日常業務でAI活用する183名に調査、業務時間圧縮や採用必要性の変化が明らかに|ECマーケティング

東京都港区に本社を置くECマーケティング株式会社(代表:中山高志)が、日常業務においてAIを活用している有職者183名を対象とした自主調査を実施しました。同社は15年以上の実績を持つwebサイト制作・リニューアルコンサルティング企業として、AI活用の実態と企業への影響を調査しています。

調査の概要

今回の調査は、国内20代から60代までの有職者で、日常業務においてAIを活用している方々を対象に実施されました。有効回答数は183名で、調査期間は2026年4月28日から5月2日まで、インターネット調査の形式で行われました。

回答者の属性について

調査回答者の年齢構成を見ると、30代が33.9%と最も高い割合を占めており、続いて40代が29.0%、50代が20.2%、20代が14.2%という結果になっています。60代以上は2.7%となっており、実務の中心を担う30代から50代が全体の大半を占める構成となっています。

勤務先の業種については、製造業が24.6%で最も多く、次いで情報通信・ITが19.7%、金融・保険が10.9%、建設業が9.8%、小売・ECが9.3%という順になっています。特定の業界に偏ることなく、比較的幅広い業種のWeb関連担当者が含まれた構成となっています。

従業員規模に関しては、51名から200名が16.6%、10,001名以上が15.5%、201名から500名と1,001名から3,000名がそれぞれ14.4%、50名以下と501名から1,000名がそれぞれ13.3%となっており、小規模企業から大企業まで幅広く分散しています。このことから、特定の規模や業界に限定されない、広範な企業実務におけるAI活用意識を捉えた調査であるといえます。

調査実施の背景と狙い

AI活用は企業担当者の実務に浸透しており、その用途は文章作成だけにとどまらず、調査設計、制作、分析、業務再設計にまで活用範囲が広がっています。こうした状況の中で、企業は「人員を増やすべきか」「既存人材の生産性を向上させるべきか」という判断を迫られており、個人側にもAIを使いこなす能力がこれまで以上に求められつつあります。

本調査では、Web担当者のAI活用実態を把握するとともに、AI活用が業務時間の圧縮感、人員採用の必要性、企業の採用方針、人材に求められる能力認識にどのような影響を与えているかを明らかにすることを目的としています。さらに、AI時代において企業が今後どこに注力すべきか、また個人がどのような危機感やキャリア意識を持っているかを可視化することも目的としています。

AIツールの利用頻度

AI利用頻度

業務におけるAIツールの利用頻度について尋ねたところ、AIの利用はかなり日常化していることが明らかになりました。「ほぼ毎日活用している」という回答が44.2%で最も多く、「毎日複数回活用している」も18.1%に達しています。毎日利用している層だけで6割を超えていることから、AIは一部の先進的な層による試行段階ではなく、実務インフラとして定着し始めている状況がうかがえます。

AI活用している業務内容

AI活用用途

AIを活用している業務については、「アンケート調査設計」が42.1%、「サイト制作・リニューアル」が36.6%、「動画制作」が32.8%が上位を占めました。議事録作成などの定型的な文章業務だけでなく、調査設計やイベント・サイト運営にまで広がっており、AI活用が補助作業から企画・運営周辺へと拡張していることが見て取れます。

また、割合は高くないものの、採用合否判定や人事評価などAIに人間の評価を委ねている点は興味深いポイントです。実際に、私情を挟まず客観的に評価できる点は、人よりもAIが適している領域といえます。

AIによる業務処理時間の圧縮度

AIによる業務時間圧縮度

AI活用によって業務処理時間がどの程度圧縮されたかを尋ねたところ、「40%程度」と「30%程度」がともに37.2%で最も多く、合計74.4%が3割から4割の業務圧縮を実感していることが分かりました。「50%以上」も12.6%あり、AIは単なる効率化の印象論ではなく、かなり具体的な時短効果として認識されていると考えられます。

生産性向上を優先する動き

採用より生産性を優先する動き

職場において、AI導入後に「人を増やすよりも、既存人材の生産性向上を優先する」という考えが強まっているかを尋ねたところ、「強くそう思う」が18.6%、「ややそう思う」が65.0%で、合わせて83.6%が生産性向上優先の流れを感じています。採用拡大よりも既存人材のAI活用を通じた成果最大化へ軸足が移っている構図が鮮明になっています。

人員採用の必要性の変化

採用必要性の変化

職場における「人員を増やす必要性」がAI活用前と比べてどう変わったかについては、「大きく下がった」が12.6%、「やや下がった」が51.4%で、64.0%が採用必要性の低下を感じています。一方で「変わらない」も29.5%あり、AIが効率化を進めても、すべての業務で直ちに採用抑制へつながるわけではないことも示されています。

業務圧縮度と採用必要性のクロス分析

AIによる業務圧縮度+採用必要性

参考クロス分析として、AIでの業務圧縮度と採用必要性の変化を掛け合わせて分析したところ、時間圧縮が「50%以上」の層では、「大きく下がった」が30.4%、「やや下がった」が43.5%で、採用必要性低下の認識が最も強く出ています。圧縮率が低いほど「変わらない」の比率が高い点からも、採用への影響を左右しているのはAI導入そのものよりも、実際にどれだけ業務を圧縮できたかであることが分かります。AIの利便性を経験している人ほど、採用の優先度が下がっていると推測されます。

個人に求められる水準の変化

個人に求められる水準

AI活用が進むほど、個人に求められる水準がどうなると思うかについては、「高くなる」が最も多かったのは「業務の処理能力」で69.9%、「業務の成果」が59.0%、「業務の処理速度」が51.3%でした。AI導入で個人の負荷が下がるというよりも、むしろより高い成果責任や処理能力が求められるという受け止めが強いといえます。

人材価値低下への危機感

AI活用による人材価値の危機感

AI活用が進むことで「一般的な実務だけでは人材価値が下がる」という危機感をどの程度感じるかについては、「非常に強く感じる」が21.3%、「やや感じる」が61.2%で、合わせて82.5%が危機感を持っています。AIの浸透が、単なる効率化ツールではなく、人材価値の再評価を迫る存在として受け止められていることが分かります。

AI活用と企業競争力の関係

AI活用に伴う企業の競争力

今後、AI活用が進んでいない企業はあらゆるビジネス競争で遅れを取ると感じるかについては、「非常に強く感じる」が25.1%、「やや感じる」が58.5%で、合わせて83.6%が遅れを取ると見ています。AI活用は個人業務の効率化にとどまらず、企業競争力そのものに直結する経営課題として認識されていることが明確です。

出典元:ECマーケティング株式会社

Amazon Payを取り巻くEC決済の動向と実態