
「化粧品ビジネスを始めたい」。そんなとき味方になってくれるのが、処方開発、製造までを一手に引き受けてくれる「化粧品OEMメーカー」です。この記事では、数々のブランド立ち上げや商品企画に携わったOEMの立場から、「良い商品なのになぜ売れないの?」という疑問にお答えします。
松崎 淳
株式会社天真堂 取締役
2014年に医薬部外品、化粧品、健康食品のOEMを展開する株式会社天真堂に営業としてジョイン。取締役となった現在も、EC通販をメインとする化粧品会社や、スタートアップおよび異業種から参入する企業に対し、商品企画、事業立ち上げ支援など、OEMの枠を超えたサポートを行っている。
この記事の目次
伝わらなければ始まらない
こだわってこだわって、時間とコストをかけた商品が売れない。
ビジネスを行ううえで、このような結果は誰しもが避けたいはずです。一方で、残念ながら類似のケースは頻繁に起きています。良い商品を作ったにもかかわらず、なぜこうした事象が起こってしまうのでしょうか。結論、「伝わらない商品を作ってしまっているから」であると考えます。
クリエイティブから逆引きする
では、「伝わる商品を作る」には、どのようなプロセスで考えれば良いのでしょうか。その1つの手段が、「クリエイティブから逆引きする」です。具体的には、LP、バナー、動画、チラシ、ポップ、アテンションシールなど、クリエイティブで何を表現したいかを整理し、それが叶う商品になっているかを検証しながら進めます。
ポイントは、出来上がった商品からクリエイティブを検討するのではなく、逆のプロセスを辿るという点です。
広告表現の規制を理解する
商品が出来上がるまで、広告について一度も考えないということはないでしょう。その意味では、前述したようなプロセスは、いずれの化粧品開発でも行われているとも考えられます。
しかし、化粧品には薬機法や広告ガイドライン、景表法など、遵守しなければならないルールが多数存在しています。
それらを理解せずに、打合せの中で「この成分の効能良いね!」「このデータは信頼できる。きっと効果があるはずだ!」と盛り上がっても、クリエイティブ制作の段階で、そのほとんどが記載NGとなり、広告上は他社製品との違いが全く伝わらないということが起こり得るのです。
商品を俯瞰で見る
どうしても入れたい成分がある、この点だけは譲れない。商品に真摯に向き合えば向き合うほど、そうしたこだわりは増えてきます。そのうちに、消費者との接点となり、商品の良さを伝えてくれるクリエイティブの存在を忘れてしまいがちです。クリエイティブは代弁者です。そこで何が表現できるかは、成分の選定や使用感の検討と同様に、とても重要なのです。
また、昨今は消費者の広告嫌い(明確に広告と判断されるものを信用しない)もあり、クリエイティブから考える=消費者のことを考えず、売ることばかりを考えているように誤解されることもあるようです。
本記事では、こだわりなど捨てて、広告でうまく表現さえできれば良いと述べているわけではありません。むしろ、せっかくこだわった商品が、良さを伝えられずに埋もれてしまわぬよう、クリエイティブから逆引きしましょうというのが趣旨になります。
自社の商品として、成分や使用感にこだわりつつ、消費者の立場で商品を俯瞰し、何が伝われば購入に至るかを客観的に評価することが重要です。
新規顧客との出会いの入口
- 良さが伝わること:新規顧客の獲得
- 良い商品であること:リピーター育成
消費者の期待(効果実感)に応えるためにも、後者はとても重要です。しかしながら、前者がなければLTVの前提となる「初回のお買い上げ」が発生しません。クリエイティブはその入口であり、ゆえにそこで何が表現できるかが重要なのです。
また、適正なCPAで新規顧客を獲得し、後のリピート購入で投資回収するという観点からも、どちらか一方ではなく、上記で述べた2点がきちんと両立していることが大事であると考えます。
「よくある失敗」をしないために
「想定の原価よりかなり高くなってしまうけど、OEM会社から紹介されたこの原料を〇%入れよう」。
あるミーティングでの会話です。この会議では、良い商品を作るために、当初の計画外の原価になったとしても、提案された効果のある原料を入れようという意思決定がなされたようです。
原価が上がれば、販売価格も上げなければなりません。したがってこのケースでの判断軸は、販売価格を上げても、広告訴求力が強まってCPAが下がり、かつ効果のある原料を配合したことでリピート率がUPし、結果としてLTVが良化して売上利益ともに向上する、という仮説が成り立つかどうかです。
しかし、多くの場合で「いい商品になるなら、販売価格を上げても売れるだろう(しかし広告ではいい商品になったことを訴求できない)」という考えにより、失敗リスクを高めてしまうのです。
たとえるならば、映画の予告編を思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれません。海外の有名コミックのヒーローが実写化された作品であれば、名シーンの切り抜きだけで訴求力があります。
一方、脚本は良いが、難解で短時間では伝わりづらい作品もあります。そうしたケースでは、「〇〇誌が絶賛」「〇〇映画祭 〇〇部門招待作品」「〇〇サイトでレビュー4.8」といった具合に、権威付けを行うことでその作品の良さを補完しています。
化粧品で言えば、前者は大手ブランドの戦略、後者は新興ブランドの戦略になぞらえることができます。こだわったからこそ、自社の商品の良さを知ってもらうために、伝えたいこと=クリエイティブ表現からの逆引きを実践してみてください。
ぜひご相談ください
いかがだったでしょうか。
本記事ではクリエイティブからの逆引きにフォーカスしましたが、商品の企画開発をより細分化すると、事業計画の策定、4P(Product、Price、Place、Promotion)の立案、競合との差別化ポイントの整理など、複合的に評価、検証することが必要です。これまでの記事では、それぞれについても触れておりますので、ぜひご覧ください。
株式会社天真堂では、医薬部外品やオリジナル化粧品を1,000個から製造可能です(商品内容により異なります)。
また、スキンケア、ヘアケア、オーラルケアなど、多くのカテゴリにおいて開発実績がございます。
OEM経験はもちろんのこと、ご要望に応じて、年間数百社からご相談をいただくEC通販に精通した特別なスタッフが対応いたします。
商品の企画開発はもちろん、「ターゲット設定」や「ゼロからの化粧品事業立ち上げ」など、ぜひお気軽にご相談ください。
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