を下回ったことは、コード決済を新たに利用し始める人が以前よりも減少してきたことを示唆しています。その一方で、既に利用しているユーザーを対象に「1年前と比べた決済手段の利用の増減」を尋ねた設問では、利用が増えたと回答した利用者の割合が最も大きかったのもコード決済でした。既存ユーザーにおける利用は今後も伸び続けるとみられ、キャッシュレス化の一翼を担ってきたコード決済は、今後も存在感を維持してゆくと見込まれています。
これに対し、急速に存在感を増してきたのが、クレジットカードのタッチ決済です。「直近6カ月でタッチ決済(カードまたはスマートフォンアプリ)が最も多かった」というクレジットカード利用者は52%に達しており、日常的な決済体験として既に広く定着しています。さらに、タッチ決済がクレジットカード利用増につながっているとみられることが今回調査で確認されました。
ただし、店舗での決済体験は、消費者の購買体験のごく一部にすぎません。店舗検索機能やポイントカード機能、クーポン機能などの来店促進機能と連携した顧客接点を構築し、よりよい購買体験を実現するうえでは、既に多くのアプリに組み込まれてきたコード決済が先んじてきました。それぞれ異なる強みを持つタッチ決済とコード決済が購買体験をどのように進化させてゆくかは、今後の注目ポイントのひとつとなっています。
消費者の決済行動は変化してゆくのが常ですが、大きなトレンドとしてのキャッシュレス化が進む方向に変わりはありません。全体の64%が「キャッシュレス積極層」となっており、社会全体がキャッシュレスへと進んでゆく中で、キャッシュレスに対応していない店舗では、機会損失が生じることも考えられます。店舗事業者にとっても、キャッシュレスへの対応は決済手数料といったコスト面だけでなく、現金管理の負担軽減といった利点を伴うものです。こうした両面を踏まえた検討が、今後さらに重要になるでしょう。
今回の調査結果を総括すると、日本のキャッシュレス決済市場が、どの手段がどれだけ普及するかという量的な段階から、消費者が場面に応じて手段を選別する質的な段階へ移りつつあると言えます。この「量から質へ」の変化が、今後の消費行動や購買体験をどのように変えてゆくかが、次の焦点となります。
調査概要
調査手法については、インターネット調査として実施されました。調査地域は日本国内で、全体調査対象者は16歳から69歳までの男女20,000人です。詳細調査対象者は、勤労状況・世帯年収・生計上の立場(扶養者・被扶養者)の3観点を組み合わせた8カテゴリに属する調査対象者から各カテゴリ103人ずつ無作為に抽出(8カテゴリ×103人=824人)されました。調査期間は2026年4月3日から4月6日で、調査主体は株式会社インフキュリオンです。
出典元:株式会社インフキュリオン












