
株式会社HADOが運営する消費者参加型メディア「Monita(モニタ)」は2026年4月、全国30人の男女を対象に「プロ仕様製品の導入と利用実態に関するアンケート」を実施しました。調査の結果、高機能製品を導入した消費者の63.3%が現在殆ど使用していない実態が明らかになりました。
調査実施の背景
「おうち時間」の定着やSNSを通じたクリエイティブ活動の広がりを受けて、一般消費者の間でもプロが使用するレベルの「高機能・高品質」な製品に対する関心が高まっています。30代・40代を中心として、趣味や家事をより充実させるための「自己投資」の一環として、高価格帯のプロ仕様製品を選ぶ人々が増加しているとのことです。
その一方で、「高性能であるが故の操作の難しさ」や、生活スタイルとの不適合による「早期の使用断念」も少なくない状況となっています。今回の調査では、こうした消費行動における「理想と現実のギャップ」を明らかにし、ユーザーが製品の本来の価値を十分に享受するための課題を明確化することを目的として実施されました。
調査結果のポイント
今回の調査から、以下の3つの主要なポイントが明らかになりました。
第一に、導入者の63.3%が「現在は殆ど使用していない」という実態です。高機能への期待感から製品を購入したものの、日々の生活サイクルの中で活用されず、室内での保管状態(いわゆるオブジェ化)が続いているケースが半数以上に上ることが分かりました。
第二に、継続的な利用を妨げる「三つの障壁」が判明しています。製品のスペック以前に、「物理的負荷(重量・サイズ)」「認知的負荷(操作の難易度)」「維持負荷(清掃・準備)」という三つの要因が、実際の活用を阻んでいることが明らかになりました。
第三に、「形から入る」という購入動機と実際の習熟度とのギャップの存在です。高額な製品が「スキルを補完してくれる」という期待に対して、実際には専門機材には相応の習熟期間が必要であるという現実が、挫折の要因となっているとのことです。
30人の回答から見える活用の実態
導入後の活用状況について
「導入した高機能アイテムは現在どのような状態ですか?」という質問に対して、63.3%にあたる19名が「現在は使用せず保管状態にある」と回答しています。さらに「意地で使い続けているが、機能を把握しきれていない」という回答者を含めると、全体の約7割が製品の潜在的な能力を十分に引き出せていない課題を抱えていることが浮き彫りになりました。
アンケート回答から見える具体的な課題
専門性と利用環境のミスマッチ
30代男性(プロ仕様の音響機材セット/現在は保管状態)からは次のような声が寄せられました。「直面した壁は、その機材があまりにもプロの現場向けすぎたことです。まず、オーディオインターフェースの専用制御ソフトが、まるで戦闘機のコックピットのような複雑さでした。マニュアルを読んでも「ルーティング」や「ファンタム電源」といった用語の嵐で、録音ボタンに辿り着くまでに丸一日を要しました。ようやく録音にこぎつけても、今度はマイクの性能の良さが問題になりました。感度が良すぎるあまり、隣の部屋で家族がテレビを見ている音や、外を走るバイクの排気音、自分の空腹で鳴る音まで、驚くほどクリアな音質で拾い上げてしまうのです。結局、そのノイズを除去するためにさらに高機能なソフトを買い足すという、本末転倒な状況になりました。」
物理的・認知的負荷による利用頻度の低下
40代男性(フルサイズ一眼レフカメラ/現在は保管状態)は次のように語っています。「まず、カメラの重さが完全に誤算でした。レンズをつけると3kgを超え、首からぶら下げると身体的負担が大きく、撮影スポットに着く頃には疲弊してしまいました。また、プロ仕様ゆえに操作系が多岐にわたり、急なシャッターチャンスにおいて設定の選択が間に合わず、決定的な瞬間を逃してしまいました。結果として、簡便に操作できるスマートフォンのカメラで撮影した写真の方が満足度が高いという状況に直面し、機材の習熟には相応の学習コストが必要であることを痛感しました。」
機能性とメンテナンス性のトレードオフ
30代女性(多機能スチームオーブンレンジ/活用が限定的)からは以下のコメントが寄せられています。「多機能ゆえに操作が複雑で、メニューが細分化されすぎていたため、使用の度に説明書を確認する必要がありました。パン作りなどの高度な調理に挑戦しようとしても、設定がシビアで期待通りの仕上がりを得るまでに時間を要しました。さらに、調理後の庫内清掃などのメンテナンス負荷も高く、結果として『手軽に利用する』という日常使いのサイクルから外れてしまい、現在は基本的な温め機能以外の活用が困難な状態にあります。」
アイテム別「宝の持ち腐れ」発生数。日常的に使用するキッチン家電や、高額なカメラ機材が上位を占めています。
専門家による考察
今回の調査によって、消費者が「高機能・プロ仕様」の製品を購入する際、スペック上のメリットのみに目を向け、購入後の「運用コスト(学習・維持・身体的負荷)」を過小評価する傾向があることが示されました。製品市場において差別化が進む現在、ユーザーが自身のライフスタイルや習熟度に適合した「適正なスペック」を選択するための情報提供が、購買後の満足度を維持する上で非常に重要であると考えられます。
調査概要
調査内容:「プロ仕様製品の導入と利用実態に関する調査」
調査期間:2026年4月28日
調査対象:全国の男女
有効回答数:30件
調査方法:インターネット調査
出典元:株式会社HADO











